FC東京U-23といいながら、GKの榎本をはじめ、駒野、梶山、林とオーヴァーエイジがきっちりと出場。しかも、駒野、梶山あたりは通常ならJ3では見られないだろうタレントだ。さらに、U-23代表の中島がいる。この陣容ならば好勝負はもちろん、勝利も期待出来そうなものだが、結果はこれまで4連敗。メンバーもトップチームとの兼ね合いからその時々の陣容になるため、チームとしての連動性が欠けているのは致し方ないところでもある。ある程度の個の発揮で戦えることもあるが、やはりチームとして常に動いている（U-23として出場しているチームではない）他のクラブとの完成度や戦術の質という面では、劣っていることは否めない。
ここで、中島翔哉について少し述べておきたい。おそらく他チームのサポーターなどからは「U-23日本代表の10番をつけて、代表戦でも活躍している中島がなぜFC東京のトップチームに出場していないのか」という声も少なくないだろう。ここまでのFC東京の試合ぶり、出場選手の出来と代表での中島の活躍を比較すれば、そういった疑問を持つのも理解出来る。
この日の中島は相手DFの最終ラインギリギリのところで中盤からのパスを受けようと何度も飛び出して仕掛けたりしていた。ただ、これはFC東京のトップチームでも顕著だが、たとえば、広島の青山や鹿島の柴崎、川崎の中村憲剛などのように、前線の飛び出しにピタリと合わせたスルーパスやロングボールを出すタイプがいるならともかく、FC東京にはそれらにあたる選手がなかなかいない。正確には“いない”というのではなく、素早くボールを展開するという判断力や意識があまり高くないという実状がある。
それは、足元にボールを受けてからルックアップしてパスコースを探したり、ダイレクトやワンタッチでボールを送ることがなかなか見られないことに起因する。中島は中盤がボールを足元に入った瞬間を狙って飛び出しをかけるものの、出し手はトラップミスなども含めてテンポが一つ、二つ遅くなり、その間に相手からのプレッシャーを受けるなかで出しどころを狭められていくうちに、前線へボールを供給出来る選択肢を失ってしまう。
それが幾度となく続くと、ボールを受けたい中島は前線から中盤へとポジションを下げてくる。中盤へ下がってボールを受けることが出来るようになるが、その分前線にいる時以上の相手を交わして相手陣内へ攻め込まねばならないので、ドリブルやワンツーパスなどを狙って仕掛けるものの、相手の最終ラインを突破しようとするなかで相手DFに突っかけられてボールをロストする回数が多くなっていく。前方にスペースがある中でドリブルで仕掛けることには長けているが、決めてやろうという意識が高いこともあるだろうが、それがかえってボールの持ち過ぎに繋がり、ボールを奪われてのカウンターという流れを生んでしまう。
中島自身、かなりのストレスを抱えてプレーしていることは容易に想像がつくところ。だが、このジレンマをいかに解消していくかが彼のレヴェルアップにも繋がると感じている。ボールの出が遅ければ声を大にして味方に要求し、自分のプレーを活かすために周りを動かすくらいの指揮権を発揮してもらいたい。技術は高いものを持っているだけに、それを発揮するための環境を多少強引でも求めていくことで連動性が生まれ、パフォーマンスの質も向上にも繋がっていくはずだ。
そして、オーヴァーエイジとの兼ね合いについてももう少し考慮する余地がありそうだ。たとえば、現状ではトップチームに出るべき選手がスターティングメンバーに名を連ねていることが多いが、逆にスターティングメンバーはU-23世代を積極的に起用しておいて、試合の流れで後半からオーヴァーエイジ枠の選手を投入していくということも有効手段になり得るかもしれない。しばらくは様子見ということなのであろうが、そろそろある程度の結果を出さないといけない時期でもあり、改善が望まれるところだ。
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【J3リーグ戦 第4節】
2016年04月10日／味の素フィールド西が丘／14:00キックオフ
観衆：2,206人
天候：曇
気温：25.9度／湿度：26％
主審：前田拓哉／副審：眞鍋久大、酒井達矢／４審：八島佑太
FC東京U-23 0（0-1、0-2）3 富 山
得点：
（東）：
（富）：苔口卓也（4分）、萱沼優聖（77分）、代健司（84分）
≪スターティングラインアップ≫ ※ オーバーエイジ枠（GK1名含む）
13 GK 榎本達也 ※
26 DF 柳貴博
34 DF 野澤英之
40 DF 岡崎慎
50 DF 駒野友一 ※
19 MF 平岡翼 → 佐々木渉（82分）
10 MF 梶山陽平 ※
28 MF 幸野志有人 → 松岡瑠夢（82分）
32 MF ユ・インス → 山田将之（62分）
23 FW 林容平 ※
39 FW 中島翔哉
≪サブスティテューション≫
41 GK 波多野豪
36 DF 山田将之
24 MF 佐々木渉
42 MF 生地慶充
45 FW 松岡瑠夢
≪マネージャー≫
安間貴義
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【J3リーグ】
第01節 2016/03/13(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 相模原（A・ギオンス）
第02節 2016/03/20(日)14:00✕FC東京U-23 2-3 琉 球（H・味フィ西）
第03節 2016/04/03(日)13:00✕FC東京U-23 0-1 秋 田（A・Ａ－スタ）
第04節 2016/04/10(日)14:00✕FC東京U-23 0-3 富 山（H・味フィ西）
第05節 2016/04/17(日)14:00 FC東京U-23×Ｇ大23（H・夢の島）
第06節 2016/04/24(日)13:00 FC東京U-23×鳥 取（A・とりスタ）
第07節 2016/05/01(日)14:00 FC東京U-23×栃 木（H・味フィ西）
第08節 2016/05/08(日)13:00 FC東京U-23×YS横浜（A・ニッパツ）
第09節 2106/05/15(日)14:00 FC東京U-23×大 分（A・大銀ド）
第10節 2016/05/22(日)15:30 FC東京U-23×鹿児島（H・夢の島）
第11節 2016/05/29(日)13:00 FC東京U-23×長 野（A・南長野）
第12節 2016/06/12(日)14:00 FC東京U-23×藤 枝（H・味フィ西）
第13節 2106/06/18(土)19:00 FC東京U-23×Ｃ大23（A・金鳥スタ）
第14節 2016/06/26(日)17:00 FC東京U-23×盛 岡（H・味フィ西）
第15節 2016/07/03(日)15:00 FC東京U-23×福 島（H・駒 沢）
第16節 2016/07/10(日)15:00 FC東京U-23×藤 枝（A・藤枝サ）
第17節 2016/07/16(土)17:00 FC東京U-23×琉 球（A・沖縄県陸）
第18節 2016/07/24(日)15:00 FC東京U-23×大 分（H・夢の島）
第19節 2016/07/31(日)17:00 FC東京U-23×鳥 取（H・味フィ西）
第20節 2016/08/07(日)17:00 FC東京U-23×栃 木（A・栃木グ）
第21節 2016/09/11(日)--:-- FC東京U-23×盛 岡（A・盛岡南）
第22節 2016/--/--(日)--:-- FC東京U-23×秋 田（H・未 定）
第23節 2016/09/25(日)--:-- FC東京U-23×鹿児島（A・鴨 池）
第24節 2016/10/02(日)--:-- FC東京U-23×YS横浜（H・味フィ西）
第25節 2016/10/16(日)--:-- FC東京U-23×富 山（A・富 山）
第26節 2016/--/--(日)--:-- FC東京U-23×Ｇ大23（A・未 定）
第27節 2016/10/30(日)--:-- FC東京U-23×相模原（H・味フィ西）
第28節 2016/11/05(土)--:-- FC東京U-23×長 野（H・駒 沢）
第29節 2016/11/13(日)--:-- FC東京U-23×福 島（A・とうスタ）
第30節 2016/11/20(日)--:-- FC東京U-23×Ｃ大23（H・夢の島）
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【オーバーエイジ枠】
※試合メンバー枠3名＋GK1名
【U-23世代選手】
06 DF 室屋成
19 MF 平岡翼
24 MF 佐々木渉
25 DF 小川諒也
26 DF 柳貴博
28 MF 幸野志有人
32 MF ユ・インス
34 MF 野澤英之
37 MF 橋本拳人
39 MF 中島翔哉
【JFA・Jリーグ特別指定選手・2種登録選手】
35 FW 矢島輝一（特別指定選手）
36 DF 山田将之（特別指定選手）
40 DF 岡崎慎 （FC東京U-18）
41 GK 波多野豪（FC東京U-18）
42 MF 生地慶充（FC東京U-18）
43 MF 鈴木喜丈（FC東京U-18）
45 FW 松岡瑠夢（FC東京U-18）
46 GK 高瀬和楠（FC東京U-18）
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