1974年、小田和正・鈴木康博のオフコースは地道に活動をしている中、同年の5月5日にセカンド・アルバム「この道をゆけば/オフ・コース・ラウンド2」がリリースされる。
音楽活動一筋に決めた鈴木に対し、大学院に進学し、音楽活動に専念するか、それとも建築学への道を取るかまだ迷いのあった小田は、学業と並行しながら音楽活動を続けていた。
その影響か、当アルバムはどちらかというと鈴木色の強いアルバムとなっている。
この中に、「のがすなチャンスを」が収録された。
アップテンポでファンキーなストリングスやパーカッションを配したリズミカルな曲で、鈴木の洋楽への関心の高さが色濃く反映された曲となっている。
鈴木は後に「いつも詞と曲は別々に出来るけど、一応長い音楽活動の中でたった一曲、この曲だけ詞・曲同時に出来た」と語っている。
歌詞は、友達や恋人の大切さを歌ったいわゆるメッセージ・ソングである。
この曲は、当アルバムリリース直後に開催されたコンサート「セカンド・コンサート・明日への歩み」(1974年5月17日)にて初めて演奏された。
ライブ映えする曲だからか、その後、オフコースにおけるすべてのツアー・ライブにて演奏され、ライブでの定番曲となり、1982年の鈴木の脱退までのすべてのライブにて演奏された。
その間、ライブにて演奏されるにあたり、何度かアレンジの変遷が行われることとなる。
当アルバムリリース当初のライブでは、アコースティックギターにてアルバムのスタジオ録音の原曲アレンジで演奏された。
1974年10月26日に中野サンプラザにて行われたオフコース・リサイタル「秋ゆく街で」の第1回目でも演奏され、この時はサポートバンドにストリングスを配した形で演奏された。
バンド形式で演奏され、こちらもアルバムの原曲通りのアレンジにて演奏された。
むしろ、これまではアコースティックギターのみの演奏だったが、バンド形式で演奏された「秋ゆく街で」の方がよりアルバムの原曲アレンジそのものといってもいいかもしれない。
このライブ音源は、オフコース初のライブ・アルバム「秋ゆく街で~オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート」に収録されている。
翌年の1975年より始まり、その後定期的に行われる実験的なライブ「オフコースの小さな部屋」シリーズを中心としたライブでも演奏された。
1975年の段階のライブでもアコースティックギターのみの原曲アレンジで演奏されていたが、同年の終り頃、もしくは翌年の1976年頃よりエレキギターを取り入れるようになり、次第に洋楽ロックを取り入れたアレンジとなっていく。
そして、1976年のライブあたりから後にオフコースのメンバーとなるドラムス・大間ジロー、ベース・清水仁、ギター&ハーモニカ・松尾一彦が参加するようになり、この曲はよりロックテイストを強めていった。
1977年になると、テンポのいいドラム・ソロから始まり、よりいっそうライブでの盛り上がりを意識したアレンジとなる。
このアレンジは、1978年5月5日リリースのオフコース初のベスト・アルバム「SELECTION 1973-78」に収録されているが、これは1978年2月25日に仙台市民会館にて行われたライブ音源のものが収録された。
そして、1979年のライブからはさらにハードなロック的なアレンジとなり、このアレンジが鈴木脱退の1982年のライブまで続くこととなる。
アメリカのロックバンド・TOTOの「Girl Goodbye」を彷彿としたアレンジは、ライブでの盛り上がりに欠かせない定番曲となった。
中間では大間の激しいドラム・ソロも披露され、ライブでの名物となった。
このハードなアレンジは、1980年5月5日リリースのオフコース2枚目のライブ・アルバム「LIVE」に収録され、同年2月5日の新宿厚生年金会館でのライブ音源が収録された。
「We are」ツアー(1980年11月10日~1981年3月28日)になると、当時の新曲「一億の夜を越えて」とメドレー形式で演奏されるようになり、よりいっそうライブでの盛り上がりを意識した演出となった。
その後、1982年の鈴木在籍時の5人のオフコース最後のツアー「over」でも引き続き「一億の夜を越えて」とのメドレー形式で演奏された。
この演出は、「over」ツアーの千秋楽で、日本武道館10日間連続公演の最終日でもあり、且つ5人のオフコース最後のライブの模様を収録したDVD「1982.6.30」にも収録されている。
鈴木がソロになって以降も、たびたびライブでこの曲が演奏されている。
1996年にリリースされたオフコース時代の自作曲をセルフカバーしたアルバム「BeSide」にてリメイクされた。
「BeSide」のリメイク版は、テンポを若干落として、ソウル風のアレンジとなっている。
その後の鈴木のソロライブでもたびたび演奏され、近年はアコースティックギタースタイルのソロライブでは、2人時代のオフコースのライブにて演奏されていた最初のアコースティックヴァージョンで、バンド形式のライブでは5人のオフコースのハードなロック・ヴァージョンで演奏されている。
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オフコース 「この道をゆけば/オフ・コース・ラウンド2」 |
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オフコース 「秋ゆく街で~オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート」 |
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オフコース 「SELECTION 1973-78」 |
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オフコース 「LIVE」 |
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オフコース 1982.6.30武道館コンサート[Blu-ray] |
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鈴木康博 「BeSide」 |
でわでわ👋
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