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*** june typhoon tokyo ***

FC東京×浦和【J1リーグ】

 浦和に勝てない記録を今季も伸ばしただけ。それだけの試合。

 厳しいようだが、大雑把に言えば、そういうことだ。「強い浦和を1失点にとどめた」「最初の決定機を決めていれば」「決定力の差」「相手よりチャンスは多く作っていた」……さまざまな声が聞かれるが、それは次へ向けて切り替えるため、ポジティヴに歩むために発した言葉としかとらえることは出来ない。

 浦和のペトロヴィッチが言うように、浦和は火曜にACLを戦い、休養期間が十分でなかった。気温も26度と高く、選手が消耗する条件が揃っていた。そのようななかでどのように勝ち点3を奪いに行くべきかを遂行したのが今日の浦和だったに過ぎない。ボール支配率や好機の頻度、惜しい場面が多かろうが、相手よりゴールを多く奪うというスポーツにおいて、点を決められないのでは、何も始まらない。76分にラファエル・シルバを青木に交代した段階で、ペトロヴィッチは守に重点を置き、相手が攻めてくるところでのカウンターで追加点狙い。東京が当初行なおうとしていた戦術を利用して、ラファエル・シルバと興梠の二人で1点をかっさらった。あとは前述のプランを遂行するだけ。それにFC東京がまんまとハマっただけでしかない。

 選手が戦っていなかったというつもりは毛頭ないし、ハードワークはしていた。だが、ハードワークをするだけで勝ち点3が取れるのなら、どのチームも結果に繋がっているはずだ。決定力の差というなら、極論を言えば、全てのシュートを枠内へ入れる練習を出来るまでやり切ればいいだけだし、決定力を持つ選手を補強すればいいだけの話だ。
 これだけの長い期間、浦和に勝てないのは、決定力や運の差だけでは決してない。FC東京に根本的に欠けている部分がいつまでたっても構築出来てないから、せいぜい惜しい試合止まりなのだ。それは難しいことではない。ボールの動かし方、判断の速さなど、そういった基本的な一つのプレーに置いて、精度が低いということである。具体案を言ったらキリがないが、要するに常に二手、三手と先を読んで駒を打つ棋士とその場限りの対応で駒を進める棋士との試合ということ。急場しのぎの連続では、どのようなタレントを有していても、最後はバタバタと心身ともに疲弊してしまう。

 そして、その悪循環はコーチングスタッフにも。というより、現場首脳の指揮や戦術の迷いが悪循環の発端と言えなくもない。怪我などで大久保嘉人やピーター・ウタカがベンチ外だったが、彼らがいたら結果は異なった…訳ではない。高萩がいれば、も同様。むしろ、高萩一人不在でチームが勝てなくなるようなチーム編成で戦おうとしていることが間違いだ。それならば、今すぐにボランチ(とセンターバック)の補強に走るべきである。昨季もハ・デソンに期待するもその思惑が外れて急降下していったが、その経験から何も学んでいないということなのか。
 ボランチに限って言えば、梶山は仕切りにパスを散らして、少ないながらも前線へパスを供給しようとしていた。それゆえ、ポジションが通常よりも高く、その背後を狙われていたが。それ以上に狙われていたのが橋本。この試合でもポストに弾かれた惜しいシュートを放っているため、印象はそれほど悪くないと思う人もいるかもしれないが、これまでの試合でも橋本が奪われてから、または対応しきれずに失点に繋がったシーンが非常に多い。ゴール前へ顔を出すなとは言わないが、出した挙句にゴールに背を向ける形でボールを奪われて好機を失い、相手にカウンターを献上している。同じミスでもエリアに進出して勝負した結果であれば次に繋がるが、そういう場面で消極的になる。

 消極的という意味では、永井もそう。強引にボックス内へ突っ込みシュートを打てる場面でありながら、クロスを選択、さらにそのクロスの精度を欠き相手DFに当ててしまう場面があった。そこはチャレンジしていくべき。その結果ミスとなっても、それは大幅なマイナスにはならないはずだ。
 そもそも個人的には言われているほど永井は悪くないと思う。スプリント回数も多く、攻守に運動量豊富にハードワークしていた。ただ、それゆえに永井の持ち味が生きず、またチームも永井のストロングポイントを活かすような戦術をとり切れないゆえ、永井が必要以上に悪く見えるだけだ。そのような戦術や配置をしているのは、ベンチということを忘れてはならない。

 逆にアグレッシヴに姿勢を見せると言われる中島だが、今日はまったくいいところなし。カットインするドリブルもパターンが読まれているし、シュートを放つ積極性は認めるが、枠内確率が非常に低い。そして、一番よくないのが自陣でピンチの時に相手選手へ詰めていかないことが多過ぎる。中島に攻撃だけしていればいいという特権が与えられているなら別だが、もしそうだとしたら、攻撃での精度が低すぎる。

 終盤に太田が徳永に代わってピッチに入ったが、ビハインドの場面でろくにクロスも上げられない、試合に絡めない選手を3枚目の交代カードに使ったのは何故なのか。前線の選手であればまだしも、攻撃という面において重心が高くないDFを入れるというのは(たとえ太田のクロスが武器だったとしても)疲労交代以外はナンセンスだ。元来、太田の状態が悪いということで、室屋を左に回し、徳永を先発させたはずだ。つまり、ファーストチョイスに食指が伸びなかったにも関わらず、攻勢への最後の切り札として指名したのは納得がいかない。百歩譲って、ゴール前でファールをもらった時のFKに賭けたいがためというならその気持ちも解からなくはないが、それはゲームで“上がる”ための条件を一つだけに絞って相手のミスを待つのに等しい、確率の低い賭けに出たということでしかない。
 
 同じく終盤、前線へロングボールを供給していたが、阿部やユ・インスをターゲットにしたのはなぜか。ユ・インスは積極的に相手DF、GKにプレッシャーを掛けていたことは評価出来るが、それはビハインドでゴールを決めなければいけない状況のターゲットになり得るのか。ターゲットであれば、先発した前田だろう。前田はゴールのチャンスに絡めないのはマイナスだが、ボールを収めて攻撃の起点になっていた。少なくとも現状のFW陣での出来を考えれば、ファーストチョイスは前田というのは揺るぎないところだろう。それに、この試合でもベンチ外のネイサン・バーンズはユ・インスよりも序列が下ということなのか。昨年のアウェイでの浦和戦でムリキと共に浦和の脅威となったのは、他ならぬバーンズだ。仮に、バーンズの評価がその位置であるのなら、J1の試合に使えない外国人枠1枠を潰していることになる。

 これで勝ちと負けが並んで順位も8位に後退。1シーズン制の今季においてはまだ序盤という見方もあるだろう。だが、問題なのは結果よりも、チームの連動性やこれというスタイルを構築出来ずにいるまま、ここまで来てしまっているということだ。鹿島に勝ち、川崎にスコア上では完勝し、ルヴァンカップの仙台戦では6-0と圧勝するなど一見ポジティヴな要素もあるように見えるが、結果がそうなだけであって、チームとしての形をしっかりと具現化出来た試合は一試合もない。たとえば、GK林のビッグセーヴがなかったら敗戦に繋がっていた試合はいくらでもある。クラブはダービーでもないのに試合前にコレオを企図するなどチームとしてもカギとなる試合として挑んだ結果が、勝ち点なし。優勝はおろか、優勝争いに絡む位置からも離された。ゴールデンウィークが終わるまでの3試合、新潟、広島、仙台と今季あまり調子が良くないチームとの連戦で、万が一結果を出せなかった場合には、しかるべき措置も考えねばならない。常にそういった危機感に迫られながら戦わなければ、一生浦和には勝てないだろう。

◇◇◇

【明治安田生命J1リーグ戦 第07節】
2017年04月16日(日)14:04 試合開始 味の素スタジアム
入場者数 38,248人
天候 晴 / 気温 26.3℃ / 湿度 30%
主審 家本政明 / 副審 五十嵐泰之、植田文平 / 4審 井上知大

 FC東京 0(0-1 / 0-0)1 浦 和

≪得点≫
(東):
(浦): 興梠慎三(14分)

◇◇◇

【FC東京 メンバー】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 22 徳永悠平  → 太田宏介(84分)
DF 03 森重真人
DF 05 丸山祐市
DF 02 室屋 成
MF 10 梶山陽平
MF 37 橋本拳人
MF 15 永井謙佑  → 中島翔哉(63分)
MF 38 東 慶悟
MF 44 阿部拓馬  → ユ・インス(80分)
FW 20 前田遼一   

≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 04 吉本一謙
DF 06 太田宏介
MF 17 河野広貴
MF 23 中島翔哉
MF 27 田邉草民
FW 21 ユ・インス

≪監督≫
篠田善之

◇◇◇









◇◇◇

【2017明治安田生命J1リーグ FC東京 日程】
第01節 02/25(土)14:00〇FC東京 1-0 鹿 島(A・カシマ
第02節 03/04(土)15:00〇FC東京 2-0 大 宮(H・味スタ
第03節 03/11(土)19:00✕FC東京 0-3 G大阪(A・吹田S
第04節 03/18(土)19:00〇FC東京 3-0 川 崎(H・味スタ
第05節 04/01(土)16:00△FC東京 3-3 鳥 栖(H・味スタ
第06節 04/08(土)19:00✕FC東京 1-2 札 幌(A・札幌ド
第07節 04/16(日)14:00✕FC東京 0-1 浦 和(H・味スタ

第08節 04/22(土)16:00 FC東京 vs 新 潟(A・デンカS
第09節 04/30(日)15:00 FC東京 vs 広 島(H・味スタ
第10節 05/07(日)14:00 FC東京 vs 仙 台(A・ユアスタ
第11節 05/14(日)15:00 FC東京 vs  柏 (H・味スタ
第12節 05/20(土)19:00 FC東京 vs 神 戸(A・ノエスタ
第13節 05/28(日)16:00 FC東京 vs 甲 府(H・味スタ
第14節 06/04(日)13:00 FC東京 vs 清 水(A・アイスタ
第15節 06/18(日)18:00 FC東京 vs 横浜FM(H・味スタ
第16節 06/25(日)18:00 FC東京 vs 磐 田(A・ヤマハ
第17節 07/02(日)19:00 FC東京 vs C大阪(A・金鳥スタ
第18節 07/08(土)19:00 FC東京 vs 鹿 島(H・味スタ
第19節 07/30(日)19:00 FC東京 vs 新 潟(H・味スタ
第20節 08/05(土)19:00 FC東京 vs 川 崎(A・等々力
第21節 08/09(水)19:00 FC東京 vs 大 宮(A・NACK5
第22節 08/13(日)19:00 FC東京 vs 神 戸(H・味スタ
第23節 08/19・20・18※ FC東京 vs 浦 和(A・埼 玉
第24節 08/26(土)--:-- FC東京 vs 横浜FM(A・日産ス
第25節 09/09・10※   FC東京 vs C大阪(H・味スタ
第26節 09/16・17※   FC東京 vs 仙 台(H・味スタ
第27節 09/23(土)--:-- FC東京 vs  柏 (A・ 柏 
第28節 09/30・10/01※ FC東京 vs 磐 田(H・味スタ
第29節 10/14・10/15※ FC東京 vs 甲 府(A・中銀スタ
第30節 10/21・10/22※ FC東京 vs 札 幌(H・味スタ
第31節 10/29(日)--:-- FC東京 vs 清 水(H・味スタ
第32節 11/18(土)--:-- FC東京 vs 鳥 栖(A・ベアスタ
第33節 11/26(日)--:-- FC東京 vs 広 島(A・Eスタ
第34節 12/02(土)--:-- FC東京 vs G大阪(H・味スタ




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