
齢を重ねるとは、家族とは、人間の尊厳と言われているものが、なんと軽く吹き飛んでしまうものなのかと、下の世話の現実など、時々、読み飛ばしたくなる光景が目の前に拡がり、どうしても自分に重ねてしまい途中で読むのを止めようかとも考えた。小池真理子さんの実の父が作った短歌がぐっときますが、自分が沈黙のひとになった時に自分の家族に何を求めるのか、求めないといいながら世話にならざるを得ない状況に陥った時にどうなるものか、未来のその時の状況など分かる訳はなく、
下手の考え休むに似たりではあるが、老いをきっかけにした将来におこるだろう様々な出来事に思いを馳せてしまう読後感です。