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家族ゲーム(目玉焼き) - 映画に出てくる食事の場面(3)

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 1983年の日本映画。本間洋平原作。森田芳光監督作品。

 この年に公開された洋画はE.T、スター・ウォーズ(ジェダイの復讐)、フラッシュダンス、ランボー、愛と青春の旅だち。良いラインナップだ。どれも映画館で観た。邦画はというと南極物語、探偵物語、汚れた英雄、男はつらいよ(花も嵐も)、刑事物語2、ウィーン物語、プロ野球を10倍楽しく見る方法、幻魔大戦、楢山節考、伊賀野カバ丸。これで邦画興行収入TOP10。家族ゲームはこの年のブルーリボン賞を取り宮川一朗太は日本アカデミー賞の新人賞を取る。映画の印象は強いのだが興行収入はイマイチだったようだ。

 この映画の食事の場面は象徴的で有名。冒頭の長いテーブルに家族が一列になって食事をする場面が面白い。向かい合うことのない家族を象徴している。別に父親役の伊丹十三が目玉焼きを食べる場面がある。伊丹十三は半熟の黄身が好きなのだ。これに口をつけてチューチューすする。ある日、目玉焼きの黄身が固焼きになっていた。妻役の由紀さおりに伊丹十三は文句を言うが由紀さおりは夫の嗜好を知らなかったらしい。これも暗示的な場面である。長いテーブルでの食事の風景は映画の終盤でも登場する。家庭教師役の松田優作はこの食卓をめちゃくちゃにして退場する。バラバラだった家族はそれを片付けるという行為で初めて同じ行動をとるのだが・・・。

 私は親や家族とちゃんと向き合って生きてきたのだろうか。はなはだ疑問。主体性のある生き方をしてきたのかも疑問がある。今更だがそういう自分からしてこの映画の内容は観ていて楽しいものではない。あまり好きな部類ではないがその良さは分かる。

(2014年7月)

 

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