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風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

青春18切符の貧乏旅行 

2006年11月22日 09時02分34秒 | 随想

青春18切符というJRの格安切符があった。5回券で¥11,500なので、1回は¥2,300である。0時から24時の終日、乗り降り自由で、快速列車まで乗り放題である。昔の貧乏学生の見聞を広げる旅を奨励する為に、設定されたのだろう。しかし今の学生は、裕福であるから、特急とか飛行機やバス、ほとんどは自動車で旅行をして、この切符を利用する人は、少ないと思う。むしろ時間のある高齢の年金受給者が利用している。熟年還暦切符と成ってしまった。学生用なので、発売期間は春休み・夏休み・冬休みの間だけである。

この切符を利用して、夫婦旅行をしたことがある。目的地は水戸偕楽園の観梅旅行である。岡崎駅0時24分発の「ムーンライトながら」夜行快速で、東京着は4時42分である。山手線で上野駅に行き、常磐線のローカル電車を乗り継いで、8時前には水戸駅に到着した。駅の喫茶店で、通勤客と一緒の朝食である。寒梅を観て回り、写真を撮影した。水戸の町に戻り、昼食を食べようと思うが、早過ぎて店が開いていない。町を彷徨して時間を潰し、11時の開店と同時に入店して、水戸納豆定食を食べた。東京の街を観光しようと思い、普通電車に乗った。2時間程で到着したが、疲労が激しいので駅構内を散策して、岡崎方面の普通電車に乗車した。直通電車が無いので、数回乗り換え、6時間程度掛けて岡崎駅に到着した。電車には16時間乗っていたことになる。水戸に居たのは4時間。疲労困憊で、女房は2度と貧乏旅行には付き合わないと言う。普通運賃の岡崎・水戸間は¥7,140であるから、往復二人分は¥28,560で差額は¥23,960である。途中の景観を観察できる十分な時間が有ったので、経路を連続して知ることは出来た。富士山は長時間眺めることが出来た。点の旅行全盛の昨今、線の旅行が見直されてよいと思う。

残り3回は、一人旅で使った。1回目は落合川駅で降車して、馬籠宿に行き妻籠宿経由で南木曽駅まで歩いた。差額¥1,800である。2回目は奈良井宿で、差額は¥4,220である。3回目は比叡山延暦寺に参拝して、差額は¥4,220である。偶然であるが、奈良井駅と比叡山坂本駅は運賃が同額である。トータルの差額は¥34,200である。

34,200円儲けたのかといえば、そんな事実はない。11,500円で4箇所に旅が出来たという思い出が残っただけの話である。高いのか安いのか、楽しいのか、貧乏旅なのか、その価値判断は、本人が決めればよいことである。


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