法人税の「租税特別措置」(租特)で、資本金100億円超の巨大企業が受けた減税額の総額が第2次安倍政権発足以来、少なくとも3兆8000億円に上っているという記事。
税額控除による減税額を規模別に調べたそうです。
「本紙は、租特の利用状況についての財務省資料を分析。納税額から一定額を差し引ける「税額控除」による減税額を抽出し、資本金別に足し合わせた。」
税務上の優遇措置を大きく分けると、単に納税の時期を先送りするだけのものと、永久に税金の額を減らすものがあると思いますが、税額控除はまさに永久に税金をまけてやるものです。金利が高い時代であれば、納税時期先送りの優遇措置のメリットは高かったと思いますが、近年の超低金利下では、相対的に税額控除のメリットが高くなっており、そこに注目したのはよいとおもいます。
「第2次安倍政権下で租特が始まった13年度から、18年度までの減税額の合計は約6兆円。減税額を企業規模別で見ると、企業数では0.1%に満たない巨大企業(資本金100億円超)向けが63%を占めていた。中小企業(1億円以下)向けは約20%、中堅企業(1億円超~10億円以下)向けは約6%だった。
また、税理士の菅隆徳氏が企業の利益に対して納めた法人税の割合を「負担率」として試算したところ、18年度では中小は18%、中堅は20%なのに対し、巨大企業は12%にとどまった。本来、法人税は利益の23%分(地方分を除く)を支払うが、租特による減税効果が巨大企業ほど大きいことを示している。同氏は「巨大企業は利益に見合った税負担をしていない」と指摘する。」
具体的には、「研究開発減税」の影響が大きいそうです。
「租特の項目別では、研究開発を積極的に進めた企業を優遇する「研究開発減税」が、13~18年度で計約3兆7000億円と最大。安倍政権は経団連の要望を受け13年度に同減税を拡大しており、「巨大企業に有利な状況がさらに広がった」(立正大の浦野広明客員教授)との見方も多い。」
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