■古いトレイン
向かい側に座って 飛んでいく景色を見る
車窓のガラスを 雨粒が伝い落ちる
不思議なほど人の気配のない昔の街を
列車は無感動に走り抜ける
ここで笑って ここで転んで
あそこで出会って そのまま立ちつくした
ひとつひとつの記憶が
恥ずかしいほど鮮やかだ
そのときの温度や 空気の匂いまで
力ずくで私を押し戻す
ここでしゃがんで ここで見上げて
あそこを渡って あなたをめざした
気がつくのが遅すぎて
舞台は終わってしまったけれど
古い時刻表の片隅に
この列車は今も走っているのだろうか
向かい側に座って 飛んでいく景色を見る
車窓のガラスを 雨粒が伝い落ちる
不思議なほど人の気配のない昔の街を
列車は無感動に走り抜ける
ここで笑って ここで転んで
あそこで出会って そのまま立ちつくした
ひとつひとつの記憶が
恥ずかしいほど鮮やかだ
そのときの温度や 空気の匂いまで
力ずくで私を押し戻す
ここでしゃがんで ここで見上げて
あそこを渡って あなたをめざした
気がつくのが遅すぎて
舞台は終わってしまったけれど
古い時刻表の片隅に
この列車は今も走っているのだろうか