春の首さらさら寒しタートルを思い出のように脱いでしまえば 行方祐美

「春の首」 この直截な表現がのっけから私にはおもしろい。
゜春になると首は゛の意味ながら、
あたかも虚空に「首」が浮いているような感覚。
いい思い出、イヤな思い出、なべてぞっくりと過去とは脱ぐがよきもの。
爽快感と、どこか薄ら寒い不安の混ざった、ひとつの季が変わるときの気分を詠われたのでしょう。
「さらさら」は春風が首を撫ぜていく爽やかなオノマトペであるとともに、
「さらにさらに」のような意味も思わせて、
過去を脱ぐことは、新たな一歩への希望であるけれど、やはり「今までよりもさらにもっと寒い思いをするんだよ」と言っているようで・・。
ひとつ、このお歌に一目で惹かれた理由がわかりました。
「タートルを脱ぐように思い出を脱ぐ」という平凡な比喩ではなく
「思い出を脱ぐようにタートルを脱ぐ」という、逆の比喩であること。
最終的に同じWミーニングとなるのでしょうけれど
すっと、こういう口ずさみはなかなか出てきません。
歌いぶりも、内容にふさわしく、春の空気のように、淡くさりげない
シンプルで綺麗なお歌だとおもいました。

「春の首」 この直截な表現がのっけから私にはおもしろい。
゜春になると首は゛の意味ながら、
あたかも虚空に「首」が浮いているような感覚。
いい思い出、イヤな思い出、なべてぞっくりと過去とは脱ぐがよきもの。
爽快感と、どこか薄ら寒い不安の混ざった、ひとつの季が変わるときの気分を詠われたのでしょう。
「さらさら」は春風が首を撫ぜていく爽やかなオノマトペであるとともに、
「さらにさらに」のような意味も思わせて、
過去を脱ぐことは、新たな一歩への希望であるけれど、やはり「今までよりもさらにもっと寒い思いをするんだよ」と言っているようで・・。
ひとつ、このお歌に一目で惹かれた理由がわかりました。
「タートルを脱ぐように思い出を脱ぐ」という平凡な比喩ではなく
「思い出を脱ぐようにタートルを脱ぐ」という、逆の比喩であること。
最終的に同じWミーニングとなるのでしょうけれど
すっと、こういう口ずさみはなかなか出てきません。
歌いぶりも、内容にふさわしく、春の空気のように、淡くさりげない
シンプルで綺麗なお歌だとおもいました。