アウェイ中国でのACLで勝利し、疲労はありながらもいい雰囲気でリーグ戦を迎えたFC東京。リーグ戦もアウェイながらも近郊の柏、さらにここ数年アウェイの柏戦の相性も悪くなく、柏がリーグ戦未勝利ということもあって、東京にとっては勝ち点3を目論んだ一戦だったが、結果は橋本のつまらないファールによるPK献上の失点で勝ち点を逃し、一気にACLからの良い流れを止めた敗戦となった。
前半から両者バタバタとした展開ながらも、河野や米本がエネルギッシュな動きで相手の焦りを生み出すと、次第に東京の好機が訪れるようになる。東、前田、河野、阿部と決定的なチャンスがありながら、柏GKの中村の好セーヴもあって得点が奪えない。
後半からアクシデントか河野に代わって橋本がピッチへ。だが、前半とはまったく異なるクオリティで、柏に攻め込まれる回数が倍増。柏の攻撃自体はゴール枠付近に放ったミドルは数回あったものの、エリア内で崩されたという場面は少なくそれほど脅威とは感じなかったが、それ以上に東京のバランスが悪く、セカンドボールが拾えない状態に。また、ワントップのディエゴ・オリヴェイラの突進に手を焼く場面も。
東に代わって羽生、ハ・デソンに代わってムリキを投入するも、あまり効果は得られず。前述のディエゴ・オリヴェイラの突破に置いていかれた橋本がエリア内で後ろから足をひっかけてPKを与えてしまう。これを田中順也に冷静に決められ失点。何とか同点に持ち込み勝ち点を持ち帰りたかった東京だが、ムリキが可能性を感じさせるプレーを披露したものの、所詮一人だけでは相手のゴールをこじ開けることが出来ずにタイムアップ。勝ち点3を期待していただけに、非常に心身共に痛い敗戦となってしまった。
監督の選手起用にも疑問符がつかない訳ではないが、やはり猛省すべき第一は各選手のプレー。ACLに帯同せずフル稼働すべきの東はほとんどいいところがなく途中でピッチをあとにし、ハ・デソンは余裕があればいいボールを供給するが、速いプレッシャーには対応できずにボールロストが散見。前田は疲れからかボールを収めることに苦労し、シュートへの積極性も欠けていた。
攻撃スタイルもいつもの煮えきらないスタイルの繰り返しで、ボールを運ぶもアタッキングサードでスローダウンしてプレッシャーを受けてボールロストするというおきまりのパターン。狭い地域を無理矢理突破しようというのではなく、スローダウンすることで相手に守備に戻る時間とプレッシャーをかける時間を与えてしまい、わざわざ狭い地域を作っているよう。そこから逆サイドへ大きく展開することも皆無で、突っかけるべくして突っかけ、失うべくしてボールを失ってカウンターのピンチを招き、本来不必要な自陣への戻りをさせられていれば、激しくスタミナを消費するのも当然だ。
この試合は森重が出場停止だったが、彼がいれば失点を抑えられたという話ではない。ACLとの両立が非常に難しいのは分かるが、早くもチームとしていかに戦うかを問われる状態になっている。次は多摩川クラシコ。告知VTRでは川崎との“打ち合い上等”などと煽っているが、守備の構築なくして川崎に打ち勝つことなど無謀だということをしっかりと理解しなければならない。守備の構築を土台にしての“アクション”を求めた今季だが、神戸戦以外はすべて失点している状況だ。このまま失点が続くとなれば、GKの秋元との意思疎通や選手起用を含めて、再度ディフェンスの練り直しも検討しなければならないと思う。
そして、攻撃陣はまずシュートの意識と枠に飛ばすことに専念。打たないことにはゴールは決まらないという当たり前のことを実践すべきだ。
次節は出場停止の森重が帰ってくるが、森重がいなければ結果は出せないなどという情けない事態を生み出してはならない。この時点で川崎は首位。優勝を掲げた今季の東京にとって絶対に落とせない試合となる。恰好良さなどは捨てきって、全力で勝ち点3を奪いにいかねばならない。
FC東京ファン・サポーターは“多摩川クラシコ”という以上に優勝の分水嶺となる戦いを後押しすべく、味の素スタジアムへ駆けつけてもらいたい。
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【J1リーグ戦 第6節】
2016年04月10日／日立柏サッカー場／19:04キックオフ
観衆：10,470人
天候：曇、弱風
気温：13.7度／湿度：76％
主審：榎本一慶／副審：村上孝治、数原武志
柏 1（0-0、1-0）0 FC東京
得点：
（柏）：田中順也（82分、PK）
（東）：
≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
02 DF 徳永悠平
05 DF 丸山祐市
29 DF 吉本一謙
25 DF 小川諒也
07 MF 米本拓司
14 MF ハ・デソン → ムリキ（71分）
17 MF 河野広貴 → 橋本拳人（46分）
38 MF 東慶悟 → 羽生直剛（63分）
20 FW 前田遼一
44 FW 阿部拓馬
≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太朗
04 MF 高橋秀人
22 MF 羽生直剛
37 MF 橋本拳人
48 MF 水沼宏太
09 FW 平山相太
11 FW ムリキ
≪マネージャー≫
城福浩
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【J1リーグ】
≪1stステージ≫
第01節 2016/02/27(土)19:00✕FC東京 0-1 大 宮（H・味スタ）
第02節 2016/03/06(日)15:30〇FC東京 2-1 仙 台（A・ユアスタ）
第03節 2016/03/11(金)19:00〇FC東京 1-0 神 戸（H・味スタ）
第04節 2016/03/19(土)15:00✕FC東京 0-2 鹿 島（A・カシマ）
第05節 2016/04/02(土)16:00〇FC東京 3-2 名古屋（H・味スタ）
第06節 2016/04/10(日)19:00✕FC東京 0-1 柏 （A・ 柏 ）
第07節 2016/04/16(土)15:00 FC東京×川 崎（H・味スタ）
第08節 2016/04/24(日)14:00 FC東京×甲 府（A・中銀スタ）
第09節 2106/04/29(金)17:00 FC東京×福 岡（H・味スタ）
第11節 2016/05/08(日)16:00 FC東京×湘 南（A・ＢＭＷス）
第12節 2016/05/13(金)19:00 FC東京×鳥 栖（H・味スタ）
第13節 2106/05/21(土)14:00 FC東京×浦 和（A・埼 玉）※ ACLラウンド16進出 → 2016/06/22(水)に変更あり
第14節 2016/05/29(日)17:00 FC東京×Ｇ大阪（H・味スタ）
第15節 2016/06/11(土) FC東京×磐 田（A・エコパ）
第10節 2016/06/15(水)19:00 FC東京×広 島（H・味スタ）
第16節 2016/06/18(土) FC東京×新 潟（H・味スタ）
第17節 2016/06/25(土) FC東京×横浜FM（A・日産ス）
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