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第一詩集『昔のままの本棚』一人想いから 3

2009-11-16 18:12:43 | Weblog
面 影


僕の眼はもっと聡い筈でした
僕の耳はもっと豊かな筈でした
でも今は 病んでいます
僕の眼は まだ記憶していないのです
貴女の面影を 自由に
笑顔にしたり
心配そうな顔付きにさせたり
喜びに放心しているようにしたりできる程に

僕の耳もまだ 貯えていないのです
心の中で貴女をおしゃべりにさせて
貴女の心根そのままの声が
僕の中でいつまでもこだまする程に
そしていろんなあなたの仕種の癖なども
いいえ もっともっと
僕の知らない
貴女の思い出の中の出来事まで
全部 僕のものにしたいのです

まだ諦めたくありません
僕の一人想いですが
貴女のことをよく知らないままで
何も知らないままで


 もう一人の世界


一人想いは一人占いに似て
恋を恋する
わがまま
誰も傷めず
どんな世界もはばからない
無敵の自由
まして自分を傷付けることはない
失恋知らず
さらにもっと保護作用が付いていて
一人想いするのは
もう一人の私

ただ どんどんと距離が開いて
二人の空間に道などはない
だから迷うはずもないはずが
私はどっちの私なのか
私の居場所はなくなり
私は私に帰れない

一人想いは
もしかして生きたかもしれない
ほんとうは生きたかった
生きることへの夢
迷い込めば 二人の私の
死に至る病


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