シャンチー(中国象棋)の日本チャンピオンを決定する第44回全日本シャンチー選手権大会(主催:日本シャンチー協会、後援:中国大使館、東京華僑総会、公益社団法人日中友好協会、公益財団法人日中友好会館)は、5月3日・4日、東京・目黒区民センターで開催され、A級はベトナム籍のグエン・チ・チュン選手が初出場で優勝を飾りました。
A級出場者のレイティング上位10名のうち8名が中国・ベトナム出身者、「純国産」選手は所司和晴・井上奈智両選手のみという状況の中で、所司選手の3連覇成るかに注目が集まりました。
大会2日目は第4-7ラウンドが行われました。(初日の模様はこちら)。このうちA級は第7Rが決勝、B級は第6・7Rが準決勝、決勝となっています。(和の場合は暫定上位者を勝者とする規定。)
◎戦況
◆A級
第4R
坂本進が所司を下し、同様にこのラウンドを制したグエン・チ・チュン、服部亜光とともに7ポイントで3人がトップに。所司は6ポイントのまま一歩後退。
第5R
グエンが服部を下し9ポイントで単独トップに立ち、第6Rを待たずに決勝進出が決まる。坂本はこのラウンドを和とし、ただ一人8ポイントで追走、この時点で第6Rが和でも決勝進出が確定する。服部、所司、楊帆は7ポイントで、坂本が第6Rが負けた場合のみ、決勝進出の可能性が残る。
第6R
グエンvs坂本戦が和となり、両者の決勝進出が決まる。坂本は第6Rまでの1・2位で決勝を行う「6+1」方式が採用された2014年以後、4年連続の決勝進出。(過去3度とも決勝で敗退。)所司の3連覇、服部の初優勝は夢と消える。
第7R
グエンvs坂本の決勝戦は、第6Rと紅黒代わって、坂本の紅番。坂本に逆転優勝のチャンスだったが、グエンが制して初出場での優勝を達成。坂本はまたも涙を飲んだ。
◆B級
第4R
B級は出場者が10名のため、第5Rまでの上位4名で準決勝、決勝を行う「5+2」方式。梅沢二郎vs小川比呂士の全勝対決は、梅沢が勝利、第5ラウンドを待たずに準決勝進出を決める。
第5R
梅沢、小川は順調に星を伸ばして、1・2位で準決勝進出。3・4位には熊野和伸、佐久間寛明が滑り込み。
第6R
準決勝は、梅沢2-0佐久間、小川2-0熊野となり、梅沢、小川が決勝進出。
第7R
決勝は小川が梅沢を下して逆転優勝。3位決定戦は熊野が佐久間に勝利。
【入賞者】
A級(17名)
優勝:グエン・チ・チュン(NGYUEN Tri Trung、東京) 2位:坂本進(東京) 3位:岡田蒸(東京) 4位:服部亜光(埼玉) 5位:所司和晴(千葉) 6位:楊帆(東京)
B級(10名)
優勝:小川比呂士(神奈川) 2位:梅沢二郎(埼玉) 3位:熊野和伸(東京) 4位:佐久間寛明(埼玉) 5位:田中幸吉(埼玉) 6位:渡辺騏一郎(東京)
今年の大会は、昨年の出場者に慶弔関係や仕事、受験準備、家族・本人の病気やけがなどの事情が続出し、大幅に出場者数が減る結果となりました。
作家の三木卓は、『ファーブル昆虫記』を著したジャン・アンリ・ファーブルを評して、「ほんとうに能力のある人間は、自分がしたいことのできる場所へ自分を持っていけるものだ」と語っています。
現代日本の企業社会において、シャンチーに打ち込める環境が整っているとは言えませんが、「シャンチーに打ち込める場所へ自分を持っていく」努力を続けることが大切なのではないでしょうか?
今年は日本のシャンチー界に新星が現れました。ベトナムから3年の滞在期間で来日しているグエン・チ・チュン選手(28歳)です。日本選手にとって新しい目標となる選手の出現です。
ベトナムは人口9000万人のうち3000万人がシャンチー人口という、その割合からいえば、中国をもしのぐ「シャンチー大国」です。2010年のアジア個人選手権では、男女とも中国勢を抑えて優勝し、世界をあっと言わせました。
世界のシャンチー界を大相撲で例えるなら、中国が断トツの横綱、ベトナムが断トツの大関、あとは三役以下、日本は三段目くらい?です。
競技が終わった後は、表彰式に続いて恒例の懇親会が行われました。さっきまで相手を倒そうと全力で戦っていた者同士が、お互いの健闘をたたえ合い、勝者は喜びを語り、敗者は来年への決意を新たにするのです。仕事の都合で競技には参加できなかったけれど、時間をやりくりして懇親会の場に駆けつける人もいました。
今年の全日本選手権は終わりました。しかしまた明日から、次の年へ向けての戦いが始まるのです。(実際に明日は、7月に行われる全国選抜トーナメントに向けての練習トーナメントが行われます。丸2日シャンチーをやってもまだ足りないのです!)

A級優勝 グエン選手

A級準優勝 坂本選手

B級優勝 小川選手

B級準優勝 梅沢選手

A級入賞者(中央は小熊理事長)

B級入賞者

優勝の喜びを語るグエン選手
A級出場者のレイティング上位10名のうち8名が中国・ベトナム出身者、「純国産」選手は所司和晴・井上奈智両選手のみという状況の中で、所司選手の3連覇成るかに注目が集まりました。
大会2日目は第4-7ラウンドが行われました。(初日の模様はこちら)。このうちA級は第7Rが決勝、B級は第6・7Rが準決勝、決勝となっています。(和の場合は暫定上位者を勝者とする規定。)
◎戦況
◆A級
第4R
坂本進が所司を下し、同様にこのラウンドを制したグエン・チ・チュン、服部亜光とともに7ポイントで3人がトップに。所司は6ポイントのまま一歩後退。
第5R
グエンが服部を下し9ポイントで単独トップに立ち、第6Rを待たずに決勝進出が決まる。坂本はこのラウンドを和とし、ただ一人8ポイントで追走、この時点で第6Rが和でも決勝進出が確定する。服部、所司、楊帆は7ポイントで、坂本が第6Rが負けた場合のみ、決勝進出の可能性が残る。
第6R
グエンvs坂本戦が和となり、両者の決勝進出が決まる。坂本は第6Rまでの1・2位で決勝を行う「6+1」方式が採用された2014年以後、4年連続の決勝進出。(過去3度とも決勝で敗退。)所司の3連覇、服部の初優勝は夢と消える。
第7R
グエンvs坂本の決勝戦は、第6Rと紅黒代わって、坂本の紅番。坂本に逆転優勝のチャンスだったが、グエンが制して初出場での優勝を達成。坂本はまたも涙を飲んだ。
◆B級
第4R
B級は出場者が10名のため、第5Rまでの上位4名で準決勝、決勝を行う「5+2」方式。梅沢二郎vs小川比呂士の全勝対決は、梅沢が勝利、第5ラウンドを待たずに準決勝進出を決める。
第5R
梅沢、小川は順調に星を伸ばして、1・2位で準決勝進出。3・4位には熊野和伸、佐久間寛明が滑り込み。
第6R
準決勝は、梅沢2-0佐久間、小川2-0熊野となり、梅沢、小川が決勝進出。
第7R
決勝は小川が梅沢を下して逆転優勝。3位決定戦は熊野が佐久間に勝利。
【入賞者】
A級(17名)
優勝:グエン・チ・チュン(NGYUEN Tri Trung、東京) 2位:坂本進(東京) 3位:岡田蒸(東京) 4位:服部亜光(埼玉) 5位:所司和晴(千葉) 6位:楊帆(東京)
B級(10名)
優勝:小川比呂士(神奈川) 2位:梅沢二郎(埼玉) 3位:熊野和伸(東京) 4位:佐久間寛明(埼玉) 5位:田中幸吉(埼玉) 6位:渡辺騏一郎(東京)
今年の大会は、昨年の出場者に慶弔関係や仕事、受験準備、家族・本人の病気やけがなどの事情が続出し、大幅に出場者数が減る結果となりました。
作家の三木卓は、『ファーブル昆虫記』を著したジャン・アンリ・ファーブルを評して、「ほんとうに能力のある人間は、自分がしたいことのできる場所へ自分を持っていけるものだ」と語っています。
現代日本の企業社会において、シャンチーに打ち込める環境が整っているとは言えませんが、「シャンチーに打ち込める場所へ自分を持っていく」努力を続けることが大切なのではないでしょうか?
今年は日本のシャンチー界に新星が現れました。ベトナムから3年の滞在期間で来日しているグエン・チ・チュン選手(28歳)です。日本選手にとって新しい目標となる選手の出現です。
ベトナムは人口9000万人のうち3000万人がシャンチー人口という、その割合からいえば、中国をもしのぐ「シャンチー大国」です。2010年のアジア個人選手権では、男女とも中国勢を抑えて優勝し、世界をあっと言わせました。
世界のシャンチー界を大相撲で例えるなら、中国が断トツの横綱、ベトナムが断トツの大関、あとは三役以下、日本は三段目くらい?です。
競技が終わった後は、表彰式に続いて恒例の懇親会が行われました。さっきまで相手を倒そうと全力で戦っていた者同士が、お互いの健闘をたたえ合い、勝者は喜びを語り、敗者は来年への決意を新たにするのです。仕事の都合で競技には参加できなかったけれど、時間をやりくりして懇親会の場に駆けつける人もいました。
今年の全日本選手権は終わりました。しかしまた明日から、次の年へ向けての戦いが始まるのです。(実際に明日は、7月に行われる全国選抜トーナメントに向けての練習トーナメントが行われます。丸2日シャンチーをやってもまだ足りないのです!)

A級優勝 グエン選手

A級準優勝 坂本選手

B級優勝 小川選手

B級準優勝 梅沢選手

A級入賞者(中央は小熊理事長)

B級入賞者

優勝の喜びを語るグエン選手