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*** june typhoon tokyo ***

BEAT CONNECTION 2010@横浜アリーナ

■ BEAT CONNECTION 2010 1st Day

Beat_connection_2010

 
 ブラックミュージックをリスペクトする日本の最前線アーティストたちがジャンル、世代を超えて集結するイヴェント、“BEAT CONNECTION 2010”の初日の招待券が手に入ったので、急遽横浜アリーナへ行くことに。

 味スタでの“多摩川クラシコ”もあり(結局行けなかったんだが)、第4BLOCKの久保田利伸とKREVAが観られればいいやと思い、17時過ぎに横浜アリーナへ到着。ちょうど、KEN THE 390/COMA-CHI/TARO SOULが終わり、第3BLOCKラストのSOUL POWER ユニット(Skoop On Somebody+村上てつや and THE☆FUNKS)の出番から観賞することとなった。

 THE☆FUNKSはダンス☆マンとゴスペラーズの安岡の“宇宙人”ユニット。この世界観はダンス☆マンのライヴに行ってないと解からないかも。「月刊☆星ガール.net」など2曲を歌うと、Skoop On Somebodyが登場。「sha la la」と足を踏み鳴らすストンプとクラップを誘発しながら「My life」を披露。続いてゴスペラーズの村上てつやを呼び込みメロウなソウル「Nice'n slow」で一気にディープな空間へと色を変える。アイズレー・ブラザーズ「Between the sheets」の後は、THE☆FUNKSを再度呼び込み、ワイルドチェリーの「Play that funky music」とダンス☆マンの同曲の空耳曲「よくある名字「斉藤」」の掛け合いで盛り上げる。彼らは“BEAT CONNECTION”より先輩のソウル・ミュージック・イヴェント“SOUL POWER”の主メンバー。ただ、会場の客層はどちらかというとソウルよりもR&B、ヒップホップに傾倒している若い年代の人が多かったようで、その元ネタ含めてのめり込ませ度は及第点といったところか。

 10分の休憩の後、第4BLOCKのトップバッターはKREVA。さすがの認知度ということで、DJ SHUHOと熊井吾郎を連れて貫禄の登場。まずは「多くのアーティストが集まるこのイヴェントで、このオレのためにわざわざ集まってくれたオレのファン、ありがとう。そして、今までオレを知らなかったこれからオレのファンになるみなさん、こんにちはKREVAです、ヨロシク」と観客をサラッと煽る。
 「かも」で場をホットにすると、「ストロングスタイル」で一気にヒートアップ。「成功」「THE SHOW」「アグレッシ部」「Have a nice day!」とヒット・チューンを繰り出し、最後は新曲で締め。このあたりは、イヴェントとはいえ、単なるヒット曲のみで終わらない、先の展開に興味を持たせる構成で観客を沸かせた。

 ステージはメイン・ステージの“BEAT STAGE”とサブ・ステージの“CONNECTION STAGE”で構成され、アーティストは交互に出演する。KREVAがBEAT STAGEで終えた後、反対側のCONNECTION STAGEからAK-69がダンサーのダンス・イントロに続いて登場。「このステージと向こう(=BEAT STAGE)の差はなんだ?あ?]と自身を奮い立たせながら熱いフロウをかましていく。時折“AK~”と声を掛けるファンに感謝の言葉を発しながら、自身が進むアンダーグラウンド・ヒップホップを精魂込めて繰り広げていく。翌11月22日が同郷愛知県出身のTOKONA-Xの命日ということもあり、胸前で腕をクロスして“X”の字を作らせ追悼したり、ストレスの発散として“中指の立て方”をレクチャーしたりと、大きな会場でも自身のスタイルを失わずに貫き通した。

 次はメイン・ステージでZeebra。KREVA、AK-69と異なり、ターンテーブルではなくバンド編成で、ほとんどMCを入れずにハーコーなヒップホップを展開させ、このジャンルの先駆者としての威厳と貫禄を示した。ICE CUBE「JACKIN' FOR BEATS」のアイディアを拝借し、MICROPHONE PAGER、大神、RHYMESTER、BUDDHA BRAND、LAMP EYE、RAPPAGARIYA、DABOらの曲を引用した「Jackin' 4 Beats」や「Let's Get It Started」、ビートたけしのセリフ(「Fuckin Japぐらい解るよバカヤロー」)で始まる「Neva Enuff」らをあくまでも媚びずにステージング。加藤ミリヤがSIMON、COMA-CHI、TARO SOULを迎えた「FUTURECHECKA」の元ネタの「Parteechecka」やLEVEL 42「Something About You」を拝借した「Touch the sky」などのパーティ・ライクなフロア仕様楽曲も披露したが、KREVAからヒップホップが連続の3組目、温度もメジャーなKREVAからアンダーグラウンドを経てハードコアとなったこともあり、多少スタンド席には移動も見られた。これはZeebraがどうこう言うのではなく、タイムテーブルの影響を少なからず受けたのだと思う。最後に「この後のスチャダラパーと久保田さんまで楽しめ!」と叫んでステージ・アウト。
 
 Zeebraとは正反対の緩いキャラでフロアを温めるのが次のスチャダラパー。「『もうそろそろいくわ』『ちょっと時間だから』など言われてチラホラ帰り出すなかでね、残ってくれたみなさん、ありがとうございます、と」「山口百恵さんとかは6、7年濃い時間だったけど、僕らは1年うすーくやっていると20年くらいあっという間に経っちゃうんですよ」「ヒップホップやっててすみません」「もうね、空席以外はほぼ満席というなかでね」「なんかネームヴァリュー的に3番目ですか、凄いことになってますが、僕らただ年取ってるってだけで。一見、Zeebraのが年上に見えるかもしれないですけれど、僕らのが上ですからね」など、独特のMCで注視させるところはさすが。名曲「今夜はブギー・バック」や『ポンキッキーズ』のオープニング・ジングルとしても知られる「Get up and Dance」、コール&レスポンスで盛り上げた「ライツカメラアクション」など、楽しげなステージで締めくくった。

 トリは久保田利伸。コーラスには有坂美香がいた模様。オープナーは「LA・LA・LA Love Song」。時折アラサー、アラフォー、それ以上の人も見かけたのだが、そのあたりは久保田が目当てだろう。ヒップホップが4組続いたこともあってか、一気に会場のヴォルテージが上がる。日本のR&Bのパイオニアの面目躍如か。
 続いて「Soul Mate ~君がいるから~」でほのぼのとした空気を作ると、自身のツアーでは披露しなかった「Timeless Affection」を。これは嬉しい選曲だった。自身のツアーではMC時にコーラスのYURIが少しだけ披露したSWV「Rain」をカヴァーした後は、「(精魂込めて)歌わせていただきます」と「Missing」を。やはりこの曲はアラフォーあたりの客層から“お~”という声が漏れ聞こえていた。
 しっとりと聴かせた後は、“マイメ~ン、クレヴァ!”とKREVAを呼び寄せ、コラボ曲「M☆A☆G☆I☆C」を。一番の盛り上がりを見せていたが、なるほどKREVAは客の乗せ方が上手い。もちろん、久保田のグルーヴで乗りやすくなっている状態なのだが。最後は「もう一曲歌ってもいいですか~?もう一曲やります」のフリから「LOVE RAIN ~恋の雨~」で幕。奇しくも、オープニングとエンディングに月9ドラマの主題歌を持ってきた形だ。ステージの場数もあるが、コンパクトなステージでもその存在感と順応性は群を抜いていた。

 
◇◇◇
 
【11/20 TIME TABLE】

≪第1BLOCK≫ 
OPEN
はむつんサーブ(DANCE)
松下優也
MCU
May J.
JAY'ED
SONOMI
福原美穂

≪第2BLOCK≫ 
LITTLE
さかいゆう
スガシカオ

≪第3BLOCK≫ 
Synergy(DANCE)
KEN THE 390 / COMA-CHI / TARO SOUL
SOUL POWER ユニット(Skoop On Somebody+村上てつや and THE☆FUNKS)

≪第4BLOCK≫ 
KREVA
AK-69
Zeebra
スチャダラパー
久保田利伸


◇◇◇

 VIP SEATが14000円、スタンディング、指定席ともに8900円。会場は6割くらいの入りだったが、招待券をかなり配っていると思われるので、実際の収支は少なくとも良いとはいえないかも。
 現在の音楽シーンで知名度がある“ブラック”と呼べるアーティストがそれほど見当たらないのも響いているか。2日目は加藤ミリヤ、Crystal Kay、CHEMISTRY、清水翔太、西野カナ、Hilcrhyme、HOME MADE 家族、ライムスター、九州男、黒木メイサ、SEAMO、Sugar Shack Family(Full Of Harmony、LL BROTHERS、HI-D、LEO、TSUYOSHI、L&J、真之介、MICHIYA、DJ HAL)、SOUL'd OUT、DEEP、童子-T、leccaらが登場したが、結局ヒップホップ勢に“黒い”部分を頼っている感は否めない。そこが、ジャパニーズ・ブラック・アーティストが結集する、ではなくて、ブラックミュージックをリスペクトする日本の最前線アーティストたち、となってしまうんだろう。もう少し、ソウルやファンク、もちろんR&Bのシンガーを多く登場させることが出来たらいいのにとは思うが、それと同時にそういったアーティストが枯渇しているのかもしれない。
 このままだとこのイヴェントは、ヒップホップやレゲエ勢に頼らざるを得なくなるかもしれない、ので。







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