投錨備忘録－暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

サザエさん №42 - 長谷川町子(朝日新聞社)

2005年07月25日

長谷川町子　「サザエさん」№42　朝日文庫

サザエさん (42)
長谷川町子
朝日新聞社

このアイテムの詳細を見る

昭和46年1月～6月に朝日新聞に連載。姉妹社刊「サザエさん」を文庫化。

№41ではテーブルに椅子の食卓が登場するが、この№42ではとうとう家を売って郊外へ引っ越そうという話まで出てくる。

P105　ロールスロイス倒産。

P107　四人そろうかな？　で、マスオが参加するが・・・マージャンかと思ったら
　　　室内四重奏チッヘル５６８の演奏会だった。

P111　老人ホームへ息子夫婦が父親を迎えに来る。
　　　旧地主には政府が２円６０銭で返す・・・とあるが意味が分からない。
　　　何がこのときあったんだろう？

P130　波平、舟、サザエがそろって「先々ここを売って郊外に住もうヨ」と相談する。
　　　実現したという話は聞いていない。

◆P107　このネタは石井ひさいちの「バイト君」でもでてくる。
　　　　こっちは「積み木遊びしない？」と誘われて、マージャンと思って行ってみたら
　　　　ほんとに積み木遊びだったという落ち。

◆P111　２円６０銭について調べてみた　

　　　　1971年2月にあったこと

　　　　政府は、農地法施行令の一部改正をこの日の閣議で決めた。
　　　　農地法施行令で国が強制買収した土地で未処分のものを　　
　　　　坪あたり2円60銭で買い戻すことができるというもの。

　　　　格安である。

　　　　ただ旧地主という条件があるため老人ホームへ入れていた
　　　　父親を息子が飛んで迎えに来るわけだ。

2月12日（金）政府は、農地法施行令の一部改正をこの日の閣議で決めた。農地改革の際、国が強制買収したまま未処分となっている農地を旧地主が当時の買い取り価格で買い戻すことができるようにするための改正で、買い戻された土地は公共用途以外にも使用できる。

政令改正は１９６６年にも計画されたが、世論の猛反発で結局頓挫している。今回また持ち出されたのは、愛知県稲沢市の７７アールの国有農地について、旧地主３人の買い戻し訴えを認めた１月２０日の最高裁の判示を受けてのもの。

買い戻し価格は坪当たり２円６０銭で、ことに都市周辺の実勢価格とは桁が５つほども違ってきている。国側は売り戻す場合にも、公共用途にもちいることを指導するが、今回の改正では強制はできなくなった。

１９４６年から５２年にかけて国が地主から買い上げた農地は既墾地約２６１万ヘクタール、未墾地１６５万ヘクタールあったが、このうちの３９３万ヘクタールが自作農地として転売された。だが持ち主がわからなかったり、自作農に売り渡すのが不適当な国有農地が、前年３月３１日現在で既墾地３３３６ヘクタール、未墾地８万２５２２ヘクタール残っていた。

今回の問題でとくに問題となるのは、既婚地のうち３００ヘクタールあると推定される都市地域の国有農地で、都市化の進行で、最近では坪当たり１０万円を超えるところが続出している。農地改革時の買い取り価格で買い戻し、そのまま売れば数万倍の儲けとなるわけだ。ちなみに土地が、本格的に投機の対象になり始めたのが１９７０年代だったのである。