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2023 年 2 月期第 3 四半期決算短信の公表および 2023 年 2 月期第 3 四半期報告書の提出 ならびに過年度の決算の訂正に関するお知らせ (東京衡機)

2023年2月期第3四半期決算短信の公表および2023年2月期第3四半期報告書の提出ならびに過年度の決算の訂正に関するお知らせ

東京衡機(東証スタンダード)のプレスリリース(3月8日)。

遅れていた2023 年 2 月期第 3 四半期の決算短信を公表するとともに、四半期報告書を提出するとのことです。過年度決算の訂正も行っています。

有価証券報告書は、2019 年 2 月期から2022年2月期まで、 四半期報告書は、2020年2月期第1四半期から2023年2月期第2四半期までを訂正しています。

「当社は、2023 年 3 月 3 日付「第三者委員会の調査報告書の受領および当社の対応等に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、第三者委員会の調査の結果、当社グループにおける商事事業の取引の中には、商取引の形態はとっているものの仕入先と販売先の間に資金還流が確認された実質金融取引、資金還流の兆候や取引商材の実在性の観点から金融取引と疑われる取引、また、それ以外の取引全般についても、仕入先と販売先の間で取引商品や金額・決済条件等が概ね決定されていて当社の取引への関与が低く、取引商材の販売価格ではなく販売価格と仕入価格の純額を手数料収入として会計処理すべき介入取引があり、不適切な会計処理となっていることが指摘されたことから、2019 年 2 月期以降の財務報告において訂正を要する事項があると認め、過年度の会計処理等を訂正すべきであると判断し今回の訂正を行うことと
いたしました。」

影響額を、例えば、2021年2月期で見てみると...

(数字は、左から、訂正前、訂正後、影響額。単位は百万円)

利益への影響はそれほどではありませんが、売上高は半減しています。

監査人である監査法人アリアから、監査報告書や四半期レビュー報告書を受領していますが、すべて限定付となっています。

有価証券報告書等に係る監査報告書の限定付適正意見に関するお知らせ

過年度訂正においては、利益への影響はあまりありませんでしたが、2023 年 2 月期第 3 四半期で大きな特別損失が発生しています。

特別損失の発生および業績予想の修正に関するお知らせ

「1.特別損失の発生およびその内容

(1)第三者委員会の設置および過年度決算訂正に伴う関連費用の計上

当社の商事事業の売上計上等に係る疑義についての客観的な事実関係の調査、会計的判断の適否の検証、会計的な影響額の算出、原因の究明、改善策の提言等を目的に 2022 年 12月 9 日付で設置した第三者委員会の報酬および各種調査費用ならびに同委員会の調査結果に基づく過年度決算訂正に係る監査費用等を特別損失に計上いたしました。
 (連結)訂正関連費用引当金繰入額 276 百万円

(2)商事事業の売掛代金債権に係る貸倒引当金の計上

商事事業の販売先に対する売掛代金等の未回収債権 405 百万円については、債権の保全に取り組んでいるものの回収懸念が生じていることから、貸倒懸念債権に分類し、その全額を貸倒引当金繰入額に計上いたしました。
 (連結)貸倒引当金繰入額 405 百万円

(1)は第3四半期に計上で仕方がありませんが、(2)は、過年度に反映させる必要はないのでしょうか。回収懸念は、本当に第3四半期になってから生じたものだといえるのでしょうか(相手側は、商取引のように偽装してまで資金を得たかったわけなので、もともと回収が懸念される先なのでは)。

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