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クラウドゲート株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)

クラウドゲート株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、「重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた」として、クラウドゲート株式会社に対する課徴金納付命令を決定しました(2012年10月23日付)。

決定した課徴金の金額は、1871万円です。

証券取引等監視委員会から指摘された事実を会社側が一部否認したため、その部分について、審判官3名による審判手続が行われたようです。

以下のような点が争点となっています(プレスリリースより)

「本件の争点は、次のアないしオのとおりである。

ア 金商法172条の2第1項は、発行開示書類に虚偽の記載があることでそれがなかったときより多くの出資を得られるような場合以外の場合にも適用されるか。

イ 金商法172条の2第1項に基づいて課徴金を課すための要件として、発行者に具体的な経済的利得のあることが必要か。必要であるとして、発行者である被審人に具体的な経済的利得があるか。

ウ 前記各違反事実に係る各有価証券届出書(本件各発行開示書類)に、「重要な事項」につき虚偽の記載があるか。

エ 金商法172条の2第1項に基づいて課徴金を課すための要件として、発行開示書類の虚偽の記載と有価証券を取得させることとの間に因果関係のあることが必要か。

オ 金商法172条の2第1項に基づいて課徴金を課すための要件として、発行者に虚偽の記載についての故意又はそれに類する責任要素(故意過失等の責任要素)のあることが必要か。必要であるとして、違反事実第3に係る有価証券届出書の虚偽の記載につき、発行者である被審人に故意過失等の責任要素があるか。」

会計というより、課徴金に関連する金商法の解釈の問題のようです。このうち、オに関しては「発行者に虚偽の記載についての故意過失等の責任要素のあることは、必要でない」という結論になっており、虚偽表示の場合は故意でなくても課徴金が課せられることが確認されています。

同じ日に公表された別会社のインサイダー取引事件の「決定」では「違反事実がない」とされています。

株式会社SJIとの契約締結交渉者からの情報受領者による内部者取引事件に対する違反事実がない旨の決定について(金融庁)

「被審人に対する本件審判事件について、法178条1項16号に該当する事実を認めることはできない。」
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