関西みらい銀行の和歌山県内の店舗で住宅販売会社1社から長期間にわたって不正な住宅ローンが持ち込まれていたという記事。偽造された書類で多額の融資を行っていたようです。
「売買契約書を二重作成し借入金額を水増ししたり、勤務先や収入証明書を偽造していた。不正が疑われる融資の実行案件は最大で1151件、251億円に上る。同行は不正を知りながらローンを取り扱った50代の男性行員を8月末に懲戒解雇した。」
「20年8月末段階の残高は949件、173億円。これまでの債務不履行は合計数億円で、通常の融資と同等だという。」
社長は「組織的な行為ではなかった」といっているそうですが、記事によれば、不正を黙認していた行員や、定められたチェックを行っていなかった行員もいたそうですから、個人の犯罪ともいえないでしょう。
債務不履行は通常の融資と同等といっても、貸倒の見積もりを行うための基礎となる書類がでたらめだったわけですから、過年度に遡って見直すことが必要でしょう。
また、内部統制報告書の結論も見直すべきでしょう。
住宅ローン不正持ち込み事案の発生について(関西みらい銀行)(PDFファイル)
「当社和歌山支店のお取引先である特定の住宅販売会社から持ち込まれた住宅ローンにおいて、売買契約書の二重作成等や勤務先の虚偽申告、収入証明書類等の偽造が、多数行われていたことが判明いたしました。また、住宅ローン利用者の一部については、不正を認識していたことを確認しております。なお、本件について、住宅ローン利用者、第三者に被害は生じておりません。」
「本来、住宅販売会社向けの営業を担う和歌山ハウジング営業部と融資事務を担う和歌山支店が役割分担して事務の相互牽制を行うべきところ、その仕組みが機能せず、馴れ合いの取り扱いとなっていました。また、途中中断はあったものの、当該従業員が延べ 11 年以上にわたり和歌山支店(和歌山ハウジング営業部を含む)に在籍していたことも原因と考えております。」
発覚の経緯は...
「2019 年 9 月に住宅ローン利用者から一般社団法人全国銀行協会へ相談の電話があり発覚いたしました。」
1年ほど隠していたということでしょうか。
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