被災者のような顔して逃げまどう彼を許せない わたしが火事か 岡本雅哉
あるんですよ、卑怯な男にはよく。
自分の胸にやましいものがあるから 逃げ惑っているんだのに、まるで自分を被害者のように錯覚して、あるいは、装って、可愛そうな相手の怒りを「加害」のように位置づけてしまう 男。
ここでは被害者どころか、「被災者」ですから、男は自分が天災に翻弄されてでもいるような小さな憐れな生き物だと思っている、・・それを見せるパフォーマンスですね。
女だって、呆れて 私って、「火事」なの?
と、本心はシラけてるんだけど、そこまでするなら、いっそ私はお望み通り火事そのものになって怒りと瞋恚の炎、もっと燃やし、貴方の被災者願望と演技を完璧にしてあげましょうか・・・みたいな、心理に傾くとしたら哀しいものです。
しかししかし。
私がこのお歌に目を引かれたのは、作者さんが男性というところです。
たぶんそうでしょう。そしてたぶんまだお若いでしょう。
ならば・・・・・
これほど男女心理に通暁している歌をつくれる想像力と人間心理観察力に感服いたします。
私はこの年になっても、まだ己が性をひっくり返した歌を第三者の目で、物語のように詠うことはなかなかできません。
こういう男性(歌の中の彼ではないですよ、作者さんです)に・・巡り合ってじっくりと語ってみたいものです。
災いはなかった なにもなかったよね かあさんボクは自分で転んだ 迦里迦
今回の題詠では女性の立場から詠もうと思ったのですが、女性からお褒めいただけたのは、何よりうれしいことですね。よく、演歌の世界では男性が女ごころを歌いあげることもあるので、それもありじゃないかと思いまして。
確かに、ズルい男性はすべて女性のせいにして逃げ回るのが上手い。しかもそれをナチュラルにやってのけますね(笑)何かの縁があって、お話できると楽しそうですね♪
今後ともよろしくお願いいたします。
お歌の好き勝手ないじり方をして、いつも作者さんに対しては汗アセ。。。です。
コメントを読んで、ん?さほど実年齢はお若くもないのかな・・なんて感じましたけど、それはどうでもよいことでした。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。、お歌を期待しています。