合気道 楽心館 中野道場 熟年ばんざい!

中野体育館は中高年シャンゼリゼ、合気道で熟年ばんざい!

23  日々のお経は・・「等速直線運動」

2012-11-20 11:34:58 | 中高年の楽しい合気道中野道場
23  日々のお経は・・「等速直線運動」



先生の剣の打ち込みを、横から見ていると・・

な~んだ。

ごく、ゆっくり振っておられる。



だが、自分が前から受けると・・なぜか、よけられない。



出どころはどこか・・身を瞠っているのだが、

気づいた時は、もうよけられない点まで剣がきている。



一挙動、等速直線運動だから・・と先生。



プロ野球、先のポストシーズンで、

中日の47歳投手、山本昌の投球術に

飲み屋のおじさん連中が盛り上がった。

最高速度130キロ前後と高校野球選手以下の

緩い球であるが、これが打てない。

球種とコース、球の出どころの組み合わせなのだが、

ことごとく相手に読ませない。

160キロの剛速球でも打ち返すプロたちが

バタバタと凡打の山を築く。

信号が読めない130キロは160キロの剛速球に勝る。

絶対速度はさほど関係ない。

勝負は相対速度で決まる。

0.01秒でも信号を読むのが遅ければ、

時速160キロの球と変わらない。

それがコースをついてくるのだから、

そうそう打てないわけだ。



(絶対スピード信仰)が揺らぐのが、おじさんたちには面白い。



稽古で、

(等速直線運動、等速直線運動、一挙動一挙動・・)と心の中で

経を読むように唱えるが・・

ああ、またしても(加速曲線運動、一、二)になってしまった。



頭でわかってるつもりでも、

体がオートマチックに加速する。

力むことで軌道は曲ってしまう。



同様に、手解きで、

手を掴まれた接点で、なかなか力が抜けない。

筋肉が張ってしまう。

表層筋に無意識に力が入る。

信号が相手に伝わり、抵抗を呼ぶ。

・・ああ、また接点がぶつかった。



反射は表層筋に頼ってきた前半生の澱であろう。

自分の内に、絶対スピード信仰とともに、表層筋肉信仰がある。

だから、

稽古の大半が、

従来からの筋肉反射の(書き換え)に費やされる。

身体に覚えさせるほかない。

ここが初級者のハードルです。



力を入れるより、抜く方がはるかに難しい。

加速するより等速が難しい。

世の身体運用の常識と真反対であるからね。

「速くても一、二は一、二。ゆっくりでも一挙動」と先生。



先生から

「酒を飲むのも等速直線運動で」と言われた。

冗談かと思ったが、心掛けてみた。

確かに、気持ち穏やかならぬ時の酒は

呑み方までクイクイ加速する。

会話までとげとげしくなりがちだ。

酒は静かに、いや、等速直線で飲むべかりけり・・か。



妻に文句を言われ、思わず、ムッとする。かっとなる。

これまた感情の反射で力みが入る。

妻の文句にもまた、脱力脱力感謝感謝・・

合気道は、愛気道だったか。



等速直線運動、等速直線運動

南無阿弥陀仏と聴こえてくるのは、気のせいか。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。