いっぷく亭

ジョウカンおじさんの独り言。
話題になった事を時期遅れで書いて行きたいと思います。
皆様の返信をお待ちしています。

本を読んで・・・1     抄訳版 「アメリカの鏡・日本」ヘレン・ミアーズ著 伊藤延司訳

2008年02月13日 | Weblog
アメリカ人から観た明治から太平洋戦争までの日米関係の本です。
鋭い指摘の連続でアメリカ自身にとって耳の痛い内容になっています。
開国以来欧米を手本として植民地主義に走った日本が一方的に戦争責任を取らされるのは平等ではない・・・と言ったことが繰り返し資料とともに指摘されています。
責任を追及できるのは侵略を受けたアジアの諸国であって少なくとも欧米ではないはずだという言い方です。
終戦に当たって無条件降伏を要求した根拠に疑問を呈しています。
アメリカの目的は占領する事によって日本を軍事的にも経済的にも二度と立直る事の無いようにする事であった事が明らかにされています。

著者は占領軍GHQの労働諮問委員会の委員で当事者でもあり、終戦当時の様子が生々しく描かれています。
昭和23年に書き上げたという事ですが、当時の日本が絶望的な状態であり復興の手立てが占領軍によって阻まれている状況が指摘されています。貿易をさせない「日本人を島の中に閉じ込める」政策によって人口の何割かが餓死するだろうと予想しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この本に書かれた終戦直後の状況からは、その後の高度成長に向けての日本の実際に起きた状況とは全く符合しません、従ってその直後に起きた朝鮮戦争(昭和25)等によって日本占領政策に正反対の変更されたことが予想されます。

とにかく「アメリカの視点からみた東アジア現代史」として日本人から見ると目から鱗が落ちるような斬新な内容です。
右翼の方も、左翼の方もとにかく必読でしょう。