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評価額90億ドルの医療ベンチャーに不正疑惑(日経ビジネスより)

評価額90億ドルの医療ベンチャーに不正疑惑(The Economist配信)

セラノスという米国の未上場企業を取り上げた記事。将来性があるということで多額の資金を集めていますが、自社開発したとされる「血液検査技術は眉唾物だという」批判がなされているそうです。

「セラノスはシリコン・バレーの最も著名な「ユニコーン」の1社だ。「ユニコーン」とは、評価額が10億ドル(約1200億円)を超える、設立間もない未上場企業を指す。セラノスは、米国内だけで750億ドル(約9兆円)を超える血液検査市場に一石を投じることを目論んでいる。最近、投資家から4億ドル(約480円)の資金を獲得し、その評価額は90億ドル(約1兆1000億円)に達した。」

この記事では、本当に不正があるのかについてはあまりふれていませんが、株主や取締役会の構成には、問題があるようです。

「セラノスは幾つかの点において、テクノロジー業界で極めて異例な存在だ。12年前、ホームズ氏がスタンフォード大学を中退して同社を立ち上げた時、テクノロジーや医療業界の常連出資者たちから資金を調達することができなかった。同社に投資したのは著名なベンチャーキャピタル会社のドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソンと、IT(情報技術)業界の巨人オラクルの創立者の1人、ラリー・エリソン氏だけ。その他の出資者は、業界ノウハウに乏しい取るに足らない存在ばかりだった。

セラノス取締役会は10人の取締役で構成されている。その中には、2人の元国務長官、ジョージ・シュルツ氏とヘンリー・キッシンジャー氏という重鎮が名を連ねているが、医学的な訓練を受けた人物は2人にすぎない。取締役の平均年齢は76歳近い。」

「旨みのある業界の(既得権益の)破壊者として名乗りを上げる新興企業は、現実の姿ではなく将来実現するかもしれない夢物語に基づいて評価される」、セラノスはその例だといっていますが、日本の小保方事件と同じように、投資家も若い女性に甘い場合があるということかもしれません。

「アメリカの小保方」に今度はパクリ疑惑 こっそり他社のマイクロテイナーで血液検査をやっていた 老舗ベクトン・ディッキンソンが「いい加減にしろ!」(MarketHack)
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