「へー。ここが『ワンダーガーデン』かー・・・。」
「おっきいねー。」
「それにしても、人が多いわね・・・。」
「話題のテーマパークなだけあるね。」
「えっと・・・ここからだと、アトラクション類の『精霊の山』が一番近いね。」
「じゃ、そこから行きましょ。やっぱり順々に見ていかないとねっ。」
「ジェットコースターがあるわ。」
「乗ってみる?」
「人が少なそうだし・・・乗ってみましょ♪」
梨紅さん、絶叫マシーンとか大丈夫なのかな・・・。
〈アトラクション類回り中〉
「つ、つかれたー。」
「ちょっと・・・調子に乗りすぎちゃったね・・・。」
梨紅さんって、絶叫マシーン系好きだったんだ・・・。
結構、疲れるアトラクションばかり乗った・・・ね。
人混みでも疲れたんだけど・・・。
「でも、楽しかったよね♪」
「そうだね。次は・・・美術館が近いから・・・美術館に行く?」
「うん。」
「すごい・・・。」
なんか、ダークが盗みそうな絵・・・。
(なんだって?!)
な、なんでもない。(汗)
かなり機嫌が悪いなぁ。
「?どうしたの?」
「何でもないよ。」
「天井の絵、綺麗よね。」
「ステンドグラスだね。教会とかによくあるね。・・・中にもいろいろあるみたいだよ。」
「中に入ってみましょ。」
「ジャンルごとに分類されてるのね・・・。」
「精霊に・・・天使・・・こっちには妖精・・・。」
「幻想的な絵ね・・・。」
「そうだね。」
本当に綺麗な絵・・・。その世界が実在するかのように・・・。
ダークが盗む美術品には『魔力』が宿っているらしい。
けど、この美術品にもそれと同等の力が宿ってるみたいだ──・・・。
「・・・丹羽くんってさ・・美術部なんだよね?」
「うん。」
「今度・・・丹羽くんの絵、見せてくれない・・・?」
「あっでも、僕の絵は下手・・・」
「下手でもいいのっ!あたしは・・・丹羽くんの絵が見たいから・・・。」
「梨紅さん・・・。今度、見せるね。」
「ありがとう。丹羽くん」
「今度はどこに行こう・・・。ん?丹羽くん・・・どうかした?」
「梨紅さん・・・。」
「え・・・?」
「なっ!」
なんで、あいつらがいるの!?
「梨紅さんっ!走って!」
「え?!」
ダ────ッ
「ありゃ?大助達がいなくなったぞ?」
「もう~。何やってるのよー。」
「せっかく、2人の仲を進展させてあげようと思ったのに。」
「つーか、原田。それって余計なお世話・・・。」
「関本は黙ってて!!」
「探すわよっ。冴原っ。」
「おう!」
「何でオレまで巻き込むんだぁぁ。」
ハァハァハァ・・・
「ふぅ、ここまでくれば大丈夫だよね。」
「ホンット。おもしろ半分でついてくるなんてっ!」
やっぱり、怪しいとは思ったんだよな・・・。
なーんか企んでるとは思ってたけど、こういうことだったとはね。
冴原と梨紗がグルじゃあ、行きたいなんていうはずないわね。
関本は・・・完全に冴原のとばっちり受けたんだな・・・。(汗)
「それにしても・・・ここどこだろう?夢中で走ってたからルートからはすれたかな。」
「ここ・・・、『妖精の森』みたいね。」
「『妖精の森』?」
「うん。この『ワンダーガーデン』は3つに分かれてるの。」
「アトラクション中心の『精霊の山』、美術館やお店があった『天使の町』、そしてここ『妖精の森』。」
「そっか、だから美術館の絵もジャンルごとにまとめてあったんだ。」
「それが、このテーマパークの特徴なのね、きっと。」
「ここには・・・何もないみたいだね。」
「うん。でもね・・・。」
ここには・・・。
ポウッ
「わぁ。きれい・・・。」
「この森は、一定時間になると光り出す、らしいね。」
「ん・・・?」
あれだけ・・・色が違う・・・?
「梨紅さん、こっち来て。」
「どうしたの?」
「ほら、あれだけ色が違うよ。」
「え・・・!」
「ホントだ・・・。」
ここにある・・・ジンクス・・・。
「青い光・・・だね。」
「・・・丹羽くん。」
「誘ってくれて、ありがとう。」
「喜んでくれて、うれしいよ。」
僕にとって、一番宝物は、君の笑顔だから──・・・。
「そろそろ・・・帰ろうか。」
「うん。」
「・・・ジンクス、かなうといいな・・・。」
「え?」
「ふふっあの森ね。ジンクスがあるの。」
「へー。どんな?」
「ナイショ♪」
「じゃあ、丹羽くん。また明日ね。」
「うん。さよなら。」
いつか・・・僕の正体を梨紅さんに明かすことはできるんだろうか・・・。
そのとき、君はどんなことを思うんだろう・・・。
変わらずに、僕のことを見てくれるのかな・・・。
僕が、ダークのことをそして氷狩と丹羽の因縁のことをもっと知ってから、君に告げるよ。
真実のことを──・・・。
丹羽くん・・・本当はね、いつも不安なの。
丹羽くんはあたしの通り越して本当は梨紗を見てるんじゃないかって・・・。
だけど、丹羽くんのこと大好きだよ。
きっと、こんな思いを抱けるのはあなたに対してだけだから。
信じてるから──・・・。
ジンクスはね──森の中で青い光(妖精)を見た恋人達は幸せになれる──だよ。
END
あたしは、いつもより少しおしゃれをして公園に来たの。
いつも見慣れてる場所なのに、なんだか違う場所みたい。
今日は格好が違うからかな、それとも・・・。
どうしてあたしがここに来たかというと、3日前にさかのぼるの。
Pululululu
「梨紅~。電話出てー。」
「何いってるのよ、梨紗。そっちの方が近いでしょ!」
「ダメッ!今ダークさんが出てるんだからっっ!!」
「もう、わかったわよ。」
ホント、梨紗ってばダークのどこがいいんだろ。
あんなやつ、ただの・・・チカンじゃないっ・・・!
「はい、もしもし・・・。」
「あ、梨紅さん?」
「丹羽くん・・・?」
え!?丹羽くん?いきなりどうしたの?
「梨紅さん、『ワンダーガーデン』って知ってる?」
『ワンダーガーデン』って新しくできた──。
「確か・・・新しくできたテーマパークよね。」
オープンセレモニーが盛大で・・・確かそのときから話題になってた。
「実は、今日、冴原からそこのチケットもらったんだ。・・・よかったら今度の日曜日、一緒に行こう?」
え・・・!?ホントに?
「え!?うん。いいよ。」
「じゃあ、AM9:00に公園で待ち合わせしよう。」
「うん。わかった。それじゃあまたね。」
これって・・・丹羽くんとデート・・・よね?
しかも、今話題の『ワンダーガーデン』で・・・。
うそ、うれしくて何かもう心臓が破裂しそう・・・。
それに・・・そこって確か『ジンクス』があったんだよね。
話題の理由の中にはその『ジンクス』も含まれてるくらい、有名だもんね・・・。
かなうといいな・・・。ジンクス・・・。
ってかんじで当日、今日になったわけだけど・・・。
丹羽くん、遅いなぁ。
・・・そういえば、チケットって冴原がくれたってゆってたよね。
何で、冴原がチケット持ってたの?
しかも、いつも『スクープだー!!』って走り回ってる男が、今一番話題のテーマパークのチケットを人にくれるものなの?
梨紗も梨紗で、何か異様に優しかったし・・・。
いつもなら、「あたしも行きたいッ!!」ていうのに。
・・・何か企んでるのかしら、あの2人・・・。
「梨紅さーん!」
!
「丹羽くん!」
「遅くなってゴメンね。」
「ううん。そんなに待ってないから。」
「じゃあ、早速行こうか。」
「うんっ!」
今日は丹羽くんとデートなんだからよけいなこと考えちゃダメッ!
やっぱり楽しまないとね。
いつも見慣れてる場所なのに、なんだか違う場所みたい。
今日は格好が違うからかな、それとも・・・。
どうしてあたしがここに来たかというと、3日前にさかのぼるの。
Pululululu
「梨紅~。電話出てー。」
「何いってるのよ、梨紗。そっちの方が近いでしょ!」
「ダメッ!今ダークさんが出てるんだからっっ!!」
「もう、わかったわよ。」
ホント、梨紗ってばダークのどこがいいんだろ。
あんなやつ、ただの・・・チカンじゃないっ・・・!
「はい、もしもし・・・。」
「あ、梨紅さん?」
「丹羽くん・・・?」
え!?丹羽くん?いきなりどうしたの?
「梨紅さん、『ワンダーガーデン』って知ってる?」
『ワンダーガーデン』って新しくできた──。
「確か・・・新しくできたテーマパークよね。」
オープンセレモニーが盛大で・・・確かそのときから話題になってた。
「実は、今日、冴原からそこのチケットもらったんだ。・・・よかったら今度の日曜日、一緒に行こう?」
え・・・!?ホントに?
「え!?うん。いいよ。」
「じゃあ、AM9:00に公園で待ち合わせしよう。」
「うん。わかった。それじゃあまたね。」
これって・・・丹羽くんとデート・・・よね?
しかも、今話題の『ワンダーガーデン』で・・・。
うそ、うれしくて何かもう心臓が破裂しそう・・・。
それに・・・そこって確か『ジンクス』があったんだよね。
話題の理由の中にはその『ジンクス』も含まれてるくらい、有名だもんね・・・。
かなうといいな・・・。ジンクス・・・。
ってかんじで当日、今日になったわけだけど・・・。
丹羽くん、遅いなぁ。
・・・そういえば、チケットって冴原がくれたってゆってたよね。
何で、冴原がチケット持ってたの?
しかも、いつも『スクープだー!!』って走り回ってる男が、今一番話題のテーマパークのチケットを人にくれるものなの?
梨紗も梨紗で、何か異様に優しかったし・・・。
いつもなら、「あたしも行きたいッ!!」ていうのに。
・・・何か企んでるのかしら、あの2人・・・。
「梨紅さーん!」
!
「丹羽くん!」
「遅くなってゴメンね。」
「ううん。そんなに待ってないから。」
「じゃあ、早速行こうか。」
「うんっ!」
今日は丹羽くんとデートなんだからよけいなこと考えちゃダメッ!
やっぱり楽しまないとね。
「行ってきます。」
「大助~♪今日は梨紅ちゃんとデートなんだってねー。」
「な、何で知ってるの?!」
母さんにはバレないようにしたのに・・・!
「母さんの情報網、甘く見ないでね♪」
・・・怖っ
「行って来ますっ!!」
「今日は、門限気にしなくていいわよぉ~♪」
はぁ、絶対に楽しんでるな・・・アレ。
今日は梨紅さんとデートっていうと絶対に母さんがはしゃぐから言いたくなかったんだ。
なのに、行く直前にバレてるなんてっ!!
一体いつ知ったんだろう・・・?
ことの始まりは3日前、僕の前に冴原がいきなりやってきたことだ。
「大助~。」
「な、何?」
いつも、訳わからないけど、今日はいつも異常に冴原が変だ。
しかも、ミョーな笑みを浮かべている・・・。
「今日、一緒に帰ろうぜっ!!」
「うん・・・。いいけど・・・。」
一体何があるんだろう・・・?
帰り道
「ジャーン!!」
「?チケット・・・?」
冴原が僕の前に出したのは2枚のチケットだった。
「ふっふっふ。チケットといってもこれはただのチケットじゃぁない!!」
「じゃあ、なんなの?」
やっぱり変だ・・・。ってこれはいつものことか。(汗)
「これは『ワンダーガーデン』のチケットだぁ!!」
「『ワンダーガーデン』?って新しくできたテーマパークのこと?」
「そうだっ!しかも、このチケットは無料パスポートを兼ねてるチケットなのだ。それに、これはかなり入手困難な代物なんだぜっ!!」
「・・・?何で、冴原が持ってるの?」
「まぁ、親父のコネでちょっとな・・・。大助!このチケット、お前にやるよ。」
「え!?」
冴原が、あの冴原がものくれるの!!??
「いらねーのか?」
「う、ううん。いるよ、いる。」
「・・・でも、入手困難なものなんでしょ?」
「オレ、持ってても行かねーし。こーゆーのはやっぱ行く相手がいるやつじゃないといけないよなー。」
「な、何だよ・・・(汗)」
「べっつにー」
「でも、くれるならもらうよ。ありがとう。」
「おう、そんじゃーなっ。」
冴原と別れてから、まっすぐ家を目指して走っていった。
家に着くの『まで』は早いんだけど・・・入るのがね・・・。
いつものように母さんが仕掛けた数多くのトラップをよけながら、無事、自分の部屋までたどり着いた。
部屋で2枚のチケットを見ながら僕は考えた。
「・・・梨紅さん。一緒に行ってくれるかな・・・?」
そう思ったとき、不意に声が聞こえた。
(おいっ大助!!)
声の主は、この東野町で有名な怪盗ダーク。
(オレの梨紅に手を出すなよっ!)
「オレの梨紅って・・・(汗)だいたい、ダークは梨紅さんと話できないだろっ。」
(うっ・・・)
さんざんわめいていたダークだけど、痛いところをつかれたみたいで黙ってしまった。
梨紅さんってダークのことキライだもんなぁ。
その正体は僕なんだけど・・・。
いろいろ考えても仕方がないので、僕は梨紅さんに一緒に『ワンダーガーデン』に行こうと誘おうと思った。
とりあえず、善は急げってことで早速電話してみることにした。
Pululululu
「はい、もしもし・・・。」
「あ、梨紅さん?」
どきどき
「丹羽くん・・・?」
「梨紅さん、『ワンダーガーデン』って知ってる?」
「確か・・・新しくできたテーマパークよね。すっごく話題になってる・・・。そこがどうかした?」
「えっと・・・。」
どきどきどきどき
しずまれっ!心臓っ!!
「実は、今日、冴原からそこのチケットもらったんだ。・・・よかったら今度の日曜日、一緒に行こう?」
・・・言ったぁ・・・。
「え!?うん。いいよ。」
「じゃあ、AM9:00に公園で待ち合わせしよう。」
「うん。わかった。それじゃあまたね。」
はぁ~。緊張したー。
女の子の家に電話をかけるのってかなり緊張するよー・・・。
(そのわりには、平気でしゃべってたよなー?)
話す度にダークに変身してたんじゃ、身がもたないよっ!!
(へぇー。いうようになったねーお前も。)
う、うるさいなぁ。
こんなやりとりをしながら、あっという間に約束の日曜日になってしまった。
「大助~♪今日は梨紅ちゃんとデートなんだってねー。」
「な、何で知ってるの?!」
母さんにはバレないようにしたのに・・・!
「母さんの情報網、甘く見ないでね♪」
・・・怖っ
「行って来ますっ!!」
「今日は、門限気にしなくていいわよぉ~♪」
はぁ、絶対に楽しんでるな・・・アレ。
今日は梨紅さんとデートっていうと絶対に母さんがはしゃぐから言いたくなかったんだ。
なのに、行く直前にバレてるなんてっ!!
一体いつ知ったんだろう・・・?
ことの始まりは3日前、僕の前に冴原がいきなりやってきたことだ。
「大助~。」
「な、何?」
いつも、訳わからないけど、今日はいつも異常に冴原が変だ。
しかも、ミョーな笑みを浮かべている・・・。
「今日、一緒に帰ろうぜっ!!」
「うん・・・。いいけど・・・。」
一体何があるんだろう・・・?
帰り道
「ジャーン!!」
「?チケット・・・?」
冴原が僕の前に出したのは2枚のチケットだった。
「ふっふっふ。チケットといってもこれはただのチケットじゃぁない!!」
「じゃあ、なんなの?」
やっぱり変だ・・・。ってこれはいつものことか。(汗)
「これは『ワンダーガーデン』のチケットだぁ!!」
「『ワンダーガーデン』?って新しくできたテーマパークのこと?」
「そうだっ!しかも、このチケットは無料パスポートを兼ねてるチケットなのだ。それに、これはかなり入手困難な代物なんだぜっ!!」
「・・・?何で、冴原が持ってるの?」
「まぁ、親父のコネでちょっとな・・・。大助!このチケット、お前にやるよ。」
「え!?」
冴原が、あの冴原がものくれるの!!??
「いらねーのか?」
「う、ううん。いるよ、いる。」
「・・・でも、入手困難なものなんでしょ?」
「オレ、持ってても行かねーし。こーゆーのはやっぱ行く相手がいるやつじゃないといけないよなー。」
「な、何だよ・・・(汗)」
「べっつにー」
「でも、くれるならもらうよ。ありがとう。」
「おう、そんじゃーなっ。」
冴原と別れてから、まっすぐ家を目指して走っていった。
家に着くの『まで』は早いんだけど・・・入るのがね・・・。
いつものように母さんが仕掛けた数多くのトラップをよけながら、無事、自分の部屋までたどり着いた。
部屋で2枚のチケットを見ながら僕は考えた。
「・・・梨紅さん。一緒に行ってくれるかな・・・?」
そう思ったとき、不意に声が聞こえた。
(おいっ大助!!)
声の主は、この東野町で有名な怪盗ダーク。
(オレの梨紅に手を出すなよっ!)
「オレの梨紅って・・・(汗)だいたい、ダークは梨紅さんと話できないだろっ。」
(うっ・・・)
さんざんわめいていたダークだけど、痛いところをつかれたみたいで黙ってしまった。
梨紅さんってダークのことキライだもんなぁ。
その正体は僕なんだけど・・・。
いろいろ考えても仕方がないので、僕は梨紅さんに一緒に『ワンダーガーデン』に行こうと誘おうと思った。
とりあえず、善は急げってことで早速電話してみることにした。
Pululululu
「はい、もしもし・・・。」
「あ、梨紅さん?」
どきどき
「丹羽くん・・・?」
「梨紅さん、『ワンダーガーデン』って知ってる?」
「確か・・・新しくできたテーマパークよね。すっごく話題になってる・・・。そこがどうかした?」
「えっと・・・。」
どきどきどきどき
しずまれっ!心臓っ!!
「実は、今日、冴原からそこのチケットもらったんだ。・・・よかったら今度の日曜日、一緒に行こう?」
・・・言ったぁ・・・。
「え!?うん。いいよ。」
「じゃあ、AM9:00に公園で待ち合わせしよう。」
「うん。わかった。それじゃあまたね。」
はぁ~。緊張したー。
女の子の家に電話をかけるのってかなり緊張するよー・・・。
(そのわりには、平気でしゃべってたよなー?)
話す度にダークに変身してたんじゃ、身がもたないよっ!!
(へぇー。いうようになったねーお前も。)
う、うるさいなぁ。
こんなやりとりをしながら、あっという間に約束の日曜日になってしまった。
陣「今日は焔兄の誕生日っ!!ってことで、オレらがケーキを作ることにしたんだ♪(^^)v」
綾人「それはいいけど・・・。材料はどうするの?」
恵礼「作り方もね。」
陣「だーいじょうぶだって。作り方は本見ればいいし、材料は母さんのところから盗ってくるから。」
綾人「え?!盗ってくるの?」
恵礼「オッケー。じゃ、早速準備しよ♪」
綾人「・・・いいのかな。(汗)」
調理開始
恵礼「まずは生地づくりね。陣、小麦粉とベーキングパウダーの分量計って。」
陣「へいへい。」
綾人「じゃあ、僕は使う道具を洗ってるね。」
恵礼「さっすが綾人さんvvどっかの誰かさんとは大違いねー(横目で陣を見る)」
陣「それ、どーゆー意味?(怒)」
恵礼「さーね♪それより、分量は計ってくれた?」
陣「おう。」
恵礼「(ちゃんと計れてるのかしら・・・?)って、これ片栗粉じゃないの!!」
綾人「えぇ!まさか、もう混ぜちゃった・・・?」
恵礼「まだ無事よ。(ホッ)」
陣「どっちも似たよーなもんじゃん。」
2人「似てないっ!!(怒)」
恵礼「だいたい、ケーキに片栗粉なんて使わないわよっ!」
陣「(ムカッ)使うのもあるかもしれないだろー。」
綾人「(レシピで確認して)・・・僕たちが作るケーキには、片栗粉は入ってないね。」
恵礼「(はぁ。陣に常識は通用しない・・・。)陣は私のいうとおりの手順で作ってね。」
陣「わかったよ。」
調理中
恵礼「小麦粉とベーキングパウダーに卵を加えてよく混ぜて・・・。」
恵礼「・・・で最後に型に入れてオーブンに入れる。」
陣「ふぅ。終わった、終わった。」
綾人「これで、焼き上がるまでは楽になったね。」
恵礼「・・・何か、イヤーな予感がするんだけどね(汗)」
焔君お誕生日会
全員「誕生日おめでとー。」
焔「ありがとう。」
陣「今回は、オレら3人でケーキ作ったんだぜっ!」
恵礼「陣はジャマばーっかしてた気がするんだけどね。」
陣「なんだよ、ちゃんとやっただろー。」
綾人「まぁまぁ(汗)」
陣「とりあえず、食ってみてくれよ!!」
焔「そうだな。じゃあ、いただきます。」
焔「!」
陣「うまい??」
焔「・・・い。」
陣「え?」
焔「なんか・・・しょっぱくないか?このケーキ。」
3人「うそだぁ。」
焔「イヤ、ウソじゃないよ。ホントにしょっぱい・・・。」
綾人「食べてみよう。」
3人「・・パクッ。!!」
3人「しょっぱい。」
焔「だろ?」
恵礼「おかしいなぁ。ちゃんと、レシピ通りの分量なんだけど・・・。」
綾人「これだけしょっぱいんだから、砂糖と塩を間違えたんだね、きっと。」
恵礼「陣。砂糖入れるときちゃんと確認した?」
陣「確認って?」
恵礼「味の確認よっ。まさかそのまんま入れたんじゃないでしょうね・・・。」
陣「もちろん。そのままに決まってんじゃん。」
恵礼「・・・・はぁ。」
綾人「あはは、やっぱり・・・(汗)」
焔「(もしかして・・・)味見はしたんだろ?」
3人「あ・・・!」
焔(やっぱりしてなかったのか・・・(汗)
恵礼「そっか、味見すればよかったのか。」
綾人「そうだね。味見してればすぐわかったのに。」
陣「あはは。すっかり忘れてた。(^^)」
焔(普通忘れるか・・・?つーか、笑いながら肯定するなっ!/怒)
焔「一応、人に贈るものなんだから味見くらいはしろよ・・・!(怒)」
陣「あははー。ゴメン、ゴメン。」
焔「はぁ。どうすっかなー、このケーキ。」
綾人「さすがに・・・食べれないよね。」
陣「え?なにいってんだよー。」
恵礼「そうよ。食べないのなんてもったいないじゃない。」
焔「・・・じゃあ、どうするのさ?」
陣「もちろん、焔兄が食べるんだよ♪(^^)」
恵礼「私たちからのプレゼントだもんねー♪」
綾人「え?!でも、このケーキはちょっと・・・。」
陣「焔兄・・・。」
恵礼「焔君・・・。」
陣&恵礼「もちろん食べてくれるよねっ!!」
焔「え?」
焔(・・・この2人・・・。怖っ!/泣)
恵礼「せーっかく、時間かけて作ったんだもん。」
陣「そーそ。母さんのところから材料盗るのだって苦労したんだぜ。」
焔(盗ってまで作るなよっ)
陣&恵礼「・・・食べないの? (涙)」
焔&綾人(何か、すっごい迫力が・・・。)
焔「・・・いただきます。(泣)」
陣&恵礼「全部食べてね。(^^)」
焔「はい・・・。(泣)」
綾人「焔君・・・(涙)」
綾人「その後、焔君はもらったしょっぱいケーキを1人で食べていました。」
恵礼「なんかむなしーわねー。」
陣「自分の誕生日なのになっ。」
焔(だったらお前らが食え!!/怒)
綾人(自分たち(僕もだけど)が原因ってわかってないのかな・・・/汗)
おしまい