先制され退場者出す苦しい展開も、何とかドローで終える。
残留争いに苦しみながらも近2試合で横浜F・マリノス、柏の上位陣を破り好調の甲府との対戦。甲府にとっては未だホームでFC東京に勝利したことがなく、東京にとっては相性の良い相手。大久保嘉人が練習での負傷でベンチ外となり、ピーター・ウタカを1トップ、ユ・インスとGK大久保択生をスタメン起用した布陣で臨んだ。だが、試合は前半から思わぬ展開に。東京は前半にセットプレーから失点、ピーター・ウタカの一発レッドで10人となるなど自ら苦しい展開へ持ち込んでしまう。
ボールが滑り、バウンドしても止まらない雨のピッチということもあり、よりパスの正確性や判断が要求されるところだったが、FC東京はパスの受け渡しの判断が遅く、ハッキリしない緩いパスを出したところを前線のリンス、ドゥドゥやMF松橋らに狙われると、前へ仕掛けるタイミングや周囲との連係にズレが生じて、しっかりとブロックを作って守る甲府の壁をこじ開けることが出来ない。ボール支配率はFC東京が7割を占めそうだったが、それも後方でボールを回し続けていることが多いゆえで、時折前線への縦パスに永井が反応してシュートする場面もあったが、永井、室屋、ユ・インスらの動き出しにタイミングよくボールを出せない展開が続くと、次第に前線の動きが止まり、出しどころがなくボールを“持たされている”状況に。そんななか、23分に島川のフリーキックからリンスが競い合いを制してのヘディングシュートが決まり、甲府が先制。さらに、前半から不安定なジャッジが見られた主審だったが、ピーター・ウタカが田中佑昌の後ろからの執拗な突っかけに耐え切れずに腕を払ったところが肘打ちの報復行為ととられて一発退場。東京は先取点を許し、なおかつ10人で戦わなければならないという圧倒的な劣勢に立たされた。
対抗策を練らざるをえなくなったFC東京は、後半からDF徳永に代えて前田を投入。甲府は1点を守り切ろうという思いがやや早過ぎたのと東京が10人という優越が動きを堅くしたのか、前からのプレッシャーがかからなくなると、一人少ないFC東京がより動きを増やさなければという意識もあって、甲府陣内へ攻め込む時間が多くなる。すると、60分に左サイドで得たFKから、太田の精度の高いクロスを中央でフリーとなった丸山が頭で決めて同点に。甲府は得点を獲るべく攻撃を仕掛けようとするもパスミスが目立ち、東京がカウンターを出しやすい状況に。その後も東京の攻勢が続くかと思われたのだが、同点となり安堵感が出たのか、一気に逆転まで行けるムードがありながら、何故かペースダウンして攻撃を畳み掛けようとしない。甲府はバタつく時間を何とか堪えると、両者ともに決定力に欠く展開で勝ち切ることが出来ず。甲府にとっては勝ち点2を落とし、東京にとっては10人ながらも辛うじてドローに持ち込めたという消化不良の試合となった。
よく追いついたといえば聞こえはいいが、前半に圧倒的なボール支配率を占めながらも、甲府の引いたブロックを崩す効果的な攻撃をあまり生み出せず、セットプレーでの得点のみに終わったのは、まだまだ課題が山積みな証拠。パスや判断のスピードが遅く緩いクセもあまり改善されず、前線の動き出しも空回り。正直、相手が外国人二人で攻撃し後は引いて守るというハッキリしたタイプで対策が予測出来た甲府だったからドローに持ち込めたものの、これからより残留へ向けて必死に向かってくる札幌、清水、広島に同様なサッカーで勝てるほど甘くはないはずだ。
そもそもFC東京もまだ残留を確定していない身。確かに終盤の残留争いのチームとの試合は難しいところはあるにせよ、冷静に考えれば下位であることには変わりない。それ以上にFC東京は、相手が上位下位関係なく自分たちのサッカーを構築し、それをやり遂げられるかが課題だ。優勝やACLへの目標も成し遂げられない今だからこそ、しっかりとしたヴィジョンが感じ取れるパフォーマンスをしてもらいたい。そうしなければ、たとえ勝利をしたとしても、次の試合や来季へ繋がるものにはならないのだから。
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【明治安田生命J1リーグ戦 第29節】
2017年10月15日(日)14:03 試合開始 山梨中銀スタジアム
入場者数 8,643人
天候 雨 ／ 気温 19.6℃ ／ 湿度 70％
主審 木村博之 ／ 副審 和角敏之、武部陽介 ／ ４審 福岡靖人
甲 府 1（1-0 / 0-1）1 FC東京
≪得点≫
（甲）： リンス（23分）
（東）： 丸山祐市（60分）
≪退場≫
（東）： ピーター・ウタカ（44分、一発退場）
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【FC東京 メンバー】
≪スターティングメンバー≫
GK 01 大久保択生
DF 22 徳永悠平 → 前田遼一（46*分）
DF 14 チャン・ヒョンス
DF 05 丸山祐市
MF 38 東 慶悟 → 米本拓司（80分）
MF 08 高萩洋次郎
MF 02 室屋 成
MF 06 太田宏介
FW 21 ユ・インス → 橋本拳人（60分）
FW 15 永井謙佑
FW 09 ピーター・ウタカ
≪サブスティテューション≫
GK 33 林 彰洋
DF 29 岡崎 慎
DF 04 吉本一謙
MF 10 梶山陽平
MF 37 橋本拳人
MF 07 米本拓司
FW 20 前田遼一
≪監督≫
安間貴義
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【2017明治安田生命J1リーグ FC東京 日程】
第01節 02/25(土)14:00〇FC東京 1-0 鹿 島（A・カシマ）
第02節 03/04(土)15:00〇FC東京 2-0 大 宮（H・味スタ）
第03節 03/11(土)19:00✕FC東京 0-3 Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第04節 03/18(土)19:00〇FC東京 3-0 川 崎（H・味スタ）
第05節 04/01(土)16:00△FC東京 3-3 鳥 栖（H・味スタ）
第06節 04/08(土)19:00✕FC東京 1-2 札 幌（A・札幌ド）
第07節 04/16(日)14:00✕FC東京 0-1 浦 和（H・味スタ）
第08節 04/22(土)16:00〇FC東京 3-0 新 潟（A・デンカＳ）
第09節 04/30(日)15:00〇FC東京 1-0 広 島（H・味スタ）
第10節 05/07(日)14:00〇FC東京 2-0 仙 台（A・ユアスタ）
第11節 05/14(日)15:00✕FC東京 1-2 柏 （H・味スタ）
第12節 05/20(土)19:00△FC東京 1-1 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 05/28(日)16:00△FC東京 1-1 甲 府（H・味スタ）
第14節 06/04(日)13:00〇FC東京 2-0 清 水（A・アイスタ）
第15節 06/18(日)18:00✕FC東京 0-1 横浜FM（H・味スタ）
第16節 06/25(日)18:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第17節 07/02(日)19:00✕FC東京 1-3 Ｃ大阪（A・金鳥スタ）
第18節 07/08(土)19:00△FC東京 2-2 鹿 島（H・味スタ）
第19節 07/30(日)19:00△FC東京 1-1 新 潟（H・味スタ）
第20節 08/05(土)19:00△FC東京 1-1 川 崎（A・等々力）
第21節 08/09(水)19:00〇FC東京 2-1 大 宮（A・NACK５）
第22節 08/13(日)19:00〇FC東京 1-0 神 戸（H・味スタ）
第23節 08/19(土)19:00✕FC東京 1-2 浦 和（A・埼 玉）
第24節 08/26(土)19:00✕FC東京 0-1 横浜FM（A・日産ス）
第25節 09/09(土)19:00✕FC東京 1-4 Ｃ大阪（H・味スタ）
第26節 09/16(土)19:00〇FC東京 1-0 仙 台（H・味スタ）
第27節 09/23(土)16:00✕FC東京 1-4 柏 （A・ 柏 ）
第28節 09/30(土)16:00△FC東京 0-0 磐 田（H・味スタ）
第29節 10/15(日)14:00△FC東京 1-1 甲 府（A・中銀スタ）
第30節 10/21(土)16:00 FC東京 vs 札 幌（H・味スタ）
第31節 10/29(日)17:00 FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第32節 11/18(土)14:00 FC東京 vs 鳥 栖（A・ベアスタ）
第33節 11/26(日)13:00 FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第34節 12/02(土)14:00 FC東京 vs Ｇ大阪（H・味スタ）
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