深夜田町3時半~涙の最終列車~

「快楽音楽堂」「こくまろみるく」「あくたむし」のいわまひろゆきが何かあったら吼える場所。負け犬の遠吠え。

振り返ると、いつも隣にあったのは音楽だった

2016-02-06 21:41:35 | 活動・情報
4月24日開催の「M3-2016春」、快楽音楽堂で当選しました。
第二展示場2F コ-18a です。
CDの予定は今のところまだ立っていませんが、是非遊びに来てください。

ツイッターで「私を構成する9枚」という面白い流れがあったので画像を作ってみました。


正直、僕を構成する音楽においてたった9枚では足りないのですが、よく聴いた音楽で一定のジャンルでないものを考え
こういうラインナップに落ち着きました。
せっかくなので左上から順番に解説でもしようかなと・・・薀蓄が混じるので長くなるかもしれません。
長文が苦手な方は右へ回れでどうぞ。

・イングヴェイ・マルムスティーン「Rising Force」
ヘヴィメタルを知った10代。ディープパープルやブラックサバス、ハロウィンなど有名どころのバンドをしらみつぶしに聴き倒していました。
リッチー・ブラックモアを敬愛するギタリストがリッチーのクラシカルな奏法だけを昇華させた化け物みたいな曲があると聞き
初めて購入した貴族のCDがこちらです。
なんといっても2曲目「Far Beyond The Sun」は衝撃の一言でした。
僕はスラッシュメタルやジャーマンメタルが大好きだったのですが、これほど耽美で暴力的なメタルを聴いたことがなかったので
ストラトで顔を殴られ水をぶっかけられたような衝動を受けました。
この頃にはDTMをやっていたのですが、早速自分もクラシカルな芸風を取り入れるに至りました。
当時作っていた曲もインギーの6億番煎じみたいなものばかりだったなぁ・・・と懐かしくしみじみと。

・GARGOYLE「天論」
ジャメニーズ・ヘヴィメタル(ジャパメタ)というムーブメントが80年代にありました。
僕は80年代生まれなのでこのムーブメントに乗った世代ではないのですが、こうした「過ぎた歴史」を掘り返すのが若者の特徴。
ANIMETALの流れで坂本英三や屍忌蛇を知り、10年遅れて彼らの在籍していたバンドのCDを漁りました。
英三さんのアンセムも素晴らしく、「Wild Anthem」など好んで聴いていました。
そして、画像の「天論」。酔いどれ芸人・屍忌蛇さんが在籍していた最後のアルバムで、最高のアルバム。
同時期のX(X JAPAN)やAIONと同じようにメロディックスラッシュメタルの路線を下敷きにメタルに留まらないアヴァンギャルドな構成に10代の僕に強烈な印象を与えました。
オープニングナンバー「審判の瞳」はギターソロがサビのような強烈な印象。KIBAには悪いのですが、詞より訴えかけるギターソロばかり聴いていた。
「月下濫觴」はクリーンギターを使って美しいアルペジオから続く狂想曲、曲調がころころ変わる面白い曲。1曲の中にいくつもの表情を見せて飽きさせない。
母親に抱かれるような安心感と父親のような頼もしさが同居したような1曲。
「雨ニモ負ケズ」はリフレインの大切さを教えてくれた。拙作の「少女娼婦」の三味線ソロはこの曲の影響です。
「破裂願望」は超高速なトルコ行進曲のギターソロが音の洪水で呆然とさせる僕の鼓膜を貫く。

・DEEP PUPLE「Burn」
言わずと知れた「ハードロックの教科書」。
義務教育課程と言っても過言ではない。今更説明は不要でしょう。正直、ディープパープルはこのアルバムどころかマシーンヘッドなど影響を受けたものは沢山あります。
DEEP PUPLEに物足りないアナタはリッチーの別バンド「RAINBOW」も是非聴いてください。

・すぎやまこういち「交響組曲ドラゴンクエスト3」
最初からヘヴィメタルにどっぷりだったわけではなく、始まりはアニソンやゲーム音楽だった記憶があります。
僕が自分で音楽をやりたいと思いはじめたのは自宅で遊んでいたドラクエ3。
不死鳥ラーミアに乗り込んだ時の流れた3音の電子音。その旋律があまりの美しすぎた。
涙を流し僕は当時やっていた進研ゼミチャレンジの点数を集めてカシオキーボードを手に入れ作曲の道に踏み込んだのだった。
ちなみに初めて買った楽譜はドレミ出版のドラクエ3のピアノ譜です。

・菊田裕樹「聖剣伝説2」
1993年8月6日、強い雨の降る日だった。
原爆の日だった事もありTVでは原爆に関するニュースや映画が放映されていた。
少年だった僕は弟と横殴りの豪雨の中、林書店へ行き列に並び「聖剣伝説2」を手に入れた。
ニコニコする兄弟。スーパーファミコンの電源をいっせいのせで入れる。
獣達の咆哮にも似た怪しげな音と共に表示される「SQUARE」のロゴ。その刹那、透明感のあるピアノの旋律と共に、聖剣伝説の代名詞であるマナの木のビジュアルが
小さなブラウン管テレビに映し出されていた。
ドラクエにもFFにも他のスーファミソフトにもない、その不思議な音楽世界に魅了された僕はプレイしながらカセットテープに音を吹き込んでいった。
当時はそれで満足していたが、数年後、プラケースで再販されたサントラCDを購入した(最初は紙ジャケだったのですよ)
当時はプログレという言葉を知らなかった。このCDを指してプログレの一言で片付けていいとは思わないけどこの独特の音世界は僕に妖精の存在を信じさせた。
ちなみに聖剣3のサントラは発売日に買いました。その頃になるとゲームと一緒にCDも販売されてた記憶があります。

・植松伸夫「ファイナルファンタジーV DEAR FRIENDS」
ファイナルファンタジー5のBGMをアレンジした公式のCD。
FFからも多大な影響を受けた僕ですが、5が特に好き。原曲主義だったためアレンジ盤は4のアレンジ盤「ケルティックムーン」と「DEAR FRIENDS」しか持っていない。
邦楽か良くてクラシック音楽しか聴いてこなかった僕にフィンランドの民族音楽がどういうものかを教えてくれた。その入り口的なアルバムだったと思う。
お気に入りは「MY HOME, SWEET HOME(はるかなる故郷)」。原曲も好きだったけど、こちらはボーカルが入っていて一部、サーミ語が使われている。
北欧の音楽というのはとてもしっとりとしていて、悲しい。だから日本の叙情によく合うのだと思います。

・あぶらだこ「あぶらだこ(月盤)」
あぶらだこはカオティックハードコアというジャンルを教えてくれた。月盤というのは正式な名称でなく、アルバムの名前を付けないため差別するためファンが付けている俗称。
いつも同じ事ばかりしているヘヴィメタルに疲れた僕はあぶらだこを聴いて音楽は自由でいいと改めて気付かせてもらえた。

・INU「メシ喰うな!」
現在は小説家として活躍する町田町蔵率いるパンクバンドのメジャーデビュー作。アナーキーな思想にとても影響を受けたように思う。
影響というよりは一時期すごく聴いたCDという位置づけですかね。

・筋肉少女帯「仏陀L」
大槻ケンヂ率いる筋肉少女帯のメジャーデビュー作。オーケンの詞世界や怪鳥音に注目されがちですが僕が最も影響を受けたのは三柴江戸蔵(通称エディ)のピアノ。
彼はクラシックピアニストでそのクラシカルなピアノをロックサウンドに乗せているという事で耽美で一種異様な音世界を作り上げている。
そこにオーケンの語る偏った人生論が筋少を宗教にまで高めた印象があります。
二作目「SISTER STRAWBERRY」収録のマタンゴはその最もたる作品だと思います。



そして、一番僕に影響を与えたアルバムは可愛い自分の子供達というわけさ。