「家事とは、 先人からの呪い である」
「家事とは、 身体表現(からだの延長) である」
10月28日、私たちNPOコレクティブハウジング社はセミナー&ワークショップ
「“家事”していますか-男も女も“変われる!?”暮らし方」を開催しました。
主旨と流れの説明後、参加者どうし自己紹介も兼ねて
各人の「私にとって、家事とは_である」をシェア。
(↑ちなみにこれは、私が書いたもの。
負荷がかかる、面倒、疲れる、パワーがいる。
でも、心や体が鍛えられる、達成感がある、という感じです)
次に、食事、掃除などの家事を共同で行ったり、
家事にかかわることを世帯以外の大人どうしが毎月の定例会などで話し合ったりする
ユニークな住まい、「コレクティブハウス」の取材VTRを鑑賞。
北欧が発祥のコレクティブハウスは、
建物内に共同のダイニング、庭などがある一方
各住居には、バス・トイレ・台所などの水回りを完備。
居住者は、プライバシーが確保された居室がありながらも
共同スペースでゆるやかに交流ができます。
食事(主に夕食)を、およそ月1回当番でつくる「コモンミール」
当番での共用設備の掃除など
家事の一部を共同化して、みんなで支えあって住まう
合理的かつ、つながる暮らし方です。
鑑賞後は、実際に東京都多摩市のコレクティブハウスに住む2名から
ハウスで共同で行う家事、ハウス内のさらに各住居で行う家事についてなど
お話を伺いました。
まずAさんは、日本と外国の興味深い調査資料についてお話してくれました。
・1日3回以上食事をつくっている
・1日3回以上食器を洗っている
と答えた主婦は、日本人がダントツの「55.5%」(いずれも)!
かたやイギリス、アメリカほか欧米諸国は、1桁〜20%台。
日本人がいかに「家事をきちんとやらないといけない」という規範意識や
やらないことへの後ろめたさに縛られているかが垣間見えました。
パートナー、お子さんとコレクティブハウスに住むAさんは、
「コモンミール」に挑戦したことで料理の腕を上げました。
Aさんの作るシンガポールライスは絶品!
以前は一軒家にお住まいだったBさんは、
集合住宅のコレクティブハウスに来て、家の仕事が減ったそう。
設備・器具の充実した食堂で、パンを焼くこともあります。
コレクティブハウスでの暮らし。人によっては家事が増えるかもしれない一方で
コモンミールや、やったことのない家事(網戸張りなど)を
みんなでワイワイガヤガヤやれるので、家事の心理的負担は軽減できているのでは
とも感じられました。
そして、ユニークな住まいの家事を見聞きしてからの、
再度「私にとっての家事とは」を参加者で語り合いました。
家事とは「日常」「身のしまつ」「ケア(世話)」「試練」「裁縫」
「生きること」など、さまざまな意見が出ました。
まとめ1:「家事とは、 先人からの呪い である」
規範意識、性別役割分業、家事をきちんとやらないことへの後ろめたさ、
これまでの社会・人からの「こうあらねば」に縛られていることを
「呪い」と表現し「先人からの呪い」となりました。
まとめ2:「家事とは、 身体表現(からだの延長) である」
その一方で「自分を身ぎれいに保つ」とか「自分や家族をケア(身の回りの世話)する」とか
「身のしまつ」とかいう言葉に出てくる「身」、つまり、からだ。
そして、「家事とは生きること」、「家事とは日常」と
自分の身とやはり切っても切り離せないものだ、ということが
みんなの雑談の中から浮かび上がり
「 身体表現(からだの延長) 」となりました。
* * * * * *
今後の予定は決まっていませんが、
このワークショップ、メンバーや場所を変えて
もっと多くの方と、また語り合えたらな・・・と感じました。
また何か動きがあれば、このブログでお伝えしたいと思います。
みなさん、ありがとうございました。
(R)