
今を去ること13年前、2007年(平成19年)に四国に初上陸、特急列車で周遊した。その時に乗車した特急「南風」が右に左に大きく車体を傾斜する事に驚愕した。
好奇心がその理由を探求させる。振り子式車体傾斜装置を装着し曲線を高速で走行する事を知った。単車が曲線を通過する時と同様に遠心力を相殺する為に車体を傾ける。
車体の曲線状レールを台車の鉄輪が遠心力で回転し右に左に移動する。公園のブランコが特急列車に応用されるとは、大人は何時までも童心を忘れてはならない。素晴らしい発想だ。
そんな想いが高じて、振り子列車の宝庫の北海道列車周遊旅を思い立ったのである。FURIKO281と283、TILT261が存在し、TILTはボルスタレス台車の空気ばねの圧力を調整し車体を傾斜させるシステムであるが、構造が簡単で整備が楽なので現在では主力の傾斜装置でFURIKOは衰退傾向にある。
釧路から南千歳までキハ283特急「おおぞら」でカーブの高速走行を堪能し、南千歳から函館まではキハ261特急「北斗」だった。
JR四国の新型2700系、山陰本線キハ187系、中央西線385系、JR九州783系ソニック、785系白いカモメ、貴重な振り子式特急乗車がコロナ禍通過後の鉄道旅のテーマになるのだろう。
道の駅探訪の途上、木曽谷の奈良井宿を訪ねた際に踏み切りで列車通過を待っていると383系特急「しなの」が曲線を最大傾斜させ通過した写真を偶然撮影した。これも神仏の加護の賜物で、念ずれば花開く様である。