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無形資産に投資目標を 民間有識者ら提言 長期停滞の脱却期待(日経より)

無形資産に投資目標を 民間有識者ら提言 長期停滞の脱却期待(記事冒頭のみ)

経済社会システム総合研究所という団体が、ウェルビーイング(心身の健康や幸福)の向上を日本の長期目標に位置づけるべきだとする提言をまとめたという記事。(記事の見出しでは肝心の「ウェルビーイング」が抜けています。)

「経済社会システム総合研究所(会長=小林喜光東京電力ホールディングス会長)はウェルビーイング(心身の健康や幸福)の向上を日本の長期目標に位置づけるべきだとする提言をまとめた。ウェルビーイングを生み出すためには「無形・有形資産への投資の目標設定を掲げ活用していくべきである」と訴えた。」

ウェルビーイング向上を目標にするというのはなんとなくわかりますが、無形・有形資産への投資がウェルビーイングに役立つという経路がよくわかりません。

この提言のことのようです。

【提言 2024】「百年の計は Well-Being にあり」〜 無形・有形資産投資をメルクマールとして〜 (経済社会システム総合研究所)(PDFファイル)

冒頭で「主なポイント」が示されています。その一部。「Well-Being の向上」が最終的な目標ですが、投資額は「Well-Being の向上」のための努力を示すものであり、メルクマールとすべきなのだそうです。

「人々の幸福は「経済的な豊かさ」だけでなく、健康、信頼できる家族や友人、良好な自然・社会との関係など「社会的な要素」を含む「Well-Being」によって左右される。」

「しかし、持続可能性の危機を深める事態が多数発生し、世界の Well-Being はむしろ後退している可能性が高い。」

「また、Well-Being の向上に大きな影響を及ぼす人的資本などの「無形資産」への投資に関して、日本では種々の制約が存在し、投資は停滞してきた。このことは、日本の自然利子率を低くし、失われた 20 年ないし 30 年といわれる「長期停滞」の重要な原因にもなってきたとみられる。」

「 「Well-Being の向上」を日本が目指すべき「百年の計」と位置付けるべきである。」

「 「無形・有形資産への投資額」は、Well-Being を生み出す「努力の全体像」を示すものであることなどから、政府はこれを Well-Being 向上の「中間目標・メルクマール」と位置付け、活用していくべきである。無形資産投資に関する統計は十分には整備されておらず、早急な対応が求められる。」

企業においても、Well-Being の創造を目標と位置づけるとともに「無形・有形資産投資」を企業経営のメルクマールとして重視し、投資を拡充するとともに、その情報開示を進めることが求められる。」 

ちなみに、ウェルビーイングという言葉は、いろいろな意味で使われていて、どれが正しいということはないようですが、1946年のWHO憲章における「健康」の定義の中で使われているのが、有名なようです。

(再掲)世界保健機関(WHO)憲章とは

健康とは、完全な 肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである」

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

The enjoyment of the highest attainable standard of health is one of the fundamental rights of every human being without distinction of race, religion, political belief, economic or social condition.

well-beingには、身体的、精神的、社会的という3つ側面があるということになります。

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