投資ファンド元代表が数千万円不正支出か…東京地検特捜部、運営会社を捜索
ファンド運営会社の元代表取締役による不正支出疑惑で、東京地検特捜部が家宅捜索を行ったという記事。
「関係者や民事訴訟の裁判記録などによると、不正支出の疑いが持たれているのは、太陽光や風力発電などエネルギー分野を投資対象とするファンドの運営会社「IDIインフラストラクチャーズ」(IDII、東京都港区)の元代表で、2014年から20年まで務めた。
元代表は在任中、知人が経営するエネルギー関連会社との間で投資に関するリポート業務の委託契約を結んだと装い、委託料名目で数千万円を知人の会社に支出し、自身の会社に損害を与えたなどとされる。知人の会社に支出された資金の大半は、元代表が実質支配しているとみられるシンガポール法人に送金され、元代表が自ら利益を得た可能性もあるという。」
少し前に発覚した事件のようです。
「不正支出疑惑は20年8月頃に内部通報で発覚。外部の弁護士らによる調査委員会で調査が進められ、元代表は同年10月に解任された。」
さらに詳しい記事。
投資ファンド特別背任「元代表の指示で架空の契約」供述…知人の会社に数千万円支出の疑い(読売)
「部下だったIDII関係者は特捜部の任意の事情聴取に対し、元代表から指示を受け、知人の会社経由で同法人に資金を支出したと説明。契約や同法人に実態はなく、「契約書は外形を整えるために支出後に作成した」と述べた。また、知人の会社を経由させた理由について、他の役員や監査法人が不審に思わないように工作したとも説明。特捜部は、契約の実態がないことを示す元代表らのメールを入手したという。
元代表は14年に就任。20年8月に不正支出疑惑が発覚し、同10月に解任された。外部の弁護士らによる調査委員会の調査報告書は、元代表が投資先の選択などIDIIや関連会社の重要な事項を実質的に全て決めていたとした上で、取締役会や投資委員会に情報開示せず、取締役会議事録や契約書が事後に作成されるなど不適切な行為があったと指摘した。
元代表側は民事訴訟で、「IDIIと知人の会社間、知人の会社とシンガポール法人間の業務委託契約には実態があった」などと主張し、不正を否定している。」
数千万円程度の不正支出で特捜部が登場するというのは、不思議です。何か、もっと大きな事件につながるのでしょうか。
東京のファンド運営会社元代表が不正支出の疑い 関係先捜索(NHK)
こちらの記事では、「F-Power」という会社の倒産に関連して、そこに出資していたIDIインフラストラクチャーズにもふれています。
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企業倒産を追う「F-Power」~大和証券と経営陣のお家騒動の果て(前)(2021年)(NetIB)
企業倒産を追う「F-Power」~大和証券と経営陣のお家騒動の果て(後)(2021年)(NetIB)
「IDIインフラでトップの交代劇が起きた。20年10月30日の取締役会で埼玉浩史氏が代表取締役社長を解職され、大和証券グループ本社常務執行役員・荒木秀輝氏が後任の社長に就任した。荒木氏は、再生可能エネルギーやインフラ分野への投資を目的に18年10月に事業を開始した大和エナジー・インフラの社長を務めていた。
IDIインフラには、インダストリアル・ディシジョンズ(IDI)と大和証券グループ本社が、それぞれ50%出資している。大和側の役員が、埼玉氏の善管注意義務違反などを理由とした緊急動議で社長を解職した。」