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054:首

2009-12-16 | 題詠2009好きな歌鑑賞
春の首さらさら寒しタートルを思い出のように脱いでしまえば   行方祐美



                          



「春の首」 この直截な表現がのっけから私にはおもしろい。

゜春になると首は゛の意味ながら、

あたかも虚空に「首」が浮いているような感覚。


いい思い出、イヤな思い出、なべてぞっくりと過去とは脱ぐがよきもの。

爽快感と、どこか薄ら寒い不安の混ざった、ひとつの季が変わるときの気分を詠われたのでしょう。


「さらさら」は春風が首を撫ぜていく爽やかなオノマトペであるとともに、

「さらにさらに」のような意味も思わせて、

過去を脱ぐことは、新たな一歩への希望であるけれど、やはり「今までよりもさらにもっと寒い思いをするんだよ」と言っているようで・・。



ひとつ、このお歌に一目で惹かれた理由がわかりました。


「タートルを脱ぐように思い出を脱ぐ」という平凡な比喩ではなく



「思い出を脱ぐようにタートルを脱ぐ」という、逆の比喩であること。


最終的に同じWミーニングとなるのでしょうけれど



すっと、こういう口ずさみはなかなか出てきません。


歌いぶりも、内容にふさわしく、春の空気のように、淡くさりげない


シンプルで綺麗なお歌だとおもいました。







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