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果報者(かふうなむん)

支えてくれる全ての人に感謝し自分はなんて果報者なんだろうという実感から果報者(かふうなむん)

たゆたえども沈まず@原田マハ

2021-07-09 | 読書感想文
たゆたえども沈まず@原田マハ

後書きに『この作品は史実をもとにしたフィクションです。架空の人物に特定のモデルはありせん。』とあるのが、おぉっそーだった、この作品はフィクションだよね。と思いださせるような登場人物や時代、街並みの描写などその場面のリアルさが秀逸の作品。
この先ネタバレ注意




主人公はゴッホ

そうあの有名な画家のゴッホ。じゃなくて、弟のテオ。このテオを中心として既存の概念に囚われない新しい芸術や日本の文化など明治時代のフランスで繰り広げられる物語。
滑り出しはフランスのオーヴェール・シュル・オワーズ。そうゴッホが晩年過ごし、その人生の幕を下ろした所。現在でもゴッホが2階に住んでいたアパルメントも残されていて、壁に「ここがゴッホの家だよ」のプレートが嵌め込まれて残っている。
このエリアにはゴッホが書いた作品とその現物の建物が見比べる事ができるようになっている。(左建物右下に絵)
物語に沿って川の反対側の坂道を上がっていくとこの本の記述通りの景色が広がっている。
そしてゴッホの死後後を追うようにして亡くなったテオの墓が兄弟仲良く並んでいる。

ここからずずっとタイムスリップして舞台はパリ。若き日のテオ、そして日本人が登場1人は実在の人物。そしてもう1人はこの物語の狂言回しといった役割。物語を引っ張って行く。この時代パリの素晴らしさも盛り沢山、エッフェル塔
ルーブル美術館、オペラ座や社交クラブなどなど登場してフランスマニアも大満足。
ゴッホが住んだモンマルトルの風景も作品にしっかり切り取られている。
現在でもゴッホが住んでいたアパルメントも残されていて、

黒い扉の横の壁に「ここがゴッホの家だよ」のプレートが嵌め込まれて残っている。

オーヴェール・シュル・オワーズやパリそしてモンマルトルなどフランス各地の風景も去ることながら、この作品では数多くゴッホの作品についても触れられていて美術ファンならずとも「そうそうあの絵のことだね」と間違いなく胸躍らせる場面が少なくないのも特徴。
絵はあんまり…とおっしゃる方にはこの作品のクライマックスにキーになる作品がしっかり表紙に
そしてゴッホがインスパイアさせられた作品が何気なく裏表紙に

置かれているので安心です。
そしてこの作品のタイトルですが、たゆたえども?ってなに?と最初に思う方も多いと思います。先ずは辞書で調べてふ〜んそんな意味かぁと理解して、読み進んでいくとなるほどそうだよねとストンの腑に落ちるタイミングが来ます。ホント憎いね原田マハさん。
さすが本屋大賞にノミネートされ
『圧巻のラストまで、一気読み必至。』と本の帯に謳われている通り。あなたの期待を裏切らない作品であるのは言うまでもありません。

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