会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日大、複数学部で不適切な業者選定が発覚 内部監査報告書を入手(毎日より)

日大、複数学部で不適切な業者選定が発覚 内部監査報告書を入手

日本大学で、業務委託先との契約締結の際に、不適切な手続きが行われていたという記事。内部監査で判明したそうです。

「日本大が2022~23年度、学内の清掃や警備業務の委託先と契約する際、必要な入札を実施しなかったり意中の業者に最低価格を漏らして受注させたりするなど不適切な選定手続きをしていたことが、毎日新聞が入手した「内部監査実施報告書」で判明した。報告書は法学部など5学部と本部総務課がそれぞれ結んだ33件の契約で「重大な不備」か「それに類する事項」があったと指摘。」

「報告書によると、日大は業者の選定手続きで原則、1億円以上の契約は「入札」1億円未満100万円以上は2業者以上の見積書を比較して選ぶ「見積もり合わせ」を実施すると内規で定めている。」

「「重大な不備」とされた選定手続きは法学部で10件、理工学部で6件あった。法学部は入札や見積もり合わせを実施せず、学部の事務局執行部などが決めた業者と随意契約していた。理工学部は業者を選定後、形式的に見積もり合わせを実施した可能性が高いとされた。

 「重大な不備に類する事項」とされたのは本部総務課2件▽生産工学部6件▽生物資源科学部8件▽薬学部1件。そのうち薬学部は4業者が参加した見積もり合わせで、意中の業者が2番目に低い価格(約4346万円)を提示したため、最低価格になるように約90万円値引きさせた上で選定していた。各学部の事務局執行部などが、現在取引中の業者と引き続き契約するため、指示していた可能性がある。内規に反した合理的な理由も見当たらなかった。」

入札や見積り合せの金額基準が妥当かどうかはよくわかりませんが、すごく厳しいというほどでもないでしょう。大きな不祥事を起こしているのですから、このぐらいのルールは守るべきなのでしょう。

学者のコメント。

「私立大には高等教育機関として社会的責任があり、国から税制優遇なども受けられる。公共調達に詳しい上智大法学部の楠茂樹教授は「競争がない中で特定業者と随意契約を結ぶと、言い値になって無駄が生じ、業者との癒着のリスクも高まる。学生をはじめとするステークホルダー(利害関係者)に説明できる合理的な理由がないのであれば許されない。原因を見極め、適切に対処する必要がある」と話す。」

日本大学 業者選定で不適切な手続き相次ぐ 内部監査で確認(NHK)

「日本大学によりますと、内部監査は昨年度までの2年間に行われた委託契約などが対象で、外部の公認会計士らが行いました。」

「日本大学は、不適切な手続きで少なくとも10億円以上が支出されたとしつつ、「大学に大きな損害が生じたとまでは言えない」としていて、調査を進めるとともに関係職員の処分を検討しています。」

別の不祥事学校法人に関する記事。

捜索受けた東京女子医大、「危機的状況」の人手不足で病床稼働率は約5割(読売)

「新宿区にある大学病院本院では16年度から22年度に医師が881人から675人に、看護師は1117人から941人に減少。病床稼働率は約5割にとどまる。ある医師は「人手不足で危機的状況だ」と語る。」

「大学と至誠会の発注工事を巡っては、元職員が運営に関与した会社が工事の元請け業者から1億円超を得ていた問題も浮上している。岩本氏は説明会で「私にはそういうお金は流入していない」と語り、別の理事も同じ見解を示した。」

こういうことがあるから、入札や相見積もりをやらないといけないのでしょう。

当サイトの関連記事(東京女子医大関連)

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