米MRIインターナショナルの勧誘していた金融商品については、週刊ダイヤモンドが2007年に不自然さを指摘していたそうです。
「「不思議としか言いようのない金融商品がある」――。こんな書き出しで週刊ダイヤモンド2007年6月16日号特集「金融商品の罠」が、名指しで疑問を呈したものがある。
その商品の名は「MRIシリーズ・セレクトA」。そう、1000億円にも上る顧客資産が消失した恐れがあるとして、証券取引等監視委員会(SESC)が強制調査に乗り出した米MRIインターナショナル(本店・ネバダ州ラスベガス)が販売したものだ。」
また、同社の日本における責任者は金融の素人だったそうです。
「・・・そもそも制度の不備が後押ししたことも見逃せない。鈴木順造・日本支店長らはSESCの調査に応じているが、「金融の知識がなく、財務諸表も読めないど素人」(金融当局関係者)。にもかかわらず、金融商品取引法に基づく第2種金融商品取引業への登録要件はきわめて甘く、取り扱う商品内容の審査はない。
投資被害に詳しい弁護士は、「不正を働く業者は登録の事実を、逆に金融庁のお墨付きを得たと宣伝に使うケースもある」と話す。
当局側も、業者の増加に対応しきれず「日常的な監視や検査のためのマンパワーは圧倒的に足りない」(関係者)と打ち明ける。SESCや所管の関東財務局がMRIの出資者から直接、被害の情報を得たのは昨年12月のことだ。」
監督を受ける方は素人なのかもしれませんが、監督する金融庁や財務局はプロなのですから、2007年の段階で有力経済誌で指摘がなされたのであれば、「職業的懐疑心」を発揮し、その時点でリスク評価をやり直して、検査のスケジュールを見直すなどの対応はできそうなものです。MRIのサイトを閲覧して、どんな金融商品を宣伝しているのかを確かめるのには、それほど時間がかからないと思われます。どうして、今年の3月になるまで検査がなされなかったのか、よく理解できません。摘発に至るまでの経緯について、ほとんど報道されていないのは、報道機関が当局に遠慮しているからなのでしょうか。
【追跡MRI問題】女副社長の薄笑い 事業報告書の書き写しを断固拒否(夕刊フジ)
MRI「事実認定争う」 金融庁の改善命令に(朝日)
MRI:日本の顧客向けにコールセンター開設(毎日)
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吉本佳生教授のブログより
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