東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界」展(Bunkamura)

2010年07月25日 | 展覧会(西洋美術)

ブリューゲルは大好きな画家。

日本で過去にその版画展が開催されたのは、
1972年:ペーテル・ブリューゲル版画展(神奈川県立近代美術館他)
1989年:ピーテル・ブリューゲル全版画展(ブリヂストン美術館他)
の2回とのことなので、実に21年ぶり3回目になります。

版画は間近で見ないと興味が半減(四分の三減、いやそれ以上の減)します。
しかも、ブリューゲル。細かいモティーフがてんこ盛り。
1点あたりの鑑賞時間が長くなるのは必至。

会期2日目の日曜、18時前の入場。
そこは版画、その時間帯でも、1本ではありますが、展示に沿って隙間のない列ができています。
それに並び順番に見ていきました。

特に第2章、第4章あたりは、ブリューゲルらしい細かいモティーフてんこ盛り作品の連発。
もっと留まりたいと思いますが、列の事情もあり先に進みます。
閉館まで1時間ちょっとの鑑賞時間で、なんとか最初から最後までひととおり見ることができたという程度で終了。

今度はじっくりモティーフを楽しみたい。
が、よほど日・時間帯を選ばないと、また消化不良に終わりかねない。
訪問回数で勝負する余裕もないし。図録を購入しそれを眺めることで満足するか。
悩ましいところです。


話が変わって、ブリューゲルの油彩作品。
現存数も少なく、所蔵する美術館も至宝扱い・門外不出となっていることが多いといいます。
来日する機会も限られてしまいます。

過去の来日作品は、森洋子氏の著作を参考に確認すると、次の4点。

1990年 「干草の収穫」(当時プラハ国立美術館)
 ・国立西洋美術館「ブリューゲルとネーデルランド風景画展」
1993年 「バベルの塔」(ロッテルダム、ボイマンス=ヴァン・ブーニンゲン美術館)
 ・セゾン美術館「ボイマンス美術館展」
1995年 「絞首台のうえのかささぎ」(ダルムシュタット、ヘッセン州立美術館)
 ・東武美術館「ブリューゲルの世界展」
2006年 「イカロスの墜落」(ベルギー王立美術館)
 ・国立西洋美術館他 「ベルギー王立美術館展」

わずか4点。

ちなみに私は、1993年以降の3点を見ています。いずれもすばらしかった。

1993年。
展覧会宣伝用ポスターを買い、しばらく部屋に貼っていました。

1995年。
空気の明朗な青さにまず惹かれましたが、それ以外の見どころもてんこ盛り。
本作品ばかりに関心がいき、他作品の記憶は残ってませんでしたが、手元の図録を見ると、旧コペ・コレクションを中心に、他所蔵先の作品も加わって、ブリューゲル一族の作品を一覧する展覧会でした。
ピーテル・ブリューゲル(子)のブリューゲル風作品も多数出品。図版で見ても貴重かつ高レベルの作品。
これらもしっかりと見ておけばよかった。

2006年。
真筆性論争(森洋子氏の著作に詳しい紹介があります)があり、「ピーテル・ブリューゲル(?)」での展示。
保存状態も良くない作品ですが、私は好きです。その色彩と雰囲気。


あと、ブリューゲルの作品はありませんが、ピーテル・ブリューゲル(子)のブリューゲル風作品を含む一族の作品が多数出品された次の展覧会も記憶があります。
2001年「黄金期フランドル絵画の巨匠たち展」(伊勢丹美術館他)
当時は何かと慌ただしくて、形だけ1回行って済ませたのは、残念。


ブリューゲルの油彩作品が次に来日する機会はいつのこととなるでしょうか。



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