TA EIS HEAUTON

自省録。
自分自身という
最も手強い敵を相手に。

エランヴィタール

2015年08月01日 | フラグメント。
 乳児は待ち、泣く。幼児は伺い、従う。児童は努め、認められる。青年は疑い、信じる。成人はさ迷い、寄港する。中年は挟まれ、懊悩し、流れる。高年は立ち止まり、振り返り、足踏みする。老年は楽しみ、受け入れる。

 人間の歩みは、実に必然である。後から後から、辻褄があってくる。不自然に辻褄を合わせんとすれば、これ即ち仮面をとること能わず。

 時代、周囲、家族、友人、自らを取り巻く縁は奇なもの粋なもの。それに逆らうも従うも気づかぬことでさえも、理法のうちにあって、かくあることが決まっていたのである。

 嗚呼、何を悲観することがあろうか。彼岸までの道はすでに目の前にあったのだ。

 やっと、腰掛けることができた。嗚呼、そうか、私もこの一部なのだ。離れるときは離れるのだろう。居る間は居るのだろう。ただそれだけのことだったのだ。

 ルビコン河は、かくありなむ。