KAGURAファン必読の1冊!神楽童子「お神楽初恋巡演記」

かつて「デーリー東北」新聞で掲載され共感を呼んだ幻の書が待望の発刊!
若き神楽師の巡演の旅が今ここに鮮明に蘇る!

百万偏「隠し念仏」

2010年07月19日 | 日記
 紫陽花が美しい季節になりました。只、時折の集中豪雨には参りました。ブログをお読みの皆様雨の被害はありませんでしたか?ブログ発行少し中断しておりました以前お話した息子干城の追善供養と納骨で時間がとれず申し訳ありませんでした。
 岩手軽米の曹洞宗実相寺で「百万遍」俗に隠し念仏ー軽米地方では「念仏」と単に言っております。親族からの要望もあり「隠し念仏」の儀式が復活しました。五木寛之氏「隠し念仏と隠れ念仏」を読んだことがありますが東北地方は隠し念仏、九州地方は隠れ念仏と呼び名が違うそうです。いろんな説がありますが親鸞の浄土真宗に起原を発し仏教版の隠れキリスタンとも言えるでしょうね。徳川幕府管轄の本願寺が密教的要素を嫌い弾圧化したため地下深く代々伝われてきたと思います。
 黒い木箱が運びこまれ中から20m程の大数珠が取りだされ円形に並べました。決して跨いではいけないと注意され数珠をくぐり外側と内側に30人ほど親族が数珠を両手に持ち整しました。大数珠がきたらカウントし小粒の石で数えます。年長者が中央に座り鉦を叩きながら南無阿弥陀仏を唱え皆で唱和しながら右回りに数珠を廻していきます。前半50回まわし休憩し喉を潤します。後半はまた50回廻し最後に鉦の連打で終了です。時間にすれば前半45分後半45分休憩10分都合100分ほど必要でした。古くから伝わる念仏で息子を送ることができ、楽しかったことが浮かび思わず泣いてしまいました。親族の皆様と関係者の皆様本当にありがとうございました。
 さて7月に入り以前申請していた著書「お神楽巡演記」が日本自費出版大賞にノミネートされたと連絡がありました。まだまだ2次審査など関門がありますが僅かな希望をもち、9月末発表をを待ちたいと思います。
 神道国際学会の7・15号神道フォーラムに「お神楽初恋巡演記」掲載されました。私の拙い紹介文を、お読み願います。 

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  『お神楽初恋巡演記』  著者:吉岡義三、発行人:吉岡一男(文)
    民俗芸能を支えた青年たち 父の傘寿を祝って長男が出版

 かつて岩手県の北のまち軽米に「松ノ脇神楽」という郷土芸能がありました。このは、その神楽衆だった著者が、昭和22年と23年の冬に軽米町~旧山形村そして旧大野村~旧種市町を巡った時の思い出を綴ったものです。10年以上まえに地方紙「デーリー東北」に掲載され、多くの人から共感をよび、単行本化が待ち望まれていたのですが、この度、著者の傘寿(80歳)祝いと、民俗芸能を支えた青年たちへのオマージュの念を込めて、長男である私が出版しました。
 著者が祖父に連れられて初めて神楽を見たのは、小学3年生の時。怖いような気がしたものの、あまりにも神楽が面白くて魅せられてしまい、いつかは演ずる側になると決意、高等科2年の時、「松ノ脇神楽」に弟子入りしたのが、お神楽人生の一歩を踏み出すきっかけでした。
 太平洋戦争のため、一時中断を余儀なくされたものの、再び復活したお神楽巡演の旅「松ノ脇神楽」が村の家々を回り、門前で笛や舞などを披露し悪霊退散を祈る門打ちの様子や神楽舞を見物に来た人々の反応などが、仔細に記されています。
村中の老若男女の熱烈な声援を受けながら、著者たちの演技には益々、磨きがかかり、巡演先での古式豊かな神楽宿や郷愁をさそう街々の風情、そして記憶を丁寧に辿った文章からは、当時の情景が追体験できて楽しくなります。
 『初恋巡演記』には船の安全を祈願して舞い、漁師から魚をご馳走されたり、舞を披露して拍手喝さいを浴びたりして、神楽師として生きる喜びが描かれています。さらに宿探しに苦労した話や、巡業の合間に仲間とトランプに興じた話、郷土料理などの御振る舞い、女性たちとの雪合戦など、巡演以外の興味深い逸話が盛り込まれています。そして何よりも、神楽と巡演を歓迎してくれる人たちへの愛情が溢れていて読んでいると温かい気持ちになってきます。
神楽は踊る者も楽しみ、神様も楽しみ、見る人も楽しむものですが、神楽を内側から素直に書いた本は余り存在しません。神楽の歴史とか学術的に書いた本は数多くありますが、当事者が書いた本は今まで皆無でした。本書に対し「神楽師の日常」や当時の「風俗と暮し」がよく分かると民俗学者から多くの感想が寄せられてきました。
 今回、神道フォーラム会報に記事を掲載していただいたことにより、本書『お神楽初恋巡演記』が皆様に一読され、失われつつある「日本人の心」と忘れがちな「家族の絆」づくりの一環になれば、まことに幸いです。    神楽童子(吉岡一男)拝

   B5版116頁。952円。
  注文はツーワンライフ出版 (紫波郡矢巾町高田第八地割141、電話019‐698‐2333)

著者:吉岡義三=昭和4年岩手県軽米町生まれ。15歳で神楽師を志す。永年に渡り、月山
   神社と八坂神社の氏子を巡演する。「沢田神楽の歴史」と「軽米むかし話」を語れ
   る数少ない人物。
発行人・吉岡一男=昭和30年岩手県軽米町生まれ。古民家再生プランナーであり、神楽
    大宿巡りをライフワークとする建築家。


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2 コメント

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隠し念仏 (シンラン)
2010-07-19 22:51:31
今でも隠し念仏あるんですね?昔テレビ番組で見た気がします。死者を弔う行事・親族一同で合唱!息子さんも喜んでいるとおもいます。仏神両面でご活躍祈ってます。
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採算 (かくしの子孫)
2012-10-14 10:06:49
真宗のお寺は採算の悪い所には建ちません
曹洞宗は独身制なので僻地伝道ができます
寺請制度で檀家になり法事をお願いすればなにも言わなかったのでは
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