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パパラッチ防止VIP専用ターミナル、米空港で初 ロサンゼルスに5月15日正式オープン

2017-04-30 07:45:09 | USA

パパラッチ防止VIP専用ターミナル、米空港で初

ロサンゼルスに5月15日正式オープン

 

 【ロサンゼルス】米ハリウッドの大物女優が次にロサンゼルス国際空港に姿を見せる際には、空港の混乱や混雑がい

くらか解消されるかもしれない。


 「プライベート・スイート」が5月15日に正式オープンするためだ。これは一般のターミナルから離れた場所に設置され

た個室付きターミナルで、VIP(要人)やセレブ、会社経営者のほか、一般人でも1500~4000ドル(約17万~44万円)

を支払えば、プライバシーが確保された上で、厚いもてなしを受けられる。航空会社、運輸保安局(TSA)および税関・国

境警備局(CBP)の業務訓練のため、既に何人かの顧客がここを利用している。


 ファーストおよびビジネスクラスの乗客専用の豪華ターミナルは世界中で増えており、現在少なくとも十を超える主要

都市に設置されている。これらのターミナルは、収益性があると同時に効率的でもあることが判明しつつある、と運営側

は言う。保安検査の列の進みを遅くしかねない乗客および乗務員を隔離するからだ。


 隔離されたターミナルがあれば、パパラッチが群がるのを防ぐこともできる。パパラッチは通行人にけがをさせたり、渋

滞を生じさせたりしかねない。利用客はターミナルと航空機の間を高級車で送迎してもらえる。現在、一部の航空会社は

最上位顧客にも同じサービスを行っている。ロンドン・ヒースロー空港の広報担当者によると、同空港では年間6万人が

VIP専用ターミナルを利用している。今回のプライベート・スイートは全米初の試みだ。


 80年代に人気を集めたバンド「ゴーゴーズ」のリードシンガー、ベリンダ・カーライルさんは早々とプライベート・スイート

の会員になった1人。先週中国に向かった際にはこのターミナルを使った後、TSAへの感謝を表してツイートした。


 カーライルさんはフライト後のメールで、「海外でこの種のサービスを利用したことがあった。米国にもできてとてもうれ

しい。これはゲームチェンジャー(状況を一変させる出来事)だ」と述べた。


ロサンゼルス国際空港の「プライベート・スイート」


ロサンゼルス空港の運営会社とTSA、CBPはVIP専用ターミナルを支持している。セレブがやって来て周辺がごった返

すことが日常茶飯事だからだ。空港警察はセレブを見に来るファンの整理にかかりっきりになるうえ、旅行者が写真や動

画を撮るため保安検査の列は進まなくなる。


 TSAはVIP専用ターミナルに人員を配置する見返りに、もう1つの混雑を一般のターミナルから排除する交渉をまとめ

た。国際線の乗務員による混雑だ。国際線の乗務員は30人を超える場合があり、保安検査の最前列に割り込むことが

多いからだ。乗務員がこの新ターミナルで検査を受ければ、ここの職員が忙しくしていられるほか、一般のターミナルの

列も短縮できる。


 プライベート・スイートの年会費は7500ドル。このほかに、最大4人のグループで国内線を利用する場合はその都度

2700ドル、国際線の場合は3000ドルを支払う。これは片道の料金だ。非会員が利用する場合、料金は800~1000ド

ル高くなり、受けられる特典も少ない。グループラウンジの共同スペースの利用料金は、会員なら1500ドルだが、非会

員はもっと高い。


 ロンドン・ヒースロー空港のVIPターミナルでは、最大3人を収容できる個別のスイートルームの利用料金が約3500ド

ルだ。


 プライベート・スイートの運営を担当する警備コンサルタントのギャビン・デベッカー氏によると、現段階で1200人が会

員になった。多くは企業が最高幹部や顧客のために割安料金で会員になった人たちだという。運営会社の経営陣は、

開設3年目までに黒字化するとみている。 


 セレブの警備で知られるデベッカー氏は、デービッド・ボンダーマン氏率いる投資ファンド、TPGキャピタルなどの投資

家と協力してこの施設を開発した。


 このターミナルには、個別のスイートルームが13室あり、中にはおむつ替え用のテーブルや哺乳瓶を温める機械が設

置されている乳児用の部屋、遊び場やゲームが設置されている幼児用の部屋のほか、お祈り用のマットとコーラン、マ

ジュールデーツ(ナツメヤシ)の実が用意されている中東の利用客向けの部屋もある。

 

ワイシャツやブラウス、ネクタイ、靴下、ベルト、靴など、家から持って来るのを忘れたもののほとんどが無料で手に入る


 個々のスイートルームにはバスルームがあるほか、中身が詰まった冷蔵庫と豊富なスナックが用意されている。壁に

はナッツ、ゼリービーンズやチョコレートのかかったアーモンドが出てくるディスペンサーが取り付けられているほか、焼

き海苔やコメ油で揚げたトルティーヤ・チップなど、スターにぴったりの袋入りスナックもある。食事も取れる。家から持っ

て来るのを忘れたもののほとんどは無料で手に入る。ヘッドホン、ワイシャツおよびブラウス、ネクタイ、靴下、ベルト、

靴、すそ上げテープのほか、カフスボタンにレインコートまでそろう。

 プライベート・スイートは「空港で(セレブたちが)決して手に入れられないものを提供する。それはピース(平和)だ」。デ

ベッカー氏はそう述べた。