最近の監査人交代事例です(2024年10月11日発表分)。
1.サムティホールディングス(東証プライム)(注:2024年6月3日にサムティ株式会社の単独株式移転により設立。決算期は12月)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
監査法人アリア→mc21監査法人、の交代です。
前期の監査報告書が「限定的適正意見」とのことです。
「当社は、2024年2月28日付「有価証券報告書等に係る監査報告書における限定付適正意見に関するお知らせ」にて公表のとおり、第42期(2023年11月期)の連結財務諸表については、会計監査人より、前連結会計年度の限定事項は完全に解消したと判断したが、前連結会計年度については、前任監査人の指摘事項は解消しておらず、前任監査人と同様に、十分かつ適切な監査証拠を入手できなかったとして、限定付適正意見を受領しております。」
現会計監査人の就任の経緯に遡って、交代理由を述べています。
「現会計監査人である監査法人アリアは 2025年3月開催予定の第1期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。現会計監査人が就任した 2023年3月は、当社において、特定の取引先との取引に関連し、過年度決算における会計上の連結対象範囲の判断等についての疑義が発生し、外部の弁護士及び公認会計士を委員として構成する特別調査委員会を設置し、調査を進めており、適切な会計監査を受けづらい状況となっておりました。このような状況でも現会計監査人は当社の一時会計監査人として受嘱し、その後も会計監査人として受嘱していただきました。
当社は一連の会計上の疑義を招いたことを真摯に受け止め、2023 年3月 31 日付「再発防止策の策定及び役員報酬の自主返上に関するお知らせ」にて公表しました会計コンプライアンス宣言並びに再発防止策を実践し、社内管理体制の改善を行ってまいりました。これにより、2024年12月期第1四半期レビューにおいては無限定の結論を受領しております。このように現会計監査人が就任した当時と比較しますと社内管理体制は一層強化されているものと判断しております。このたび、当社は現会計監査人について会計監査が適切かつ妥当に行われており、またそれを確保する体制を十分に備えているものと考えておりますが、より当社の今後の事業展開に適した監査を行っていただくため検討を重ねた結果、上記3.に記載の理由により新たにmc21監査法人を当社の会計監査人候補者として選任するものであります。」
mc21監査法人を選任した理由。
「当社の監査等委員会がmc21監査法人を会計監査人とした理由は、新たな視点での監査が期待できることに加え、当社グループの今後の事業展開に見合った監査体制、専門性、品質管理体制等を総合的に勘案した結果、当社の会計監査人として適任と判断したためであります。」
現監査人の就任年月は、2024年2月です。
アリアに交代して、1年も経っていないのに、「新たな視点」というのもちょっとどうなのかなと感じます。
後任監査人は、京都の監査法人のようですので、地理的な事情もあるのでしょうか。
なお、公開買付けの手続きが進められているようです。
Song Bidco 合同会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ(PDFファイル)
2.AFC-HD アムスライフサイエンス(東証スタンダード)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
監査法人アヴァンティア→あおい監査法人、の交代です。
「監査等委員会は、当社及び㈱さいか屋の業務内容や事業規模を踏まえ、監査報酬並びに包括的な監査による品質管理体制や合理性等について、他の監査法人と比較検討してまいりました。」
「監査等委員会があおい監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、当社及び㈱さいか屋の業務内容や事業規模を踏まえ、監査報酬並びに会計監査人としての独立性、専門性、品質管理体制を備えていること等を総合的に勘案した結果、適任であると判断したためであります。」
(さいか屋は子会社のようです。)
現監査人の就任年は、2021 年です。
3.さいか屋(東証スタンダード)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
(2と同じく)監査法人アヴァンティア→あおい監査法人、の交代です。
「監査等委員会は、当社の業務内容や事業規模を踏まえ、監査報酬並びに包括的な監査による品質管理体制や合理性等について、他の監査法人と比較検討してまいりました。」
「監査等委員会があおい監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、当社の事業内容や事業規模を踏まえ、監査報酬並びに会計監査人としての独立性、専門性、品質管理体制を備えていること等を総合的に勘案した結果、適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2021年です。