(差替)特別調査委員会の調査報告書(中間報告)受領及び特別調査委員会による調査の進捗状況に関するお知らせ(PDFファイル)
ラックランド(東証プライム)のプレスリリース(2023年6月14日)。
同社は、四半期レビュー手続の中で、工事原価に関連する偽造された見積書(PDFファイル)が監査人に提出されるという問題が発生し、調査委員会を設けることを開示していましたが、その特別調査委員会の調査報告書(中間報告)を受領したとのことです。60ページほどの調査報告書も添付されています。
調査開始の経緯について(報告書8ページ)。
その後のデジタルフォレンジックの結果から、別の不適切事象の疑いも出てきて、追加調査事象としたそうです(9ページ)。
最初に問題となった偽造については、工事進行基準適用のための社内ルールを形式的に充足するためのものであり、自ら利益を得るための不正行為とは異なるという評価をしています(55ページ)。(会計上の影響についてはふれていないようです。)
しかし、プレスリリースによると、追加事案に関しては、工事契約間での原価の付け替えなどの不適切な行為の疑いが明らかになったようです。関与していた人数も多数です。
「本追加事案は、工事案件において、当社の複数の工事部門、支店において、工事担当者から協力会社に対して、当該工事案件の原価を調整して目標粗利率を達成するなどの目的で、当該案件に係る施工代金の請求額の一部を他の案件に係る施工代金の一部として計上して請求する方法、当該案件に係る施工代金の請求額の一部の減額を要請し将来の他の案件において減額分を支払うことを約束する等の方法により、原価の付け替えに係る不適切な要請をしていたとの事案です。現状の調査では、工事担当者十数名程度が個別にかかる不適切な要請を行った疑いがあり、今後の調査で詳細を明らかにする予定です。 」(プレスリリースより)
追加分も含む調査報告書の受領は、2023 年7月 25 日頃とのことで、トラブルはまだ続くようです。