点差こそ5対1と開いたが、実力的にはそれほど差はなかった。どちらもトップに当ててシャドーや2列目が飛び出して攻勢を掛けたいところだったが、ラリベイが制空権を握り上手くいった千葉に対し、なかなか高崎に収まらなかった松本。それでも、序盤は松本が攻勢。開始直後の高崎のシュート、エリア内からの間接FKなどゴールのチャンスを生み出していたものの決め切れないでいると、6分に松本のCKのこぼれ球を中央から岩間がシュート。これがディフェンスのブロックに合い、ボールがサイドへ転がったところを、千葉・山本真希がコーナー奥から前線へロングフィード。このボールを田中隼磨が目測を誤り、背走しながらボールを自陣側にこぼすと、駆け込んできた船山が巧みにかっさらいゴールへ独走。GKと1対1の場面で船山は並走していたラリベイにパス。フリーのラリベイが難なくゴールへ流し込んで千葉が先制する。その後、松本は10分に宮阪のFKがポストに弾かれチャンスを逃したものの、得点の匂いは感じさせながら後半へ。
後半早々、松本が千葉に行きかけた流れを取り戻す。高崎とのパス交換から工藤がペナルティーアークから芸術的なループを放つと、これが千葉のGKの頭上を綺麗に通り越してネットを揺らす。同点により勝負の行方が分からない状況となったが、52分にラリベイとのパス交換で左から中央へ進出した船山がペナルティアーク付近で倒れながら右へパス。ここへ走り込んできた、この日Jリーグ通算200試合出場達成の表彰を受けた山本真希が豪快なミドルを突き刺して千葉が勝ち越し。それでもまだ試合の流れは流動的と思われたが、54分に後方からのロングフィードに対応しきれなかった松本DF陣が、GKとの連係ミスもあって飯田のヘディングでのバックパスとGK村山の飛び出しが合わず、ラリベイに易々とゴールへ流し込まれて3対1に。この自滅によって落胆が強く出てしまったのか松本のパフォーマンスが明らかに落ち、それでも点を取るために前がかりとなったところを千葉にカウンターされる苦しい展開に。81分に山本真希のミドルをボックス中央にいた町田がヒールでボールの方向を変えてゴールへ流し込み4点目、さらに宮阪がカード2枚目で退場となると、88分に後方からのフィードを岩間が処理を誤り、途中出場の指宿にボールを奪われると、指宿が強烈なミドル。GK村山が何とか弾いたところを右サイドから駆け込んできた為田がネットに突き刺し5点目。理想的なダメ押しで千葉が松本を圧倒した。
松本は得点機はあったが、守備で後手に回ったところを巧みに突かれた。また、DFラインの連係が巧くいかず、守備のポジションが味方同士で被ってしまう場面が散見。ラリベイの1点目、3点目はそれぞれ田中隼磨、飯田と村山の対応ミス、2、4、5点目はいずれも右のエリア（松本から見て左エリア）へのプレッシャーを掛ける選手がおらずに、フリーでミドルを打たれた結果の失点となっている。那須川の久しぶりの復帰、パウリーニョの出場がないなど不安要素はあったが、勝敗は抜きにして、得失点差が今後のプレーオフ圏内での順位を左右する一つと考えると、もう少し失点をせずにおきたかったところだ。
千葉はこれで連勝も三度目。まだプレーオフ圏内へ滑り込む可能性はある。ただ、この調子を持続出来ないのも今季の千葉。その意味では次の試合の結果が非常に重要になってくる。次節は現在2位の福岡と、次々説は千葉の順位の一つ上を行く大分との対戦。ここで連勝して一気に差を縮めるくらいでないと、プレーオフ圏内は厳しい。
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【明治安田生命J2リーグ戦 第37節】
2017年10月14日(土)15:04 試合開始 フクダ電子アリーナ
入場者数 11,743人
天候 曇のち雨 ／ 気温 17.8℃ ／ 湿度 81％
主審 東城穣 ／ 副審 馬場規、鈴木規志 ／ ４審 蒲澤淳一
千 葉 5（1-0 / 4-1）1 松 本
≪得点≫
（千）： ラリベイ（7分）、山本真希（53分）、ラリベイ（56分）、町田也真人（81分）、為田大貴（89分）
（松）： 工藤浩平（47分）
≪退場≫
（松）： 宮阪政樹（85分、警告2枚目）
〈千 葉〉
≪スターティングメンバー≫
GK 23 佐藤優也
DF 06 山本真希
DF 03 近藤直也
DF 37 キム・ボムヨン
DF 28 乾 貴哉
MF 07 佐藤勇人
MF 18 矢田 旭
MF 13 為田大貴
FW 11 船山貴之 → 町田也真人（78分）
FW 08 清武功暉 → 大久保裕樹（70分）
FW 09 ラリベイ → 指宿洋史（84分）
≪サブスティテューション≫
GK 40 ルイス・オヘーダ
DF 17 大久保裕樹
DF 05 多々良敦斗
MF 10 町田也真人
MF 14 アランダ
MF 32 高橋壱晟
FW 50 指宿洋史
≪マネージャー≫
フアン・エスナイデル
〈松 本〉
≪スターティングメンバー≫
GK 16 村山智彦
DF 03 田中隼磨
DF 31 橋内優也
DF 04 飯田真輝
DF 18 當間建文 → 安藤 淳（85分）
DF 24 那須川将大 → 山本大貴（68分）
MF 05 岩間雄大
MF 15 宮阪政樹
MF 10 工藤浩平
MF 20 石原崇兆
FW 09 高崎寛之 → 鈴木武蔵（79分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 藤嶋栄介
DF 13 後藤圭太
DF 33 安川 有
DF 06 安藤 淳
MF 07 武井択也
FW 19 山本大貴
FW 50 鈴木武蔵
≪マネージャー≫
反町康治
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