国内総生産の計算において研究開発費が加算されるようになるという記事。
「国内総生産(GDP)の計算方法が変わる。国際基準の見直しで、これまで対象外だった民間企業の研究開発費などを加算できるようになる。日本のGDPは、2016年の新基準採用時に最大3%以上大きくなる見込み。」
「旧基準で研究開発費は付加価値を生まない「経費」として扱い、GDPの計算の際は除外してきた。」
「新基準では研究開発費は付加価値を生む「投資」とみなし、GDPに加算する。」
手元の経済学の入門書によると、
GDP=民間最終消費支出+投資+政府最終消費支出+輸出-輸入
だそうですから、投資の中に含めるものを拡大すれば、実態は変わらなくても、GDPは増加するということになります。
国民経済計算と企業会計はもちろん違う話ですが、(日本の)企業会計よりひと足早く、研究開発費を投資(いいかえると固定資産への支出)に含めるようになるというのはおもしろいと感じました。
完成後数年で閉鎖に追い込まれるような工場の建設のための支出もGDP計算ではその年の投資(企業会計でも当然固定資産計上)ですから、成果が出るかわからない研究開発費への支出を投資としてもおかしくはないのでしょう。
なお、日経の記事にも書かれていますが、このような変更によりGDPが増加するのは日本だけではなく、例えば米国については約2.8%GDP増加するそうですから、日本のGDPの順位が大きく上がるということはなさそうです。
[FT]米GDP、統計見直しで3%の上振れも(日経)
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