投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

平成な感じって何?

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「素敵なダイナマイトスキャンダル」という映画がある。柄本佑主演で末井昭の自伝を映画化した作品。末井昭は雑誌「写真時代」を出した人物。「写真時代」は昭和の末期のエネルギッシュなはちゃめちゃな時代を代表する雑誌だった。その映画に柄本佑の妻役で前田敦子が出てくる。前田敦子が好演していて、昭和の雰囲気を良く出している。言葉使い、身のこなし、ああ昭和の末期はこんな感じだったと思わせる。演じるというより素のままなのかもしれない。東京物語に出てきても通用する雰囲気だというと大袈裟か。

前田敦子は昭和の雰囲気を出していたのはわかるのだが、常々思っている事だが平成な感じという例えは分からない。平成な感じという例えがあるとすればだが。年号はきっぱりと別れるが時代の区切りはそうはいかない。

娘が晩飯の時に最近テレビに阿川佐和子をよく見る、阿川佐和子は昭和っぽいと言っていた。それを黙って聴いていたのだが、頭の中で昭和と平成の違いってどんな感じなのかという思いが巡る。阿川佐和子は昭和の生まれには違いないし前からあの感じだし、ああいうのが昭和なのだろうか。

嫁さんが阿川佐和子は昭和の生まれだからと返すと、タモリは違うと娘が言う。ますます分からなくなる。今のタモリは枯れている。昭和の時代のタモリは今とは別物だ。タモリの昭和は下積み時代、今よりエネルギッシュで野暮で荒い。今テレビで出てくる若手芸人などおよびもつかないほどエネルギッシュだった。今は登りつめた後の姿。枯れた今のタモリは平成な感じで通用しているわけか。じゃあ阿川佐和子はエネルギッシュに見えているのか。

阿川佐和子はその出自からもともと登りつめていた。阿川佐和子は喋り方もその内容も外見もおばさんぽくなり下世話な雰囲気を醸し出してきて(実は違うけど、、、)明け透けな感じがする。タモリの方は趣味に生きる好々爺としてきて随分文化人扱いをされているかなと感じる。本当は違うのだがタモリはもうあくせくする気もないし、周りもそう扱わない。

昭和と平成の違いは1990年頃を境にした景気動向に影響された文化の違いなのだろうとは思う。1990年以降に生まれ、物心がついた時は不景気の真っ只中。それからずっと続く日本の経済的低空飛行。枯れたというより諦めや我慢の時代が続く時に生まれ育った娘には、明け透けな雰囲気は自分達とは違う時代に映るのかもしれない。昭和の時代は誰もが上を見ながら明け透けだったが平成の時代は個は立つが目立たず雌伏、篭った感じなのだろうか。

次の時代になったらはっきりするのだろう。しばらく待つ。

(2018年7月)
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