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Enjoy KABUKI !!

気ままに歌舞伎を楽しんでいます♪

GOEMON(ごえもん) 石川五右衛門

2014-10-09 | 観る・歌舞伎
goemon2.jpg十月花形歌舞伎 GOEMON  石川五右衛門を観ました。
愛之助さんの持ちネタ。3回目の公演。

まぁ、五右衛門はイスパニア人の神父の子(ハーフ)って設定からしてとんでもなストーリーなのだけど(フラメンコを多用するのが冗長)、歌舞伎の美味しいところを上手く繋ぎ合せて、客席も使いまくり~の、宙乗りも2回もやり~の楽しい演出で、後味が悪くなかったのが面白かった。ってへんな感想かなぁ。
五右衛門は釜ゆでにもならず、妙に敵打ち(秀吉)にも拘泥もせず、そんな小さいことどうでもいいって大鷹(母の化身)に乗って父の住むイスパニアへ。前向きでいい。

子役の子も鬘&袴でフラメンコ踊るんですよ。いまどきの子役は大変だ。

修学旅行の高校生の団体が3階に入っていて、ちょっと心配したけれど、エンディングの宙乗りで「きゃ~~~~っ」って大騒ぎしてくれたのがかえってかわいくて、愛之助さんもノリノリ。 

壱太郎くん、どんどん上手くなりますね。楽しみ!
吉弥さん、好きな役者さんの一人ですけど、立役は初めて見ました。
上置きの翫雀さん(好色な秀吉)、しっかり来年1月の鴈治郎襲名披露公演の宣伝も!


goemon.jpg
GOEMON(ごえもん) 石川五右衛門

【みどころ】
 『GOEMON 石川五右衛門』(水口一夫作・演出)は、平成23(2011)年11月、徳島県の大塚国際美術館「システィーナ歌舞伎」の第三回公演で初演された作品です。

 誰もが知っている稀代の大泥棒・石川五右衛門が、実はスペインの宣教師の血をひく赤毛のハーフで、フラメンコも踊れるという奇想天外な設定が話題を呼び、平成25(2013)年2月には舞台装置を一新して大阪松竹座で上演。そして、ご好評を受け、今秋の「十月花形歌舞伎」で、早くも待望の再演が実現しました。

 五右衛門を演じるのは、初演からすっかりお馴染みの片岡愛之助。五右衛門の父、カルデロン役に、本公演が歌舞伎初出演となる今井翼を迎え、和と洋が巧みに交錯する大胆な演出と、二度の宙乗りで、客席を席巻する、みどころたっぷりの新たな『GOEMON』にご期待ください。

【あらすじ】
 豊臣秀吉が天下を統一し、戦乱の世が終焉を迎えて間もなくのこと。秀吉に滅ぼされた明智光秀の家臣・四天王但馬守の娘、石田局は、父の仇である秀吉への恨みを募らせ、復讐の機会を密かにうかがっていた。しかし、遠くイスパニアよりキリスト教の布教のためにやってきた神父カルデロンに神の教えを説かれると、仇討ちが虚しくなり、信仰に傾倒するようになった。いつしか二人は恋に落ち、友市という息子が生まれる。親子三人で仲良く暮らし始めたが、秀吉が切支丹禁令を打ち出したことで、カルデロンは国外に追放されてしまう。家族の仲を引き裂かれた失意の石田局は、秀吉に一矢報いようと、単身、聚楽第に乗り込んだものの、返り討ちにあって絶命する。

 時が流れ、都で全盛の人気を誇る阿国一座の「ややこ踊り」を偶然見かけた秀吉は、出雲の阿国に興味を持ち、寝所に召し出す。そこに、突如、曲者が忍び込んだとの知らせが入る。なんと、曲者の正体は、成人した友市。両親の仇敵、秀吉と対決するべく、石川五右衛門と名乗る大泥棒となっていた…。

 五右衛門は、秀吉のもとから阿国を救い出すと、その夫、名古屋山三とも手を組み、三人で共通の敵、秀吉へ立ち向かう約束を交わす。一方、一座の踊りの人気が翳り始めたことに悩む阿国に対し、五右衛門は父カルデロンの母国イスパニアに伝わる踊り、フラメンコを教え、再起へのヒントを与えるのだった。

 同じ頃、秀吉は、五右衛門が隠れ住むという南禅寺に軍勢を差し向ける。五右衛門を捕える包囲網は、すぐそこにまで迫っていた…。
 
【配役】
石川五右衛門   片岡 愛之助
カルデロン神父   今井 翼
出雲の阿国     中村 壱太郎
加藤虎之助     中村 種之助
友市(五右衛門の幼少時)  若山 耀 人 (ダブルキャスト)
友市(五右衛門の幼少時)  菊田 千 瑛 (ダブルキャスト)
石田局/名古屋山三  上村 吉 弥
北政所        市村 萬次郎
豊臣秀吉       中村 翫 雀
フラメンコ       佐藤 浩 希

平成26年10月3日(金)~27日(月)
大阪松竹座




うめだ阪急で↓が開かれます(15日~20日)。御用とお急ぎでない方はおついでにぜひどうぞ~。
あ、愛之助さんのファンの方はぜひどうぞ(って言うまでもなくご存じですね)

ainosuke1.jpg ainosuke2.jpgクリックで大きくなります
上方歌舞伎 片岡愛之助の世界展

今回のために撮り下ろしたプライベート写真や舞台写真、「GOEMON」などの演目で着用の衣裳などを展示。初公開のものを含む映像も上映し、片岡愛之助さんの魅力を余すところなくご紹介します。さらに、愛之助さんグッズの阪急先行販売、歌舞伎柄の手ぬぐいやお菓子の販売も。

◎10月15日(水)~20日(月)
◎9階 阪急うめだギャラリー ※閉場30分前までにご入場ください。催し最終日は午後6時閉場。
◎入場料:一般800円、大学生・高校生600円、中学生以下無料

なんで「GOEMON」の衣装がもう展示できるのだろう( ‥) ン? 


蛇足ながら
mini_141009_1041.jpgグリコの6代目の新しい看板が完成するまでのピンチヒッター。
綾瀬はるかさんです❤

このままでもいいのにね(笑)
ただ電飾ではないので夜は見えないようです。





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七月大歌舞伎昼の部 @松竹座

2014-07-09 | 観る・歌舞伎
shochikuza_201407ff.jpg関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回 七月大歌舞伎 @松竹座行ってきました。

天保遊侠録、新歌舞伎なのでね、あまり好きなストーリーじゃないけれど
橋之助さんはさすがでしたが、少し品が良すぎるかなぁ。
児太郎くん、おっきくなったねぇ...って言っちゃいけないか、もう21なんですね。うまいですね。女形で行くのね。
国生くんももう19なのか・・・年をとりますねぇσ(・・;)

女夫狐、翫雀さんが(これまでそう見えたことは無かったのだけど)お父さん(=藤十郎さん)に見えて驚きました。

寺子屋、寺入りなし。みんな知っているものとして。
妙な座組みの寺子屋ってどうだろうと思いましたけど、さすがに達者なみなさんはこなしてくださってました。
仁左衛門さんがお元気で帰ってきてくださってほっ!
秀太郎さんはいつまでもお若くてかわいらしくてステキです。
孝太郎さんの戸波も見たかったな。

藤十郎さんと竹三郎さんも拝見したかったのですけれど、夜の部のみ。
また次回のお楽しみということで・・・



七月大歌舞伎

一、天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)

 貧乏旗本の小吉は、若い頃から気ままな暮らしぶりでしたが、秀才の誉れ高い愛息麟太郎の行く末を思い、自らの出世を画策し、組頭たちを招き饗応の宴を催します。しかし、上役の腐敗ぶりを目の当たりにしては元来の性格を抑えきれず、啖呵切って糾弾するのでした。来合わせた伯母阿茶の局がその場を収めますが…。
 昔馴染みの芸者八重次との再会や、父親思いの麟太郎の決断など、重なる出来事から自身の無鉄砲な生き方を見つめる小吉の姿を活写した、真山青果の新歌舞伎です。

   勝小吉        橋之助
   坂本屋の八重次  孝太郎
   松坂庄之助     国 生 
   芸者茶良吉     児太郎
   大久保上野介    市 蔵
   中臈阿茶の局    秀太郎

  
二、吉野山雪の故事 女夫狐(めおとぎつね)

 雪深い館で一人、楠帯刀正行が亡き恋人の弁内侍を想い形見の鼓を打っていると、又五郎という供を連れた弁内侍が訪ねてきます。不審に思う正行の前に現れたのは、実は狐の夫婦で、鼓の皮にされた親狐を慕いやって来た塚本狐と、妻の千枝狐でした。
 『義経千本桜』の「川連法眼館の場」をもとにした作品で、二人を怪しむ正行からの問いかけに、様々な舞いで答える展開がみどころの常磐津舞踊です。

   又五郎実は塚本狐   翫 雀
   楠帯刀正行       菊之助
   弁内侍実は千枝狐   扇 雀


  
三、菅原伝授手習鑑 寺子屋(てらこや)

 寺子屋を営む武部源蔵と妻の戸浪は、主君・菅丞相の嫡子、菅秀才を匿う生活をしていましたが、敵方に知られ、菅秀才の首を討つように命じられます。逃れる手立てのない源蔵は、今日寺入りしてきた小太郎の首を替わりに差出すと、首実検役の松王丸が間違いないと断言して立ち去ります。安堵する夫婦でしたが、そこへ小太郎の母千代が迎えにやってきて…。
 歌舞伎三大名作の義太夫狂言『菅原伝授手習鑑』。その中でも、忠義を尽くす二組の夫婦の姿を描いた重厚な一幕です。

   舎人松王丸   仁左衛門
   松王女房千代  時 蔵
   源蔵女房戸浪  菊之助
   涎くり与太郎   国 生
   春藤玄蕃     市 蔵
   武部源蔵     橋之助
   御台園生の前  秀太郎

松竹座



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空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

2014-04-07 | 観る・歌舞伎
pl_en140305_l.jpgスーパー歌舞伎II(セカンド) 空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―大阪松竹座 です。

佐々木蔵之介の白塗りが見たくて(笑)

のっけ、口上から入ってびっくり!

スーパー歌舞伎もII(セカンド)になって、現猿之助さん色の脚本なのだと思うのだけど、漢字(=抽象的な概念)の多い脚本とスーパー歌舞伎らしいケレン味が混じらない感じがして居心地が悪く、のめりこめなかった。
まあ、スーパー歌舞伎IIのスタート地点を見られたのは僥倖なのかもしれないけれど・・・。
たぶん猿之助さんの生ある限り、進化していってくれるのでしょうね。

澤瀉屋のみなさんは当て書きなのでしょう、適材適所。特に右近さんの説得力はさすが。出番は少なくても締めました。

福士誠治さんと浅野和之さんは美味しい役どころでもあったので楽に演じられているようで、よかった。中村屋の笹野さんのようにレギュラー化するのかもしれませんね。
一番難しい役どころの蔵之介さんは・・・ご本人の率直な本音の感想を伺いたい。

2人の宙乗りは大サービスでよかったですよ。
そのために(初めて)2階席を取って大正解。
舞台装置の様子もよく見えましたし、面白かった。
美術はGOOD! 気に入りました。

20日までです。まだ少々お席残っているみたい。
よろしかったら・・・(→チケットweb松竹




スーパー歌舞伎II(セカンド) 空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語― 

◆みどころ
四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎IIがついに始動!
ここにあらたな伝説が生まれる――


 2014年、四代目市川猿之助がかつてない演劇空間を目指し、ついに始動! その名はスーパー歌舞伎II(セカンド)!!
 三代目市川猿之助(現猿翁)によって創造されたスーパー歌舞伎。そのスピリットを継承した四代目市川猿之助が、現代の演劇界を代表する才能たちとともにまったく新しい舞台空間を創造します。
 共演はスーパー歌舞伎を彩った歌舞伎俳優とともに、佐々木蔵之介をはじめとする現代劇俳優たち。そして作・演出は新進気鋭の劇作家・前川知大。最高のキャスト、スタッフを得て、スーパー歌舞伎II はあらたなる旅立ちを迎えます!


 舞台はいにしえの日本。

 ある山間の村に、十和(とわ 市川猿之助)という才能に恵まれた若い仏師がいた。しかし彼は、村人たちの暮らしも病床の母親も救うことのできない仏教に苛立ちを募らせていた。

 十和の幼なじみの一馬(かずま 佐々木蔵之介)も不作に苦しむ村人たちを憂い、彼らの暮らしをよくするため、都に出て官吏の道を選ぶ。一方、母の死と都から来た役人との争いから十和も村を出なければならなくなる。その後、牢に入れられ、盗賊と交わりながら成長する十和。かたや都に出たものの下級役人として無力感を募らせる一馬。それぞれの思いを胸に別々の道を歩んだ十和と一馬。一度は分かれた二人の道は、やがてまた交わる日を迎えるのだが…。


◆配役

     十和  市川 猿之助

     長邦  市川 門之助

     双葉  市川 笑 也

     菖蒲  市川 笑三郎

     興隆  市川 寿 猿

     喜市  市川 弘太郎

     時子  市川 春 猿

     吾平  市川 猿 弥

     九龍  市川 右 近

     伊吹  福士 誠 治

     鳴子  浅野 和 之

     一馬  佐々木蔵之介



大阪松竹座

第一幕 11:00-12:00
  幕間 30分
第二幕 12:30- 1:50
  幕間 20分
第三幕 2:10-3:35

平成26年4月5日(土)~20日(日)



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南座三月花形歌舞伎 昼の部

2014-03-11 | 観る・歌舞伎
minamiza_201403ff02_jpg.jpg南座三月花形歌舞伎 昼の部です。

南座に伺うのは2010年の顔見世以来。
ずいぶんご無沙汰していました。

吹雪峠、新歌舞伎とは言え上演がほとんど途切れていたのに、最近ちょこちょこかかるようでわかるなぁ。
この後、どうなるかというところを観客に考えさせるのが今は許される・・・。

素襖落、松羽目ものは寝るのよねぇと思ったらほんとに途中寝てしまって・・・新悟さんの踊りを見損ねた。 
太郎冠者が松緑さんで、彼のセリフ回しは嫌い(スミマセン)なんですけど、踊りはよかった。

今回、菊乃助さんの切られ与三が見たくて行ったのですが、体も声も凄みも線が細すぎてちょっと・・・。
吹雪峠のおえんもお富も梅枝さんなのです。時蔵さんのご長男。昔巡業で静御前を観たことがあるようなのですが、記憶はなく・・・。
菊五郎さんなら時蔵さんだったのだろう与三郎とお富をその息子世代が演るという面白さ。もちろん二人とも初役。
なので今後どう変わっていけるか楽しみにしておきます。
團蔵さんの蝙蝠安がとてもよかった。

なぜか先斗町のきれいどころがずらっと。余禄でした。


三月花形歌舞伎 昼の部

一、吹雪峠(ふぶきとうげ) 
       直吉  亀三郎
       おえん 梅 枝
       助蔵  松 也

◆極限状態で描く三角関係の人間模様
 荒れ狂う吹雪の中、山小屋に辿り着いた助蔵とおえん。おえんは、助蔵の兄貴分である直吉の女房でしたが、助蔵と密通を重ね、駆け落ちをしました。そこへ偶然にも直吉が現れ再会する3人。一旦は2人を許した直吉も、仲睦まじさを目の当りにして耐えきれなくなり、殺気立った形相で2人に出て行ってほしいと言います。固く結ばれていた2人でしたが、死の恐怖から互いを罵り命乞いを始め…。
 人間の男女の愛憎と欲望などを描き出した巧みな心理劇の新歌舞伎をご覧いただきます。

二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし) 
       太郎冠者   松 緑
       太刀持鈍太郎 亀 寿
       三郎吾    巳之助
       姫御寮    新 悟
       次郎冠者   松 也
       大名某    権十郎

◆新歌舞伎十八番の嚆矢となった喜劇味溢れる舞踊劇
 伊勢参宮を思い立った大名が、叔父を誘おうと、太郎冠者を叔父の館へ向かわせますが、あいにくの不在。名代の姫に酒を振舞われ、太郎冠者は盃を重ねます。源平合戦の「那須の与一」の件(くだり)を語ってみせ、さらに素襖まで頂戴しますが、帰宅した太郎冠者は酩酊状態。決して渡すまいと隠していた素襖を大名の前で落としてしまっても気づかない始末です。そして、素襖を巡って大名が、太郎冠者をからかうのでした。
 狂言をもとにした松羽目舞踊の嚆矢となった作品です。竹本と長唄の掛合いでお贈りする喜劇味溢れる舞踊劇をお楽しみください。

三、与話情浮名横櫛 (よわなさけうきなよこぐし)
    木更津海岸見染めの場
    源氏店の場
       与三郎     菊之助
       お富      梅 枝
       蝙蝠の安五郎  團 蔵
       鳶頭金五郎   松 緑
       和泉屋多左衛門 彦三郎

◆若旦那の一目惚れから生まれた、しがねぇ恋の行く末は・・・
 「木更津海岸見染めの場」大店伊豆屋の若旦那与三郎が鳶頭の金五郎に連れられて浜見物をしていると、木更津界隈の顔役である赤間玄左衛門の妾お富と出会い、浜辺で互いに一目惚れします。
 「源氏店の場」2人の仲を知った赤間により、与三郎は瀕死の重傷を負い、お富は身投げをしたところを和泉屋多左衛門に救われました。それから3年が経過。今は、多左衛門のところで囲われ者となっているお富のもとに、時折たかりにくる蝙蝠安が、相棒をつれて訪れます。頬被りで傷だらけの顔を隠したその相棒こそ…。
 「しがねぇ恋の情けが仇」の名ぜりふが有名な世話物です。


京都南座 
平成26年3月2日(日)~26日(水)
吹雪峠 11:00-11:30
   幕間 30分
新歌舞伎十八番の内 素襖落 12:00-12:55
   幕間 30分
与話情浮名横櫛 1:25-2:50




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三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝

2013-08-22 | 観る・歌舞伎
oosaka_201308.jpg

oosaka_201308 - コピー

久しぶりの歌舞伎鑑賞です。

三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝(しん・すいこでん)@新歌舞伎座。
奇しくも前回観たのもこの劇場で、勘三郎さんの文七元結でした(2011.9)

久しぶりの歌舞伎鑑賞が澤瀉屋(二十一世紀歌舞伎組)になるとは、我ながらびっくり!
(スーパー歌舞伎は嫌いを標榜していたので)
まあ、若手と言われた二十一世紀歌舞伎組もすでにベテランの域ですが。
(ヤマトタケルを観たのは2005年でした)

新・水滸伝、スーパー歌舞伎的でケレン味たっぷり。
ごくごく一部のエピソードを取り上げているのでね、ストーリー的にはもう少し盛り上げてほしいところです。
宝塚チックな演出はちょっとばかり失笑ものかなぁ(ここは大阪だし)

右近さん、口跡が幸四郎さんにそっくりだと思うのですが、私は先代の猿之助さんを知らないので…。
笑三郎さん、主役と言っていいお働きで、すてきでした。
笑也さん、春猿さん、相変わらずおきれい。
猿弥さんのラブストーリーを見られるとは!
弘太郎くん、成長されましたよねぇ。
若手も立役、女形問わずきれいな方が増えていて、将来的にも楽しみですね。


三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝

ついに大阪初上演!歌舞伎界の風雲児・市川猿翁率いる澤瀉屋一門がおくる新趣向と臨場感あふれる大冒険活劇 中国四大奇書のひとつ「水滸伝」をもとに猿翁一門ならではの趣向を凝らし創られた壮大なスケール感あふれる大活劇「新・水滸伝」。主人公・林冲が個性豊かな面々と出会い、志を共にし悪政に立ち向かう勧善懲悪の痛快さ、「宙乗り」やアクロバティックでスピード感のある立ち廻りなどのケレン味あふれるアクション、華麗な衣裳、斬新な舞台構成など見どころ満載!

《配役》

林冲:市川右近
青華:市川笑也
王英:市川猿弥
姫虎:市川笑三郎
お夜叉:市川春猿
公孫勝:市川寿猿
彭玘:市川弘太郎
晁蓋:笠原 章


《あらすじ》

 北宋の国は乱れていた。梁山泊(りょうざんぱく)に根城を構え、悪党を束ねて暮らす好漢・晁蓋(ちょうがい)は、役人たちの不正に憤り「こんな国はぶっ潰そう」と思い立つ。かつて兵学校の教官まで務めながら、数多くの罪で牢に繋がれた天下一の悪党・林冲(りんちゅう)の噂を聞き、仲間に入れようと腹心の公孫勝(こうそんしょう)に助け出させる。

 その後、林冲は梁山泊を訪ねるが、晁蓋の留守を預かる女親分・姫虎(ひめとら)や美貌の殺し屋・お夜叉たちとそりが合わず、酒浸りの日々。そんなとき、隣町・独龍岡の若き跡取り・祝彪(しゅくひょう)が攻撃を仕掛けてきた。晁蓋の右腕・宋江を指揮官として、山賊あがりの王英(おうえい)ら梁山泊の猛者たちが闘いに繰り出してゆく。が、祝彪の背後には何と朝廷の重臣たる高俅(こうきゅう)率いる屈強の朝廷軍が控えていた...!

 姫虎は林冲に戦術指導を願い出るが「悪党のくせに絆だの仲間だのと白々しい」と一笑に付される。そんな林冲を、かつての教え子で今は朝廷軍の兵士となっている彭玘(しょうき)が密かに訪ね、林冲から授けられた「替天行道」の書を捧げて下山を迫るが、林冲はこれも邪険に追い払う。

 一方、敵ながら男顔負けに戦う祝彪の許嫁・青華(せいか)に王英が一目惚れしてしまう。だが、想いを伝えようとした王英はお夜叉とともに青華に捕縛され、祝彪は好機とばかりに二人の身柄と林冲の交換を申し出る。しかし人質交換は偽りで、林冲もまた二人と共に牢に繋がれてしまうのだった。実は高きゅうこそが林冲に皇帝への叛逆の罪をなすりつけた張本人で、目障りな林冲を梁山泊もろとも踏みつぶそうと目論んでいたのだった...。



大阪新歌舞伎座
2013年8月22日 11:30~  



まだ亀ちゃんの襲名公演観てないんですけど『ヤマトタケル』で観たいなぁと密かに思ってます。
(シャイロックはスケジュールが合わず見損なうし)
 



  

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新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部

2011-09-05 | 観る・歌舞伎
台風一過なんてぜんぜん言えない、しょぼしょぼと雨の降る中、新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部 に行ってきました。
勘三郎さんの本格復帰公演です♪

新歌舞伎座は以前難波にあったのですが、上本町に1年前に引っ越してきて、杮落しは澤瀉屋でしたし、1周年記念の今月は中村座になっています。
今月松竹座では成田屋(+澤瀉屋)なので、同じ月に大阪で二つの小屋で歌舞伎があるなんて…ずいぶん上方歌舞伎も賑わってきたものですねぇ。
ひところのことを思うと隔世の感あり。
(でも今月松竹座は行かないつもり。まだ海老蔵を許していない私)

で、新歌舞伎座。お初。
演目3つも初見ばかりという初物尽くし。(こういうのは寿命伸びないかなあ)

勧進帳はよく観ますけど、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)は初めて。
歌舞伎らしい勧進帳で面白かったですよ~。
芋洗いの弁慶って言われているのがよくわかりました。

男女道成寺も初めて。道成寺もいっぱいありますけれどねぇ。
勘太郎(もうすぐ勘九郎になりますね)くんと七之助くんが息のあった所でいいなぁ。
でも、所化でつなぐ部分が多い気がして、息つく間もなしに舞うって感じがなかったかな。
これも道成寺の中ではユーモラスなんですね。

人情噺文七元結はこれはもう中村座の息のあった所で、勘三郎さんの勢いのおもむくまま。
芝のぶさんでお久はもうきついかと思ったのですけれど、いやあ、健気にうまい。
歌女之丞さんも、初めて意識したんですけれど、うまいですね。
これ、落語でも聞いてみようかな。

勘三郎さんは、ほんとに本復おめでとうございます。
前回1ヶ月公演を演られたのが、奇しくも去年の大阪城公園の平成中村座だったのですね。
因縁を感じます。
ムリをなさらず…お願いします。

新歌舞伎座独自のお客様もいらっしゃるみたいで歌舞伎には不慣れなのか、中村座にしては客席のノリが悪く、それがちょっと残念だったかなぁ。
篠山紀信さんが来られていましたよ。


新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部
 ≪演目・配役・みどころ≫
一、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)加賀国安宅の関の場

           武蔵坊弁慶  橋之助
           斎藤次祐家  亀 蔵
          九郎判官義経  松 也
           富樫左衛門  扇 雀
 兄の源頼朝と不和になった源義経は、武蔵坊弁慶を始めとする家臣たちと共に、強力や山伏に姿を変えて奥州に向かいます。しかし、安宅の関を守る富樫左衛門家直と斉藤次祐家は、一行の通行を許しません。そこで弁慶は一行が山伏である証拠として勧進帳を読み上げるなどするので通行が許されますが、弁慶のみ捕えられてしまいます。やがて頃合いを見て弁慶は縄を解くと、これまでの憂さを晴らすように大暴れしてみせるのでした。
 荒事ならではの豪壮な演技がその見どころで、のちに作られた歌舞伎十八番の『勧進帳』と異なり、古風で大らかな味わいがその魅力となっている作品です。



二、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
    白拍子桜子実は狂言師左近  勘太郎
           白拍子花子  七之助
 桜が満開の道成寺に桜子、花子と名乗る白拍子がやって来て、舞を奉納するために舞い始めますが、烏帽子が落ちた拍子に桜子が狂言師左近であることが顕れてしまいます。仕方なく左近は狂言師の姿に身なりを改めると軽妙な踊りを踊り始め、花子は艶やかな踊りをみせていきます。
 歌舞伎舞踊の名作『京鹿子娘道成寺』を男女で踊り分けるのが眼目の華やかな舞踊の一幕です。


三、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
           左官長兵衛  勘三郎
            手代文七  勘太郎
           鳶頭伊兵衛  亀 蔵
          長兵衛娘お久  芝のぶ
         角海老女房お駒  歌女之丞
          和泉屋清兵衛  橋之助
            女房お兼  扇 雀

 左官の長兵衛は、達者な腕の持ち主ながら博打にはまり、今日も負けて帰ってきます。すると女房のお兼は娘のお久が帰って来ないことを告げるので、長兵衛も慌ててその行方を探そうとします。そこへお久が吉原の角海老にいることを知らせに、角海老の使いがやって来ます。実はお久は両親の窮状を見かね、自ら進んで吉原へ身を売ろうとしたのでした。角海老の女将お駒は、お久の孝心を褒め、長兵衛に心を入れ替えるように言って、五十両の金を貸し与えます。しかし長兵衛は、お店の金を紛失した為に身投げをしようとした和泉屋の手代文七にこの金を譲ってしまいます。翌日、お久の身の代を巡って長兵衛とお兼が夫婦喧嘩をするところへ、和泉屋清兵衛が文七や鳶頭伊兵衛と共に現れて・・・
 三遊亭円朝の人情噺を劇化した涙あり笑いありの世話物の名作をお楽しみ下さい。



隣の近鉄百貨店上本町店で「中村屋が受け継ぐ歌舞伎の世界 明緒写真展」があったので拝見。
2010年4月に建替えのために閉場した第四期の歌舞伎座(東京)の最終公演の舞台裏や、「中村屋」の俳優を中心に撮りおろした約70点の写真作品が展示されていましたが……ま、無料ですからね、推して知るべし(・・;)
まあ、おついでがあれば覗いてみられてもいいかな、無料だし。21日までです。
連獅子 2010年4月


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吉例顔見世興行昼の部@京都南座

2010-12-14 | 観る・歌舞伎
忙中閑あり。あの(笑)吉例顔見世興行昼の部@京都南座に行ってきました。

第一 羽衣(はごろも)
              天女       孝太郎
              伯竜       愛之助
従兄弟の息のあった踊り。
愛之助さんの踊り、よくなりましたね。
今回の騒動で、知名度も上がり、自信もついたのかな。

第二 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
   寺子屋
             松王丸       吉右衛門
              千代       魁 春
              戸浪       芝 雀
          涎くり与太郎       種太郎
            園生の前       扇 雀
            春藤玄蕃       段四郎
            武部源蔵       梅 玉
寺入りなしで寺子屋を見るのは初めてで、ちょっと戸惑い。
吉右衛門さんの熱演にもかかわらず、今一つ乗れず…。


第三 阿国歌舞伎夢華(おくにかぶきゆめのはなやぎ)
           出雲の阿国       玉三郎
            女歌舞伎       笑 也
            女歌舞伎       笑三郎
            女歌舞伎       春 猿
            女歌舞伎       吉 弥
             男伊達       愛之助
             男伊達       翫 雀
           名古屋山三       仁左衛門
玉三郎さんを初めてきれいだと思いましたヾ(・・ )ォィォィ
久しぶりの澤瀉屋ご一門。春猿さん、いつもの華がないんですけど、お疲れ?
名古屋山三を代役の仁左衛門さん。孝玉でいいコンビであるはずなんですけど、これは見てくれの華で持つお役。海老蔵さんの方がよかったでしょうね。

   十三世片岡仁左衛門を偲んで
第四 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)
   沼津
          呉服屋十兵衛       仁左衛門
           平作娘お米       秀太郎
            池添孫八       進之介
           荷持安兵衛       歌 昇
            雲助平作       我 當

松嶋屋の三兄弟で沼津を演られるのは初めてと聞いて、意外な感じを持つのは私だけではないはず。別々に演られているのを何度も観ているからなんでしょうね。流石の仕上がりです。
沼津は客席を歩かれる演目。ちゃんとそちら側の通路沿いの席を取りましたvv
歌昇さん、吉右衛門さんおひとりになられた播磨屋に移られて初、"播磨屋っ!"と声がかかっていたのはうれしかった。



世評の高い、夜の部の愛之助さんの「外郎売」も観たかったのですが、時間がなく…。
代役をバネにして大きくなれるのも愛之助さんの徳。
そこらへんを成田屋は(親子ともども)わかってるんでしょうかね。
舞台上での華において海老蔵さんに勝る人はいないのは事実。
ただ現代において、社会性のない破天荒な生き方は許されるものではないのも事実。
もう6月復帰がささやかれていますけど、(舞台上の)彼を観たいがために(人間として)甘やかすことは後々のためにならないって観客の方も自覚したほうがいいと思っています。

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十一月大歌舞伎 大阪平成中村座 『法界坊』

2010-11-05 | 観る・歌舞伎
 隅切り銀杏のやぐらは中村座

先月に引き続き、大坂城西の丸庭園の大阪平成中村座の舞台を…。

憎めない悪党でありながら残忍さを併せ持つ乞食坊主・法界坊が繰り広げる騒動と愛憎と執念を描いた『法界坊』。
鯉魚(りぎょ)の一軸をめぐって二転三転していく物語と大切所作事の「双面」までを存分に楽しみました。
法界坊、NYで英語で行われた公演は記憶に新しいところです(いえ、NYで観たわけじゃなくてTVで)

串田和美 演出・美術
隅田川続俤 法界坊(ほうかいぼう)
           聖天町法界坊  中村 勘三郎
           道具屋甚三郎  中村 橋之助
    永楽屋手代要助実は吉田松若  中村 勘太郎
          花園息女野分姫  中村 七之助
    仲居おかん実は七郎女房早枝  中村 歌女之丞
           山崎屋勘十郎  笹野 高 史
             番頭正八  片岡 亀 蔵
          永楽屋権左衛門  坂東 彌十郎
           永楽屋娘お組  中村 扇 雀

改めてこれは歌舞伎のパロディだという印象を強く…。
勘三郎さんはじめおじさまたちがはちゃめちゃに演っているところを、勘太郎さんや七之助さんがぐっとこらえて真面目に演られているところが実に健気。
まあ、楽しかったからいいんですけど、本物(笑)の法界坊も観てみたいなと思う…(笑)

勘三郎さんはじめお歴々が紋つき姿でのしあるいて、「なんのCMだ?え?マクカフェ?なんで歌舞伎役者が?」思ったのは私だけじゃないと思いますけど、マクドナルドがこの平成中村座のスポンサーになっているんですね。
クーポン2枚いただきました。

(笹野さん、亀蔵さん、勘太郎さん、橋之助さん、勘三郎さん、扇雀さん、七之助さん、彌十郎さん)






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十月大歌舞伎 大阪平成中村座 昼の部

2010-10-25 | 観る・歌舞伎
今月と来月、大坂城西の丸庭園に大阪平成中村座の小屋が建っています。
平成中村座は、江戸時代のような芝居空間を現代に甦らせたいという勘三郎さんの熱意で、国内のみならずニューヨークやベルリンなどでも開かれているのはご存じの方も多いと思います。
大阪では8年ぶり。
前回のときは私にとってBefore Kabukiだったので全く知らず…
その後、他地域の話を指をくわえてみていたのですが、やっと念願かなって…

演目は
一、一谷嫩軍記
  熊谷陣屋(くまがいじんや)
            熊谷直実  中村 橋之助
             源義経  中村 獅 童
             藤の方  坂東 新 悟
             堤軍次  中村 萬太郎
             弥陀六  坂東 彌十郎
              相模  中村 扇 雀
橋之助さんが熊谷直実なんて重い役、それも芝翫型でできるようになっていたのにはちょっとびっくり。
獅童さんがきれいでした。毛嫌いしていたんですけど、うまくなったかも。


二、新歌舞伎十八番の内
  紅葉狩(もみじがり)
     更科姫実は戸隠山の鬼女  中村 勘太郎
              山神  中村 鶴 松
             平維茂  中村 獅 童
勘太郎さんの踊りは元々好きなんですけど、これもよかった。
鶴松君、大きく、うまくなっているのにびっくり! 御曹司に負けるな!
ラストシーン、舞台奥の壁を抜いたらそこには大坂城!

三、恋飛脚大和往来
  封印切(ふういんきり)
           亀屋忠兵衛  中村 勘三郎
         丹波屋八右衛門  坂東 彌十郎
            傾城梅川  中村 七之助
          槌屋治右衛門  中村 橋之助
          井筒屋おえん  中村 扇 雀
藤十郎さんで見慣れているので、勘三郎さんの忠兵衛はどうかなと思いましたけど、習ったんですね。随所に藤十郎さんが出てくる…。
梅川を七之助さん。親子のラブシーンは照れるなぁ。菊五郎さんと菊之助さんだとあまり感じないんですけど(笑)
新口村も見たかったなぁ。


来月も行きます。


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通し狂言 仮名手本忠臣蔵  昼の部 @大阪松竹座

2010-01-06 | 観る・歌舞伎
2010年の幕開けは「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」です。
初見。関西では前回は1999年だったそうです。
昼の部は六段目まで(関西は展開が早い)
関西所縁の役者さんばかりで、上方の型で演じられます。

藤十郎さんが相変わらずお元気で、全段に重要なお役で出ていらして、昼の部では高師直→由良之助→勘平とどんどん若くなって、うっかりすると別人みたい。
おかる勘平が秀太郎さんと藤十郎さん! それがぜんぜん違和感がないというのは…すごいとしか言いようがありませんねぇ。


幕開け、定式幕ではなく、↓のような幕で、人形の口上が終わった後、真ん中から左右に引かれます。

左が笹瀬連、右が大手連の紋で、江戸時代の大坂の代表的なひいき連の紋だそうです。

あと、どこがどう違っていると言えるといいんですけれど、江戸のもTVで見ただけなので残念ながら実感としてはよくわかりません。(番付には書いてありますが)

後半は来週観に行きます。


≪演目・配役・見どころ≫~歌舞伎美人より~

昼の部

【大序・三段目】
             高師直  藤十郎
            塩冶判官  扇 雀
            顔世御前  孝太郎
            足利直義  進之介
          桃井若狭之助  翫 雀

【四段目】
          大星由良之助  藤十郎
            塩冶判官  扇 雀
            大星力弥  壱太郎
        薬師寺次郎左衛門  薪 車
            顔世御前  孝太郎
          石堂右馬之丞  我 當

【五段目・六段目】
            早野勘平  藤十郎
            斧定九郎  翫 雀
          一文字屋お才  孝太郎
           千崎弥五郎  薪 車
            母おかや  竹三郎
           女房おかる  秀太郎

【大序】鎌倉鶴ヶ岡兜改めの場(かまくらつるがおかかぶとあらためのば)

 鶴ヶ岡八幡宮に参詣する足利直義(進之介)を桃井若狭之助(翫雀)と塩冶判官(えんやはんがん)(扇雀)ら御馳走役が迎えます。
 それを補佐する高師直(こうのもろのう)(藤十郎)は、判官の妻で美貌の顔世御前(孝太郎)に恋文を渡して言い寄るところを若狭之助に遮られ、その腹いせに若狭之助を散々に侮辱。思わず刀を手にした若狭之助でしたが思い留まります。
 「口上人形」に始まる儀式的演出と、上方独特の「大手・笹瀬」の引割幕などにより、『忠臣蔵』の世界へ誘う荘厳な一幕です。

【三段目】足利館門前進物の場(あしかがやかたもんぜんしんもつのば)
    同 殿中松の間刃傷の場(でんちゅうまつのまにんじょうのば)

 恥辱を晴らすため師直を斬る覚悟の若狭之助ですが、それを知った桃井家の家老加古川本蔵は、師直に賄賂を渡します。そのため師直の態度は一変、代わって怒りの矛先は塩冶判官に向かいます。あまりの屈辱に耐え兼ねた判官は、ついに師直を斬りつけますが、本蔵に抱き留められ浅傷を負わせるに止まります。
 刃傷に至るまでの高師直と塩冶判官のやりとりが見どころです。

【四段目】扇ヶ谷判官切腹の場(おうぎがやつはんがんせっぷくのば)
    同 城明渡しの場(しろあけわたしのば)

 殿中での刃傷という大罪により蟄居を命じられた塩冶判官の元に、上使の石堂右馬之丞(我當)と薬師寺次郎左衛門(薪車)が訪れ、判官の切腹とお家断絶、所領没収という上意を伝えます。
 覚悟していた判官は切腹の座に着き、家老の大星由良之助(藤十郎)の到着を今か今かと待ち望みつつ、刀を腹に突き立てます。まさにその時由良之助が到着、最期の対面を果たした主従は目と目で心の内を確認し合います。血気に逸り幕府の討手と戦おうとする嫡男力弥(壱太郎)ら諸士達を鎮めた由良之助は、主君の仇討ちを決意し、原郷右衛門らと共に館を後にするのでした。
 厳粛な雰囲気に満ちた塩冶判官切腹の場、万感の思いで遠ざかる城門を見つめる由良之助の引っ込みなど、屈指の名場面が続きます。

【五段目】山崎街道鉄砲渡しの場(やまざきかいどうてっぽうわたしのば)
    同 二つ玉の場(ふたつだまのば)

 恋人のおかるとの逢瀬を楽しんでいて、お家の一大事に駈け付けつけられず自責の念に苛まれる早野勘平(藤十郎)。今は猟師となっていますが、かつての同僚だった千崎弥五郎(薪車)と出会い、仇討資金の工面を約束します。一方おかるの父与市兵衛は、おかるを祇園に売ることでその資金を調達、前金五十両を懐に帰路に着きますが、山崎街道で斧定九郎(翫雀)に襲われて金と命を奪われます。
 その定九郎も、猪と間違えた勘平の鉄砲であえなく絶命。人を撃ったことに勘平は慌てますが、懐の五十両を着服して逃げ去ります。
 悪の魅力を見せる定九郎と、不運な誤解から罪を重ねる勘平。ほぼ無言のなか心象を表現する巧みな演出が見ものです。

【六段目】与市兵衛住家勘平腹切の場(よいちべえすみかかんぺいはらきりのば)

 翌朝、勘平の女房おかる(秀太郎)を連れに来た祇園の一文字屋お才(孝太郎)の話から、勘平は自分が舅の与市兵衛を殺したものと思い込みます。動揺しながらもおかるを見送った後、おかるの母おかや(竹三郎)や、来訪した同志の原と千崎に非道を責められた勘平は、山崎街道での出来事を吐露し、腹に刀を突き刺します。
 しかし、与市兵衛の疵からその疑いはすぐに晴れ、勘平が殺めたのは実は舅の仇であったことが判明します。仇討ちの連判状に名を連ねることを許された勘平は、安堵の中、息絶えるのでした。
 『忠臣蔵』の中でも東西の演出様式の違いが最も表れていると言われるのがこの場面です。「色にふけったばかりに」などの名台詞で描かれた勘平の悲哀を、写実を重んじる上方演出でご堪能頂きます。
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吉例顔見世興行夜の部 @京都南座

2009-12-18 | 観る・歌舞伎
久しぶりの歌舞伎見物です。
6回目の顔見世。丸5年経ちました。
実は体調があまりよくなかったこともあり、観に行こうという意欲が無くなってしまって、チケットは買っていながらパスすること数回…(十二夜も竹三郎さんの喜寿記念も…)。
もう歌舞伎は卒業(中途退学??)しようかとも思ったのですけど、関西では上演の少ない助六…しかも孝玉の…やっぱり観とかなくちゃいけないかなぁと思い…やっと重い腰をあげ…。


全部の演目が初見。

● 時平の七笑
菅原伝授手習鑑の時平は妖怪みたいですけれど、こちらは腹黒い人間。
我當さんの当たり役だそうですが、仁左衛門さんがやられてもすごいかも。
子役たちが、かわいい上にうまい!

● 土蜘
松羽目物は眠くなるのをしっかりこらえて(苦笑) 土蜘=菊五郎さんが糸を投げるところは見逃さず。
菊之助さんの胡蝶、もうちょっと観たかったなぁ。

● 助六曲輪初花桜
三浦屋格子先の場だけで2時間近い…。
とにかく豪華絢爛!!
藤十郎さんに白酒売新兵衛をさせてしまうなんて…ごちそうとしかいいようがない(・・;)
愛之助さんの朝顔仙平はあんまりだ(笑)

● 石橋
15分ほどの短い演目ですけれど、歌舞伎らしい踊りで、翫雀さんも愛之助さんもすてき!
新味のある背景で面白かった!


久しぶりでしたが、しっかり楽しめました。

来月は松竹座の仮名手本忠臣蔵の通し…5年待ってやっとの演目なので、やっぱり観とかなくちゃいけないかなぁと思い…チケットゲット。
あと関西では、松竹座の7月は例年ありますが、南座の9月にも大歌舞伎公演があるようで、どんな出し物になるのか楽しみです。
南座の3月は獅童さんと亀ちゃんの花形歌舞伎です。

さて、歌舞伎鑑賞復活になりますか.....




【演目・配役・見どころ】~歌舞伎美人より~

第一 天満宮菜種御供(てんまんぐうなたねのごくう)
   時平の七笑
            藤原時平  我 當
           判官代輝国  進之介
            頭の定岡  亀三郎
            藤原宿祢  亀 寿
            三好清貫  薪 車
            春藤玄蕃  亀 鶴
           左中弁希世  竹三郎
            菅原道真  彦三郎

 右大臣の菅原道真は、身に覚えのない謀反の疑いを受けていました。糾問の声の中、左大臣の藤原時平は道真を弁護します。しかし、あらぬ証拠が出され、庇う時平までもが問詰められる様子に、道真は覚悟を決め、時平に天皇の守護を頼むと、流罪の地太宰府へ向かうのでした。涙で見送る時平ですが、辺りに人がいなくなると一変、こらえきれずに笑い出します。この計略の首謀者は、天下を狙う時平だったのです。


第ニ 新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)

       僧智籌実は土蜘の精  菊五郎
             源頼光  時 蔵
            侍女胡蝶  菊之助
           渡辺源次綱  愛之助
            坂田公時  権十郎
            碓井貞光  男女蔵
            ト部季武  亀三郎
             巫子榊  梅 枝
            番卒次郎  團 蔵
            番卒藤内  松 緑
            番卒太郎  翫 雀
            平井保昌  梅 玉

 源頼光の病床に、智籌と名乗る僧がやってきます。出自と修行の様子を聞いた頼光が祈祷を頼むと、しだいに智籌の影は妖しい姿に変わります。僧とは偽りで、都を守護する頼光を討ち、日本を魔界に変ようと企む土蜘の精だったのです。


第三 助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
   三浦屋格子先の場

           花川戸助六  仁左衛門
           三浦屋揚巻  玉三郎
        くわんぺら門兵衛  左團次
            通人里暁  翫 雀
          福山のかつぎ  松 緑
           三浦屋白玉  菊之助
            朝顔仙平  愛之助
        三浦屋傾城八重衣  吉 弥
            同 浮橋  宗之助
            同 愛染  亀 鶴
           遣手おたつ  竹三郎
           若衆艶之丞  團 蔵
             母満江  東 蔵
            髭の意休  我 當
          白酒売新兵衛  藤十郎

 桜が盛りの江戸吉原。三浦屋抱えの傾城揚巻が髭の意休に言い寄られ、間夫の助六と意休とでは比べ物にならないと一蹴するところ、男伊達の花川戸助六が現れ、意休を挑発した上、子分に喧嘩を売ります。その様子を見た兄の白酒売新兵衛が弟を諌めますが、この喧嘩っ早いのはお家の宝刀を探し出す手立てと打明けるのでした......。


第四 石橋(しゃっきょう)

            獅子の精  翫 雀
            獅子の精  愛之助

 この作品は、能の『石橋』を舞踊化した曲で、獅子物と呼ばれるジャンルの一つです。
 文殊菩薩が住む清涼山にかかる自然に出来た橋。人が渡れぬ様子のその橋に、文殊菩薩の使いである獅子が現れ、豪快な舞をみせます。
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市川海老蔵 特別舞踊公演 @大阪松竹座

2009-06-08 | 観る・歌舞伎
  

海老蔵さんの舞踏公演、行ってきました。
新型インフルエンザのおかげで、口上とにらみ付き!
ラッキー♪♪

いつも退屈な「保名」も海老蔵さんだと哀愁ただよって・・・。
「雷船頭」初めて見ましたけど、ユーモラスで楽しい。あのあと雷さまはどうなるんでしょう?帰れるのかなぁ。
「七つ面」は途絶えていた十八番を復活させたいということで、1月の新橋演舞場に続いての公演だそうですが、面の早変わりの繰り返しばかりで、もう少し舞台全体を使う舞踏が観たい、ひとつひとつの面の性格分け・踊り分けをきっちり観たいなぁと思うのですが・・・ま、素人の思うこと。

海老蔵さん、素だと私にはちっとも素敵に見えないのですけどヾ(・・ )ォィォィ
舞台の上だとほんとにほれぼれ・・・
にらみは1年間の無病息災(ん?風邪ひかないだったけな)の保障があるそうなので、ありがたく・・・。
また来年もよろしくお願いします!!

舞妓はん、芸妓はんやら、玄人筋のお姐はん方で華やいだ客席どしたえ。

御茶ノ水小川軒のレーズンウィッチが海老蔵さんのメッセージ入りで売っていましたけれど、海老蔵さんのお気に入りなんでしょうか?
美味しくいただきました。


【演目】
一、保名(やすな)
            安倍保名  市川海老蔵


二、雷船頭(かみなりせんどう)
              船頭  市川海老蔵


三、口上(こうじょう)
  市川海老蔵「にらみ」相勤め申し候


四、歌舞伎十八番の内 七つ面(ななつめん)
         元興寺赤右衛門  市川海老蔵
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吉例顔見世興行 @京都南座 夜の部

2008-12-15 | 観る・歌舞伎
南座顔見世 夜の部に行ってきました。
源氏物語1000年記念ということで、海老蔵さんの光源氏!
これを見逃すわけにはいかない!!
いやあ、もうステキでしたよ~♪
そこに立っているだけで、もうそれだけでほれぼれ~♪
思い起こせば海老蔵襲名披露の顔見世で歌舞伎にはまった私でした。
夜の部は平維茂と光の君でしたが、発声なども変えて。
平維茂の方がすてきに見えたのは、今回光の君の顔を公家っぽく眉毛を高い位置にうすく描いていたせいかもしれません。

あとの方の印象が飛んでしまうのですけれどヾ(・・ )ォィォィ
吉右衛門さん、人が合うというか、大石蔵之助!ですよねぇ。
錦之助さん、磯貝十郎左衛門という美味しい(?)お役で、襲名披露などで拝見したときよりのびのび演られている感じでいい印象を持ちました。
吉弥さん、好きです。
扇雀さん、実は内心危ぶんでいたんですけれど、夕顔のはかなげな感じをよく出しておきれいでした。おすべらかしはえらの張りを目だたなくさせていいかもしれません。
仁左衛門さん、夜の部はご馳走の山神だけで残念でしたが、さすが軽い身のこなし。
愛之助さんも夜は出番がなく、今年昼の部を鑑賞する予定はないのですが、まあ大阪で1月2月拝見できるのでいいとしましょう。

海老蔵さんにうっとりした顔見世を堪能して・・・いいお正月を迎えられそうです(はあと)




【演目・配役・見どころ】~歌舞伎美人より~
第一 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
   土佐将監閑居の場
             おとく  藤十郎
          狩野雅楽之助  扇 雀
          土佐修理之助  亀 鶴
           将監北の方  吉 弥
            土佐将監  竹三郎
            浮世又平  翫 雀

 吃音の又平とおしゃべりなおとくとの夫婦愛をつづります。又平が石の手水鉢に描いた自画像が奇跡を生み、「かか、抜けた」という名ゼリフは有名。おとくの鼓に合わせて、又平が大頭の舞を舞うところも大きなみどころです。
 藤十郎のおとく、翫雀の又平、狩野雅楽之助に扇雀という好配役でご覧いただきます。


第ニ 元禄忠臣蔵
   大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)
           大石内蔵助  吉右衛門
             おみの  芝 雀
         磯貝十郎左衛門  錦之助
            細川内記  種太郎
            久永内記  桂 三
          荒木十左衛門  歌 昇
          堀内伝右衛門  歌 六

 吉良上野介の屋敷へ討入り後、大石内蔵助をはじめとする17人の赤穂浪士の切腹当日の出来事を描いた物語で、「元禄忠臣蔵」の最終篇。浪士・磯貝十郎左衛門と許嫁おみのの秘められた恋物語が美しい色どりを添えています。
 父・白鸚から受継ぎ、自身の当たり役である吉右衛門の大石内蔵助をはじめ、歌六の堀内伝右衛門、芝雀のおみの、荒木十左衛門に歌昇、磯貝十郎左衛門に錦之助と充実した顔合わせでお楽しみいただきます。


第三 信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)
              鬼女  玉三郎
             平維茂  海老蔵
              鬼女  門之助
               同  吉 弥
               同  笑 也
               同  笑三郎
               同  春 猿
              山神  仁左衛門

 信濃の戸隠山を通りかかった平維茂を紅葉狩りに誘う、美しい上臈と侍女たち。酒に酔ってまどろむ維茂のもとに、山神が訪れ、危難を告げて、直ちに逃げるように促します。間もなく鬼女に豹変した上臈と侍女一行が現れ、維茂に襲いかかります--。
 玉三郎の鬼女、海老蔵の平維茂、そして仁左衛門の山神と華やかな一幕です。


第四 源氏物語千年記念 源氏物語(げんじものがたり)
    夕顔
    五條
    夕顔の屋敷
    池のほとり

             光の君  海老蔵
              夕顔  扇 雀
              惟光  猿 弥
           六條御息所  玉三郎

 源氏物語が誕生して千年を迎える記念の年に、夕顔を題材とした、情趣溢れる舞台をご覧いただきます。
 光の君に海老蔵、夕顔に扇雀、そして六條御息所には玉三郎と、期待の配役で上演いたします。


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七月大歌舞伎 @大阪松竹座 夜の部

2008-07-19 | 観る・歌舞伎
夜の部に行ってきました。
土曜だからか、夜だからか、お若い方&お着物の中年女性が多い!

《熊谷陣屋》初見
松嶋屋+山城屋の座組。
寺子屋同様主筋のお子の身代わりに我が子を差し出す・・・ありえない設定でも、相模の秀太郎さんが良くて、涙を誘う・・・。
山城屋の義経、若々しくてびっくりなんですけど、お衣装の色と体型で、まるで桃太郎のお人形・・・失笑を誘う・・・。

《黒手組曲輪達引》もちろん初見。なんと言っても元の助六も生で観たことがない(・・;)
こちらは菊五郎劇団。
若い方たちはがんばってらしてよかったんですけど・・・権九郎と助六の二役に菊五郎さん、文左衛門に田之助さん、鳥居新左衛門に左團次さん、揚巻に魁春さん・・・暑さのせいでお疲れもあるのでしょうけどねぇ。
トラッキーとカーネルサンダースを出したのは完全にすべってましたし、権九郎はアホの坂田でした。
(見たことのない)助六が関西で人気がないのがわかったような気がします。
ストーリーがあらすじ通りで、なんのふくらみもないんですね。
だったら役者の花だけで見せてもらった方がいいように思います。
海老蔵さんの助六に、菊之助さんの揚巻で決まりです(勝手に!!(笑))

《羽衣》初見
天女が天に昇っていくのはどう見せるのだろうと思ったら、なるほど!
菊之助さんがきれいと言いたいところですけど、少々お疲れかな。
昼の部を見たのが5日前ですけど、真夏日&熱帯夜が続いているせいか、さすがの美貌も踊りもちょっと陰りが・・・。
松緑さん、久しぶりに見ましたが、この方が出ると途端に大衆演劇になってしまうというか~(大衆演劇の方に怒られそうですけど。見たこともないのに。)

《団子売》
孝太郎さんがいいですねぇ。
市井のおかみさん役か踊りのとき、いいと思うことが多いんですけど、これは両方を兼ねている! 実に楽しそうに自信たっぷりに踊られて、見ているこちらも楽しくなる! こんな団子売のおかみさんが色っぽいんです。面白い方です。
一方の愛之助さん、言われたとおりにきちんとなさっているんでしょうけれど、手の先、足の先、目線の先・・・それぞれに表情が乏しい、自分の物になっていない・・・これは踊りだけじゃなく、すべてに思うことですが。


【演目・配役・見どころ】~歌舞伎美人より~
一、一谷嫩軍記
  熊谷陣屋(くまがいじんや)
            熊谷直実  仁左衛門
   白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清  我 當
             藤の方  孝太郎
             堤軍次  愛之助
              相模  秀太郎
             源義経  藤十郎

 熊谷次郎直実の陣屋に、初陣の我が子小次郎を案じた直実の妻・相模が、続いて平敦盛の母・藤の方が現れます。戻ってきた熊谷は敦盛を討った様子を語って聞かせますが、首実検の場に供されたのは熊谷の息子小次郎の首。実は陣屋の桜の木の制札には「一枝を折れば一指を切るべし」と記されており、そこに託された義経の意を汲んだ熊谷は我が子を犠牲にして後白河院の落胤である敦盛を助けたのでした。救われた敦盛が無事落ち延びたことを見届けた熊谷はあらかじめ用意の僧形となり小次郎の菩提を弔うため旅に出るのでした。
 平家物語に名高い敦盛の最期を題材に意外な真相が描かれます。武将にふさわしい大きさ、剛毅さと共に戦乱の世の無常を感じさせる熊谷に仁左衛門、義経に藤十郎、弥陀六に我當、相模に秀太郎という顔合わせでご覧頂きます。


二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)
  浄瑠璃「忍岡恋曲者」

     花川戸助六/番頭権九郎  菊五郎
           三浦屋揚巻  魁 春
            牛若伝次  松 緑
            新造白玉  菊之助
            朝顔仙平  亀三郎
         三浦屋女房お仲  家 橘
           俳諧師東栄  團 蔵
          鳥居新左衛門  左團次
        紀伊国屋文左衛門  田之助

 「黒手組曲輪達引」は河竹黙阿弥が世話の助六として四世小團次の為に書き下ろした作品と伝えられています。従って至る所に助六のパロディが散りばめられた世話狂言となっています。
 三浦屋の新造白玉は、間夫の牛若伝次と図って自分に入れあげている番頭の権九郎をだまして廓を抜け出し、あげくに権九郎は池に突き落とされてしまいます。一方新吉原仲之町では鳥居新左衛門の門弟たちが白酒売りの親父新兵衛をなぶり、商売ものを駄目にしてしまいます。それを救ったのは花川戸の助六。新兵衛はこの助六の馴染の花魁揚巻の父と知れます。実は助六は父の敵を探して吉原で武士と見ると喧嘩を吹っかけ刀を抜かせていたのでした。新兵衛から敵の手がかりも得た助六に影から助六を援助する紀伊国屋文左衛門は短気を起こさぬよう戒めるのでした。
 権九郎と助六の二役に菊五郎、文左衛門に田之助、鳥居新左衛門に左團次、揚巻に魁春の配役で趣向に富んだ三幕をお楽しみ下さい。


三、上 羽衣(はごろも)
              天女  菊之助
              伯竜  松 緑
 浜辺にやってきた漁師伯竜は、松の枝に美しい羽衣が掛かっているのを見つけ持ち帰ろうとします。そこへ天女が現れ、その羽衣を返して欲しいと頼むのでした。
 「羽衣伝説」をもとにした舞踊で、天女を菊之助、漁師伯竜を松緑が幻想的に踊ります。

  下 団子売(だんごうり)
              お臼  孝太郎
              杵造  愛之助
 屋台を担いでやってきた団子売のお臼と杵造という夫婦が、評判の団子を作っていく様子を面白く賑やかに踊る人気舞踊です。
 女房お臼の孝太郎と、杵造の愛之助が息の合った踊りをみせます。
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七月大歌舞伎 @大阪松竹座 昼の部

2008-07-15 | 観る・歌舞伎
今月の松竹座は珍しい演目が多くて非常に楽しみです。
役者さんも藤十郎さん、菊五郎さん、仁左衛門さん、左團次さん・・・大好きな菊之助さん・・・と豪華メンバー!


《春調娘七種》
初見。
菊之助さん、ほれぼれするほどきれい。客席もざわざわ。ここは大阪ですもん、みんな正直。


《木村長門守》
家康・左團次さんの狸親父ぶりがさすが。
木村長門守、さっそうとした若侍のはず。年齢から言って我當さんではきつい・・・進之介にまわせたらとは思いますけど・・・ムリですよね。


《先代萩》
半通しということで、ままたきはなし。あれも私的には面白かったんですけど、確かに間延びします

仁左衛門さんは八汐と禅正の二役で、仁左衛門さんの悪役は初めて見たのだと気付きましたが、どちらも(特に八汐の)憎たらしいこと!ほんとうに上手い方です。 
藤十郎さんの政岡は、浄瑠璃の演出。心なしかお孫さんが出ていらっしゃらない方が落ち着いてされているような・・・こちらがそう思うせいか・・・。もちろん貫禄のできです。
千松の子役さんが、もういじらしくて、かわいそうで、みんな思わず拍手!
「花水橋」「対決・刃傷」の場は初見。
「花水橋」、だんまり風で、また菊之助さんがきれい(それしかないのか?)
あれが問題の伽羅の下駄かと納得。そういう意味でこれを入れたのは正解でしたね。一度見れば十分なのかもしれませんが。
「対決・刃傷」ちゃんと勧善懲悪になるのだと得心がいきました。
菊五郎さんがすてき!おいしいお役ですね。
ここでも外記役の左團次さんが光ります。

めでたしめでたしで、気持ちよく帰途につくことができました。これって大切なことかもしれません。


夜の部は後日見に行きます。
非常に楽しみな演出があるそうです。
菊之助さんの天女もきれいでしょうねぇ(はあと)


【演目・配役・見どころ】~歌舞伎美人より~
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
          曽我五郎時致  松 緑
          曽我十郎祐成  菊之助
             静御前  孝太郎

 明和四年(一七六七)正月に江戸中村座で上演された『初商大見世曽我』という曽我狂言の舞踊として初演されました。
 正月の七草粥の準備の為、春の七種を擂粉木(ぎこすり)や包丁で叩く行事を取り入れためでたい舞踊劇で、今回は曽我五郎を松緑、曽我十郎を菊之助、静御前を孝太郎が勤めます。


二、片岡十二集の内 木村長門守(きむらながとのかみ)
  血判取

           木村長門守  我 當
           郡主馬之助  進之介
            井伊兵部  亀三郎
           成瀬隼人正  亀 寿
           榊原越中守  松 也
            本多忠友  家 橘
          酒井左衛門尉  團 蔵
            徳川家康  左團次

 大坂冬の陣、勅命により豊臣家と徳川家の和睦が結ばれました。秀頼の名代として家康の本陣へ和睦の神文を受け取りに行くことになった木村長門守は、いささかも臆することなく家康の血判を取り、見事大役を果たしたのでした。
 “片岡十二集”の内の一つで、華やかな若武者の木村長門守の我當と、老獪な徳川家康の左團次とのやりとりが楽しみな一幕です。



三、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)

  花水橋
            足利頼兼  菊之助
            絹川谷蔵  愛之助

  御殿
            乳人政岡  藤十郎
             栄御前  秀太郎
              松島  孝太郎
             沖の井  魁 春
           弾正妹八汐  仁左衛門

  床下
            仁木弾正  仁左衛門
          荒獅子男之助  松 緑

  対決・刃傷
            細川勝元  菊五郎
         渡辺外記左衛門  左團次
            渡辺民部  愛之助
            笹野才蔵  松 也
           山中鹿之助  亀 寿
            山名宗全  團 蔵
            仁木弾正  仁左衛門

 伊達騒動に材をとった代表的な作品で、関西では「花水橋」「対決」「刃傷」の場は久々の上演となります。
「花水橋」
 足利家の当主足利頼兼は花水橋を通りかかるところ、暗殺者に襲われますが、お抱えの相撲取り絹川谷蔵が駆けつけ難を逃れます。
「御殿」
 乳人政岡が、頼兼の嫡子・鶴千代を毒殺から守る為、自ら食事の用意をしているところへ、お家横領の黒幕、山名宗全の奥方・栄御前が来訪し、鶴千代に見舞いの菓子を勧めます。政岡の子千松が菓子を口にし苦しみ出すと、八汐は千松を刺し殺してしまいます。我が子を殺されても動じない政岡を見た栄御前は、政岡が千松と鶴千代を入れ替えたと思い込み、謀反の連判状を渡します。政岡がひとりになり悲しみに嘆いているところに斬りかかってきた八汐を仕留めますが、連判状は鼠に持ち去られます。
「床下」
 床下に逃げ込む鼠を、荒獅子男之助が一旦は取り押さえますが、逃げられてしまいます。この鼠は、仁木弾正が妖術で化けたもので、やがて正体を現し不敵に去っていきます。
「対決・刃傷」
 渡辺外記左衛門らと仁木弾正らの足利家のお家騒動は、幕府の問註所で裁かれることとなります。立ち会いの山名宗全が弾正方の勝訴の裁決を下そうとした時、細川勝元が現れ裁決を覆し外記左衛門方の勝訴となったのでした。観念した弾正は、最後の抵抗と外記左衛門に刃傷に及びますが、ついには討ち取られ、足利家は安泰となります。
 政岡を藤十郎、細川勝元を菊五郎、八汐・仁木弾正を仁左衛門と豪華な配役の舞台をご堪能下さい。



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