Josephcunlife107の日記

ロンドン(カナダ)生活、IVEY BUSINESS SCHOOLの日常。

Niagara-on-the-Lake

2006年06月03日 | カナダ
 ナイアガラの滝からオンタリオ湖方面へ20分程車を走らせると、ビクトリア様式の町並みが残るナイガラオンザレイクへと到着する。この辺り一帯には大小24ものワイナリーが存在していることもあり、その町並みと共にちょっとした観光スポットになっている。(日本の観光会社もナイアガラツアーに組み入れているそうである。)カナダ=ワインの産地には正直ピンとこないけれども、ナイガラ周辺は、オンタリオ湖の恵みを受けた湿潤で温暖な気候から、ワイン作りに適しているといわれている。(但し、冬は滝の一部が凍結するほど寒い。)

 カナダワインといえばアイスワイン。シャルドネやメルロー等々、ありきたりな銘柄も栽培されてはいるものの、わざわざカナダ産を購入する必要は無いと思う。現在アイスワインの産地は、ドイツ、オーストリア、カナダの3箇所のみとのことで、栽培に適する土地は限られている模様。特に最近の温暖化の影響により、ドイツやオーストリアは、徐々にアイスワインに適さない気候になりつつあるようである。アイスワインは、葡萄の収穫期である冬場の零下8度以下の早朝に手積みで収穫し、凍った状態にある葡萄をその日のうちに搾る。こうすることで、葡萄本来の味が濃縮された状態となり、アイスワイン独特の甘みが作られるそうだ。アイスワイン用の葡萄は、葡萄一房から収穫できるワインの量が、通常の葡萄の8分の1と少ないので、当然コストに跳ね返ってくる。手積みにかかる人件費や、葡萄1房から取れる量が少ないというのが最大のコスト高を招く理由とはいえ、結局の所、限られた需要の中で、少量生産を守っているからこそ、一本$70(375ml)等という強気の価格がつけられるのだと思う。
 
 アイスワイン用の葡萄は、通常のワイン用葡萄と比較して皮の厚い品種が用いられる。ナイガラワインは、元々ドイツ移民がワイナリーを始めたこともあるので、ドイツ産の品種を使用しているそうだ。ワインの甘さに応じて1から20位にカテゴライズされており、品質も国の品質機関を通じてきちんと管理されているようである。実際にアイスワインを飲んでみると、例えば、6と20の甘さの差は歴然だった。僕個人としては、20は甘すぎるかなという感じだった。とはいえ、6でも依然として甘いので、値段は高い割には、量は飲めないなとという感じだった。余談になるけれども、カベルネ等の葡萄を用いてアイスワインを作ろうという試みをしているワイナリーもあるそうなので、アイスワインにも将来ブランド化の波が訪れるのかもしれない。

 ボリビアを旅行した時でさえも感じたのだが、ワイナリーを訪れることは、改めて楽しいと思った。カナダでは、アルコール一杯程度であれば飲酒運転とならないので、車でいったとしても試飲を楽しむことができる。そういう意味では素敵な国だと思う。帰りに糖度控えめのアイスワインを購入して、夕食の際に飲むことにした。残念ながら、甘すぎて全く食が進まなかった。僕個人としては、アイスワインは、食前酒なのではないかと思う。お酒が飲めない人には、良いワインだと思うけれども、普通にワインが好きな人には、かなり物足りないのではないだろうか。それでも、貴族が好んで飲んだというのには納得のできる、高価で貴重なワインだと思いました。