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中国、海底の命名申請活発化…日本のEEZ周辺

2017-01-03 05:24:47 | 領海・領土・領空・EEZ

海底の命名に関する日中の海底陣取り合戦です。

中国、海底の命名申請活発化…日本のEEZ周辺

2017年1月1日8時38分 読売オンライン
 
 
 【ジュネーブ】中国政府が日本の排他的経済水域(EEZ)の周辺などで海底地形の調査を行い、国際水路機関(本部・モナコ)の下部組織に対し、中国語による命名申請を2016年に活発化させていたことが明らかになった。
 
 
海洋権益拡大に向け、中国は海上だけでなく、海底でも動きを一段と加速させている。


 この国際機関は「海底地形名称小委員会(SCUFN(スカフン))」。国際的に統一された海底地形名を定める機関で、12月21日に16年の各国の申請状況と登録結果を盛り込んだ最新報告書を公表した。


 それによると、中国国家海洋局は16年、前年の倍以上となる50件の中国語名申請を行っていた。うち16件は受理され、34件は「沿岸国との係争に発展する深刻な懸念がある」などの理由で受理されていない。

 

受理されていない申請には、日本が鉱物資源開発などの権利を目指して国連大陸棚限界委員会に大陸棚延長を申請し、中国と韓国の反対で審査が先送りされている沖ノ鳥島からパラオにかけての「九州パラオ海嶺(かいれい)南部」内外の8か所、中国がフィリピンやベトナムなどと領有権を争う南シナ海のスプラトリー諸島周辺21か所が含まれていた。


 一方、日本に関係する海域で中国の主張が通った事例もある。12年には、日本のEEZと大陸棚に近接する沖縄県宮古島の南東450キロ・メートル地点で中国が申請した、中国語名の「日潭(リータン)海陵」「月潭(ユエタン)海嶺」「日昇(リーシェン)平頂海山」が受理され、登録された。


 中国が申請した海域の多くは公海にあたり、原則的には調査も命名も自由だが、日本が主張する大陸棚やEEZに近接し、日本側の調査範囲とも一部重複している。海洋調査関係者によると、こうした海域を調査する場合は調査の重複を避け、事故を防止するため、関係国に詳細な研究計画を提出し、事前調整するのが常識だが、中国は手続きを十分に踏んでいなかったという。


 海底地形の命名は国に関係なく発見者に権利があり、学術的利用を前提としている。ただ、06年に島根県・竹島の領有権を主張する韓国が韓国語名での命名に動いて政治問題化し、日本との協議後に申請を見送った経緯から、SCUFNは政治的に機微な提案は扱わない規定を設けた。


 一方的な海洋進出で日本などとの緊張を高めている中国は海底地形の研究分野でも、海洋利用や実効支配の根拠とする目的で調査や地名申請を活発化させている。日本の外務省幹部は「中国の主張の補強材料として政治的に利用される可能性はあるかもしれない。注視する」としている。


 海底地形名称小委員会(SCUFN=Sub―Committee on Undersea Feature Names) 上部機関の国際水路機関とユネスコ政府間海洋学委員会が選出した海洋地形や測量の専門家で構成され、2016年は日本、ドイツ、韓国、中国などの11人。議長はドイツの委員だった。地形名は、モナコか委員選出国のいずれかで年1回開かれる会議で承認されれば、ネット上のデータベースやグーグル・アースなどに掲載される。地形名には故人や調査船の名前、神話の出来事などが使える。



 

日中 海底陣取り合戦…中国が命名攻勢

2017年1月1日5時0分 Yomiuriオンライン
 
【ジュネーブ、北京】中国は、海底地形の調査研究では日本に比べて後発ながら、国家を挙げた取り組みで、国際的に統一した海底地形名を定める「海底地形名称小委員会」(SCUFN)での存在感を高めつつある。東シナ海などの海上の権益で対立を深めてきた日中は今後、海底を巡るせめぎ合いも激化しそうだ。

 

12年以降、年々激化

 日本は1993年のSCUFN発足時から、主要メンバーとして海底地形名の登録を積極的に行ってきたのに対し、中国の参加は初めて北京が会議の開催地となった2011年からだ。中国は自国開催をきっかけに海底地形の重要性に注目した可能性があり、その後、SCUFNでは頻繁に日中の対立が起きているという。


 SCUFNの会議は、モナコか委員選出国のいずれかで開催され、申請はその約1か月前に行われる。委員同士による事前の回覧を経て、5日間程度の会合で審議し、受理、保留、却下、先送りの判断が示される。


 一方、12年にニュージーランドのウェリントンで開かれた会議では、中国が日本のEEZに近い沖縄県宮古島の南東450キロ・メートルの海域で5か所の命名を申請した。その5か月前には、日本政府がこの海域を含む4海域について、大陸棚延長の申請が国連大陸棚限界委員会に認められたと発表していた。


 中国の5か所の申請のうち、「日潭(リータン)海陵」など3か所は受理された。しかし、残り2か所については、日本の委員が「国際的な学術誌ですでに『康成海山』『白秋海山』の名称が使用されている」と主張。他国の研究者の引用例を示した結果、結論は先送りされ、14年6月にこの二つの日本名が正式承認された。


 また、13年9月に東京で開催された会議では、岡山大学を代表した研究者が宮古島北西沖で「多良間海丘」と「多良間海陵」の命名を申請した。しかし、中国の委員が「(中国など)近隣国との間で論議がある政治的に機微な海域に位置する」と反対した。両地形は沖縄県・尖閣諸島にも比較的近く、中国が反応したものとみられる。


 日本は15年9月、3か所に中国名が付いていた宮古島南東や九州パラオ海嶺南部などの海域で、計27か所の地形名を申請し、全件受理された。これにより、九州パラオ海嶺南部の南半分15か所に日本名が認められたことになったが、中国は16年、その南側の8か所について中国名を申請した。結果的には不受理となったが、大陸棚延長などに関わる日本の重点海域で、日中が「陣取り合戦」を行っている様相だ。


 世界の海底地形に詳しい日本の研究者は、中国の調査や命名申請が日本のEEZや大陸棚延長申請海域の「ぎりぎり」に設定してくると指摘し、「意図的なものを感じる」と言い切った。


 【海底地形】 海底と頂上の高低差が1000メートル以上なら海山、1000メートル未満なら海丘や海陵と呼ばれる。山脈状の地形は海嶺(かいれい)、頂上が平らになった海山は平頂海山と呼ばれる。これらは鉱物資源の開発や海底生物の採取を行う権利が認められる大陸棚が証明される根拠ともなり、各国は自国の権益のため、調査や海底地形名申請に力を入れる。

 

海洋権益 中国を警戒…日本政府 動向注視

2017年1月1日5時0分
 
日本政府は、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)付近などの海底地形名の申請を活発化させていることについて、日本の権益が直接影響を受けることはないと分析しているが、中国が海洋権益を拡大させようとしている一環とみて、動向を注視している。


◇50件中受理は16件

 日本政府は現時点で、中国側に外交ルートを通じた抗議や申し入れは行っていない。2012年に中国名が確定した沖縄県宮古島の南東の3か所は「公海であり、通常のルールにのっとった行為」(海上保安庁関係者)と判断している。16年に中国が申請したものについても、「命名されたとしても学術的なものであり、直ちに日本の権益が影響を受けることはない」(外務省関係者)とみている。


 16年の中国による申請50件でこれまでに受理されたのは16件にとどまる。ただ、将来的に日本の大陸棚やEEZの内側で中国による命名が仮に認められるようなことがあれば、日本の主張する大陸棚を中国側が認めない「補強材料」として利用されかねない。外務省幹部は「気持ちの悪い話だ」と不快感を示している。


 日本も海底地形の名称申請は積極的に行っている。「海底地形名称小委員会」(SCUFN)では16年、各国の申請に基づいて名称が承認された海底地形81件のうち、日本申請分が23件に上った。海上保安庁関係者は「九州パラオ海嶺(かいれい)南部」について、「顕著な地形は日本風の地名で覆われている」と語り、今後も申請を継続する方針だ。

 

【解説】機先制する態勢整備を

 今回明らかになった中国による活発な海底地形の命名申請の動きからは、「海洋強国」確立を目指す習近平(シー・ジンピン)政権が、東シナ海や南シナ海で様々な既成事実を積み重ね、「実効支配」を印象付けようとする狙いが浮かび上がる。


 2016年の中国の命名申請50件のうち21件は、南シナ海で中国が主権を主張する「九段線」の内側にある。いずれも申請は8月に行われた。


 中国はこれに先立つ7月、南シナ海での主権主張が不当だとされ、仲裁裁判所で全面敗訴した。21件申請の動きは、この判決の余波と無関係ではないとの見方が出ている。


 また、中国が命名申請した海域には、日本の大陸棚の延長申請箇所の一部が含まれており、周辺の地形には日本名が多数登録され、日本が重点的に調査を行っている。


 国連海洋法条約は、公海での「海洋の自由」を保障しており、一連の中国の活動は厳密には違法とは言えない。しかし、日本の海洋調査関係者によると、中国は近隣国と事前に十分な調整を行わずに調査を行い、近年は、日本の調査船の活動が妨害されるケースが相次いでいるという。


 中国は、軍事面、法律面、政治面など、あらゆる舞台で海洋権益に関する自らの主張を正当化しようとしている。日本は反応するだけでなく、機先を制する対応が求められる。そのための人材や予算確保など、態勢整備が急務となっている。(ジュネーブ支局長 笹沢教一)

 
南シナ海もそうですが「いつのまに」という進め方ですよね。

海に関しては中国の領海に執着してますね。中国の国土面積から比べると、国際的に定められた領海、EEZは少ない。

どう考えても南シナ海全部が中国の領海とは考えられないし、仲裁裁判所でも中国の領海という根拠がないという裁

定が出ているにも関わらず無視し、どんどん埋め立てて実効支配している。

海底地形名称もいずれ政治利用するのだろう。注視したいのは「沖の鳥島」付近です。

中国は沖の鳥島はただの岩であり、日本の領土ではない主張していますから。

この付近をどんどん調査して中国名をつけるのではないでしょうか。

今までの沖の鳥島付近のものは却下されています。

南鳥島の海底にレアアースとなるような資源がある(日本は東京大学が現在調査中)可能性との報道がありました。

南鳥島(小笠原)ー沖の鳥島ー沖縄を結ぶ海底に豊富な資源がありそうですね。

この辺も中国が放っておくわけないような気がします。

中国に横取りされないように日本は迅速に調査し海洋権益を守らないといけませんね。

 

南鳥島近くで大規模な海底資源を発見