いっぷく亭

ジョウカンおじさんの独り言。
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本を読んで・・・3  不動産は値下がりする!―「見極める目」が求められる時代

2008年02月19日 | Weblog
江副 浩正 (著) (中公新書ラクレ 252)

今後の日本の不動産価格についての諸問題は大体書かれていて、この中から読者が値上がりするのはどこか「見極めれ」ばよいと言う冷静なスタンスです。
その書き方は温厚ですが、しかし内容はかなり衝撃的ではあります。
ずばり言うと将来、前回の「バブル崩壊」よりも酷い事になると言っています。
東京を含め日本では今後も埋め立て開発そして法改正で土地は生産され続ける。
一方で近年政府の住宅取得を促す政策によって活発な需要が続いた。
そのため住宅については供給過剰になっている。
そして近く金利は上昇し地価が下落すると言う情勢が紹介されている。

そうなると住宅ローンの変動金利が上昇し返済額が滞る事になる。
前回のバブル崩壊時は金利は6,7パーセントであったが崩壊とともに金利が下降した。その為に返済がある程度楽になり救済されたと言える。
しかし現在は超低金利なのでこれ以上金利で救済することは出来ない、「破産する人が前回より多いと思える」と書いてある。

他に長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」の問題が指摘される。
住宅購入者は金利の心配がなく3パーセントと言う低金利なので人気を呼び、現在のマンションブームを起こしている。
このローン債権は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が証券化し市中で順調に消化されているが・・・・。
ここが逆ザヤになれば、影響は計り知れないと言う事でも在る。
次に貸しビル事業である不動産投資信託のREITの問題。
日本ではH12に発足しJ-REITとして現在6、6兆円の規模になり、都内オフィスビル、大型高級マンションなどに投資され、その証券、債権が広く売り出されている。
これも空き室の増加、金利上昇で債権の順位の低いものや非公開REITでは大問題になると予想している。

最後に都心の立地の良いマンションは価値は下がらず、(ローンのない)富裕層(著者も含めて)は安泰であると言う東京やNYの魅力についてチラッと触れられている。