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第二詩集「風に恋して」 窓 より 4 (完)

2009-11-13 08:59:12 | Weblog
 校 舎


三階の窓に広がっている
青い海と白い帆
キラリと光るあの頃の瞳

二階の窓には
ゆれるように
緑の涙がたまっている

一階の窓からは
なつかしい声がいっせいに
弾けてくる

校舎よ
姿は変わっても
おまえの窓だけは
幼い心そのままだ

もう少ししたら
終業の鐘が窓をこわすだろう
一番に飛び出してくるのは
きっとあの頃の僕


 だから私は窓を詩う


窓は哲学者だろうか それとも
詩人だろうか
存在としてだけの世界が
窓によって
果てしない物語りになる

窓はリアリストだろうか あるいは
空想家だろうか
広がりにすぎない空間に
「内」と「外」とが創成される
そして訪れとめぐりあいが約束されるのだ

おまえ自身は内だろうか それとも
外だろうか
人間が人間の身体に属しながら
なおも 胸に抱くものに
はるかに
帰属して居るように

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