片足だけの車椅子ランナー  大空を見上げて…

筋肉・関節が固まる「固定ジストニア」と言う難病を持っていても、今出来る事をやろう…チャレンジするなら今しかない!!

沖縄チャレンジへの道

2009-09-06 | トレーニング
車椅子生活となり3年目…私はこのままで良いのか?動けなくなるのを分かっているのに、このままこれに乗っていて良いのか?今出来る事…出来なくても良いからやって見ようと思った。何を?思いついたのは、電動車椅子から降りて、手動に乗り換え、車椅子を自分の力で前に進める事だった。思いついたら即行動!!2月から自己流のトレーニングが始まった。まずは、どこが動かせるかの確認から始まり…とりあえず手足全てを使って見た。だが、曲がった手足は思う様に動かない…一番動かしやすい場所。そこは、左足だった。左足だけで車椅子を動かす。前に進むには、バランス・筋力・関節の動きのトレーニングを積み重ねなければいけない。無理に動かすことで、痙攣が起きないか?筋力を落とす薬を使用しているのに、筋力はついてくれるのか?代謝が悪くなって、汗のかきにくい身体に、汗をかかせる事が出来るのか?まだまだ、沢山の壁があった…これを乗り越えるには、並大抵の努力では良い方に向かってくれない。自分の力を信じるしかない!!スポーツインストラクターとして働いていたのも運。今までの経験を生かして、頚部を怪我した時同様、その時の状態に合わせたメニューを作った。それを行い、1ヶ月経った3月…左足で自走の車椅子を自分の足で前に動かす事から始まった。50m・100m・800m・km単位…少しずつ増やし、距離にタイム・切り替えし・バッグなどのトレーニングも加え、ちょっとした筋力トレーニングも入れた。その結果、距離もどんどん伸びて行き、心配していた筋力も少しずつ付き、バランスもとれつつあった。だが、関節の可動域が少なく膝に負担が掛かるばかり。足首から曲がっている足はそのままな為、水ぶくれにマメ…いつしか爪までもが剥がれ、ボロボロの左足となって行った。それでも諦めない!!だって、1度しかない人生だもん。病気だから…難病だから…治らないから…進行するから…治療法がないから…そんなの考えている暇があるなら、今の自分をどう活かせるかを考えた方が前に進めると思った。やりたくても出来ないではなくて、やろうとしないから出来ないのかもしれない…このトレーニングを通してそう感じた。
トレーニングの裏には目標があった…それは、行きたかった所があったが、この固定ジストニアと言う病気で断念せざる得なかった。そこへもう1度訪れたかった…行く事も出来ず、夢のまた夢で終わってしまった場所に…だが、行くだけでは満足はいかない。そこで考えたのがこれ!!
今まで沢山の場で講演・ふれ合いなどを行ってきた。内容はほとんど目標・夢の講演だった。その中で夢を持っていない…夢を持っていても叶える自信がない…どの様に夢を叶えるのか? そんな子どもが多いのが事実。そこで、この子ども達にどの様にして「夢とはこういうものなんだよ。こうやって自信を付けて行こうよ。こうやって叶えて行くんだよ。」そんな事を親でも、教師でも教えられない方法…
また、病気を抱えている人達に「下向いてないで前に進むんだ!難病抱えてもこんな事出来るんだよ」それを伝えられる方法…
行きたかった場所で、伝えたい事をする。これが、今回行った「片足だけの車椅子ランナー 沖縄本島一周」そんな計画だった。

走行
  4日  7.45㌔
  5日 13.66㌔
  6日 26.22㌔