goo blog サービス終了のお知らせ 

*** june typhoon tokyo ***

m-flo@幕張メッセ

■ m-flo@幕張メッセ
 
Mflo_so00


 久しぶりの全国ツアー“Reebok CLASSIC presents m-flo TOUR 2012 「SQUARE ONE」”を観賞してきた。最初からスタンド席で俯瞰したい気持ちがあったので、スタンド指定席のチケットを購入。その番号を見て、だいぶ後ろの方か……と思って、現地へ着いてみたらビックリ。ステージに近いスタンド前目の列という、舞台袖も見えるという良席で観賞出来ることとなった。
 ツアータイトルどおり、3月にリリースされた新作『SQUARE ONE』(CDレヴューはこちら)を引っさげてのカムバック公演。アリーナはスタンディング、スタンド席もかなり埋まっていて、久しぶりのライヴ・ステージを今や遅しと待ちかまえるパーティ・ピープルの熱気で館内が包まれていた。

 18:15となると場内が暗転、ステージは3Dヴィジョンとなる大きな四角形のスクリーンのための骨組みが組まれ、その上部中央に位置した☆TAKU(実際には精密に出来た人形)がホール全体を見下ろす感じで登場。VERBALはステージ中央でスターウォーズばりのフルフェイスをまとい、スクリーンに映し出されるクレーンの手によってエネルギーを充填されながら「Perfect Place」の曲を待つ……といった形で幕を開けた。

 ステージは『SQUARE ONE』の楽曲を中心に展開。予め想像出来ていたことだが、そもそも『SQUARE ONE』の楽曲群はヴォーカリストを公表せず、先入観なく音楽そのものを聴いて楽しんで欲しいというコンセプトのもとで創られたアルバムだ。となると、ライヴでは誰がヴォーカリストとして登場するのかということに注目が集まるのは当然。あるいは、ヴォーカリストは登場せずに展開するという新たなライヴの形を提示するのか……常に斬新なアイディアでリスナーを楽しませてきた彼らだからこその期待が、開演直前や開演後まもなくは心にふつふつと宿っていた。

 総合的に言うと、今回のステージは“帯に短したすきに流し”といった中途半端な感触が拭えなかったというのが個人的な感想だ。つまり、クラブ・イヴェントとしては豪華で質の高いものとなったが、ライヴとしてはいささか物足りなさが残る結果となったのだ。

 前述のとおり、ヴォーカリストを公表していないため、ヴォーカリストが誰になるのかというのは一番の注目点だった。アルバム・クレジットからCREAMのMinamiが楽曲のほとんどに関わっていることは判るので、Minamiが登場することも想像に難くなかった。実際、Minamiは「She's so(Outta Control)」などオリジナルでは歌唱していないと思われる楽曲のヴォーカルもとり、このツアーのメイン・ヴォーカルの役目を果たしている。「She's so(Outta Control)」以外では「Never Needed You」「All I Wants Is You」「Call Me」「RUN」などでMinamiはヴォーカリストとして登場。それ以外では、マット・キャブが“新しい仲間を紹介します”の呼びかけから登場、「miss you」とアルバムの事実上のラスト曲「Yesterday」を歌唱した。これで「Yesterday」のヴォーカリストはマット・キャブということが判明したことになる。
 ゲストとしては、「miss you」でマット・キャブが登場する前にステージに現れ、オーディエンスの大きな歓声を浴びたmelody.が久しぶりに姿を見せた。また、アンコールでの「let go」でYOSHIKAが登場。静寂とした「let go」の空気が途中で一気にバキバキなビートとともに変貌したリミックスで場内のヴォルテージを高めてくれた。

 前回(2009年の1st2nd@代々木第一)や前々回(2007年@横浜アリーナ)のライヴと比べると、ゲストの数からやや物足りなさを感じるかもしれないが、個人的に思う”物足りなさ”はゲスト数の多少ではない。むしろ、melody.やYOSHIKAというサプライズを用意しながら、全体的にはこじんまりとした印象を与えてしまった楽曲構成に原因があるのだと思う。

 大胆に凝縮して言うと、”ライヴ”と”クラブ・イヴェント”との差を完全に埋めきれなかったところにあるのだと思う。デジタルDJブースに3Dを駆使したオリジナル映像、煌びやかでファッショナブルなダンサー……そして、それらと一体となってオーディエンスの興奮を高めるミュージック。単純に音楽だけでなく、映像やアパレル(協賛でVERBALがクリエイティヴ・ディレクターを務めるリーボックも大きく取り上げられていた)など流行の最先端を大きく包含したステージは、まさに巨大なファッション・ショウさながらのスタイル。音、映像、ファッション、ダンス……クラブ・カルチャーの要素がたっぷりと詰め込まれていたステージは、クラブ・スタイルとしては破格のものだったと思う。

 一方、ライヴとしてはどうか。やはりライヴは“生”のサウンドや“生”のヴォーカルが命だ。新作アルバムからも解かるように、クラブ・サウンドを軸とした楽曲群となれば、バンドレスのDJブースという選択肢はしかるべきところだろう。それゆえヴォーカルがことのほか重要になってくる。Minami、マット・キャブの二人が『SQUARE ONE』勢として出演した訳だが、ライヴとしてもの足りなさを感じたのは、彼らのパフォーマンスではなく、そのパフォーマンスが発揮される時間が短かった曲構成にあるのではないか。つまり、ヴォーカリストがじっくりとそのヴォーカルを響かせる時間がないステージだったからだ。今回フルで楽曲を歌ったのは、本編ラストのマット・キャブの「Yesterday」とラストのMinamiによる「All I Want Is You」くらいではなかったか。新旧取り混ぜてのミックス仕様で次々と畳み掛ける展開は確かにアドレナリンを出すものの、オーディエンスにとってはその楽曲を堪能するまでいかずに終えてしまうという歯がゆさが残ったのではないだろうか。
 中心シンガーのMinamiのスキルには不満は持たないものの、よくも悪くもクラブ系シンガーといったところで、まだアリーナクラスの大きなステージで映えるまでのパフォーマンスや余力はなかったのかとも思える。それに比べると、サプライズで登場したYOSHIKAの歌唱は見事だった。これまでのライヴではピンと糸が張ったような静寂と緊張を生む「let go」だったが、今回は途中から一気にバキバキのクラブ・モードに変貌。それでもリミックスされたサウンドに一つも負けることなく響かせたヴォーカル・ワークは、ライヴのステージに相応しいものだった。それでも、リミックスされたことで完全な一曲として終えなかったこともあり(melody.が登場した「miss you」も同様)、全体的にヴォーカルものが少ない、時間としても非常にコンパクトなものとして感じてしまったのだと思う。7800円という料金も、多くがライヴ感を期待したものが大きかったのではないだろうか。

 1999年に「Mirrorball Satellite 2012」をリリースし、10年以上先の音楽をテーマにこれまでやってきた。そして、実際に2012年となった。LISA在籍の“Tripod”期、フィーチャリング・アーティストとのコラボによる“loves”期と経て、新たな局面を強いられてきた彼ら。それぞれのソロ作からも考えると、今後はどのように行くべきか試行錯誤しているのかもしれない。10年前には斬新なサウンドもいずれ斬新でなくなる時もくる。J-POPと世界的な流行サウンドとの融合をいかにしていくか、アクの強いJ-POPをもう1ランク、レヴェルアップさせたいという思いから現在辿り着いたのがこの『SQUARE ONE』のクラブ・サウンドなのではないか。
 ただし、これはあくまでも完成形ではない。アルバム『SQUARE ONE』でも“EXPO EXPOで失われた2012年、『SQUARE ONE』を取り戻す”と言っている。m-floのスペイシーな世界観、それはJ-POPをいかにフィールドの広い音楽へと変容させられるかなのかもしれないが、その構築はまたここからスタートするという分岐点が、この日のステージだったと思えば、今後は楽しみになってくる。ここは、彼らの再出発としての出発点を体感出来たとして、今後の動向に注目したい。
 

◇◇◇
  

<SET LIST>

□[sayonara_2012]
Perfect Place
ALIVE
Dope Boy Fresh(Including “SHOTS”by LMFAO)

☆Taku Android MC

Lotta Love(Remix)
Never Needed You(with Minami(CREAM))
gET oN! (with Minami(CREAM))

she loves the CREAM
DOPAMINE(Remix)
Acid 02
come again(Remix)
Don't Stop Me Now

Call Me(with Minami(CREAM))
She's So(Outta Control)(with Minami(CREAM))
I Gotta Feeling(Original by The Black Eyed Peas)

Miguel Movie Comment

Sure Shot Ricky
Korobushka(Tetris Theme)
RUN(with Minami(CREAM))

miss you(Remix)(with melody.& Matt Cab)
Yesterday(with Matt Cab)
≪ENCORE≫
So Mama I'd Love To Catch Up,OK?
A.D.D.P.
Taste Your Stuff(with Minami(CREAM))
let go(Remix)(with YOSHIKA)
All I Want Is You(with Minami(CREAM))


≪MEMBER≫

m-flo(☆Taku&Verbal)

Minami(CREAM)
Matt Cab
melody.
YOSHIKA

CYBERJAPAN DANCERS(Dancer)
BIGDOGSS(Dancer)


◇◇◇


m-flo - Let Go (Matt Cab cover)



◇◇◇


Mflo_so01


Mflo_so02_2


Mflo_so03


Mflo_so04


Mflo_so05


Mflo_so06


Mflo_so07


Mflo_so08


Mflo_so09


Mflo_so10


Mflo_so11


Mflo_so12



にほんブログ村 音楽ブログ ライブ・コンサートへ
にほんブログ村 音楽ブログへ
 
 

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ライヴ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事