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さいえんす? - 東野 圭吾(角川書店)

さいえんす? (角川文庫)
東野 圭吾
角川書店

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平成17年12月25日 初版発行 角川書店

著者は東野圭吾。1958年大阪生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。エンジニアとして自動車メーカーに勤務しながら85年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。

この本は「ダイヤモンドLOOP」「本の旅人」に連載したエッセイを集めたもの。

先日北京オリンピックが閉会したが「本の旅人」2004年10月号に掲載した「北京五輪を予想してみよう」で日本の金メダル数を予想している。著者がこの文章を書いた時点ではアテネオリンピックが終了したばかりで興奮冷めやらぬ状態。アテネの日本選手は大活躍で金メダル16、銀メダル9、銅メダル12を獲得していた。で、北京オリンピックの金メダル予想であるが8となっている。

内訳は

男女柔道 3
女子レスリング 2
陸上 1
野球 1
水泳 1

だ。いい線ですね。

「本の旅人」2004年12月号に掲載した「ひとつの提案」では野球について言及している。この年から日本のプロ野球のパリーグでプレーオフが採用され西部が1位になり、その後の日本シリーズで中日を下し日本一になった。西部はリーグでは2位で1位はダイエーだった。西部はロッテと死闘を繰り広げた結果の2位でプレーオフが無ければリーグ戦を征したダイエーが楽々1位だったわけだ。西部がプレーオフで勝ってしまったのは番狂わせともいえる。ここで著者は一発勝負の大事さを解く。確かに長いリーグ戦を征したものが真の実力があるのかもしれないが、これで負けたら明日は無いという必死さがない戦いなんて飽きられてしまう。一発勝負の番狂わせは、だからこそ面白いという。アテネオリンピックでは日本の野球は銅メダルに終わった。金メダル狙いだったから銅メダルは負けであるから、その敗因を著者は指揮官や選手が一発勝負に慣れていなかったからだと言う。であるから日本のプロ野球も一発勝負の舞台を増やすべきだとしている。

さて、北京オリンピックの日本の野球は4位に終わってしまった。どう見てもリーグ戦を戦っているのと同じ星野采配と、なんでこんなところでミスるかなという選手の凡ミスの結果だ。凡ミスをした選手がリーグ戦に復帰したとたん活躍しているのを見ていると、なんて内弁慶な・・・と呆れてしまう。東野圭吾氏の言うことは私はものすごく説得力があると思っている。


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【2010/2/5 追記】

この本には何故、本屋が潰れていくのかという話が書かれている。理由は万引きだそうだ。売れなければ返品できるが、盗まれたものは返品できない。

小説の話もあった。日本の小説出版の構造は一部のベストセラー作家がそのその他大勢の作家を食べさせるという構造になっているらしい。
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