じんべえ時悠帖Ⅱ

中山道ウォーク、倉賀野宿(その2)

 3月14日にJR常磐線の最後の不通区間、富岡~浪江間が

運転再開となり、九年ぶりに全面開通する。

 桜並木で有名な夜ノ森(ヨノモリ)駅も電車で行けるように

なる。今朝のニュースでは、これに合わせるように夜ノ森の

避難指示が今朝6時に解除されたが、駅周辺の道路だけ。

 道路から一歩入った住宅地の解除は3年後。しかし、戻る

住民は果たして何人いるのだろうか。住民アンケートでは

「戻る」という回答は一割に満たない。

 

 さて、中山道ウォークは烏川を渡った岩鼻町から倉賀野宿へ。

岩鼻町交差点近く、路地の奥の観音寺は大きな楠で知られる。

 このあたりが岩鼻立場(タテバ)、宿と宿の中間の休憩処である。

強風に歩道橋の幕が剥がれそうである。

 旧中山道は一旦左の細い道となるが、浅い「く」の字を

描き、間もなく元の道に戻る。昭和の前期は元の道(右)が

中山道とされた。

 大きな交差点で国道17号を横切ると、その先には高崎線を

越える長い跨線橋が待ち受ける。倉賀野駅手前の高崎線は、

上り下りが200mほど離れているためである。

 右手には今日一貫して見えている上信越県境の山並み。

正面の特徴ある山の形は妙義山系、とすると奥に覗くのが

浅間だろうか。

 左手の山並みは、本庄宿に向かう時にも見えた、八ヶ岳や

金峰山、甲武信岳どであろう。

 長い跨線橋の両側は倉賀野東部工業団地。それが切れる

ころにあるコンビニで休憩。

 この先で再び「く」の字の分岐・合流となり、それを出る

と間もなく「倉賀野追分」、倉賀野宿の始まりである。

 右が歩いて来た中山道、左は日光道と彫られるが正式には

「日光例幣使街道」、ここから日光街道の今市宿まで続く。

 例幣使は、京都の公家が日光東照宮を参拝する五十人ほど

の一行を指し、毎年四月に出発する。

 倉賀野宿は利根川水系で最上流の河港があり、水陸両方

の交通の要衡として栄え、宿内人口は二千人を越えた。

 何気なく渡った小さな橋、立札を読むと「太鼓橋」。

 五貫堀を渡る板橋は、昔はもっと低いところにあったが、

度々の洪水で流されるため、旅籠屋や飯盛り女たちが二百両

を出して、当時としては珍しい石のアーチ橋となった。

 その五貫堀には蓋がされ遊歩道になっていると書かれるが、

覗いてみてもあまり歩きたくなる雰囲気ではない。

 高札場跡のレプリカの一つを読んでみる。これは全国で

共通に掲げられた高札で、銀五百枚は凡そ現在の三千万円

に相当するらしい。ばてれんは修道士、いるまんはその下

の修道士のことである。

 スーパーベイシアが倉賀野宿の本陣跡というが、ちょうど

ドラッグストアに衣替えの工事中で、駐車場に建つと言う

本陣跡碑はお目に掛かれず。

 脇本陣の一つ、須賀喜屋は江戸中期の門と明治中期の母屋

残る。奥の庭も風情がある。

 この倉賀野宿も、午前中の新町宿も案内所や観光地図が

見当たらない。やっと観光地図らしきものが貼られるが、

小さくて見にくい。

 仲町の山車倉前に建つ標柱にある「御傳馬人馬継立場」は、

宿や馬の手配、荷物の運搬を請け負う「問屋」のことだろう。

3時を回りここで倉賀野宿見学を終わりとする。

 駅へ向かう道脇、五貫堀遊歩道の入口のようだ。

 高崎線を待ちながら、最後のコンビニで買った缶酎ハイ

「檸檬堂」で打ち上げとする。今日は地図上では約12キロで

あるが、例によって行きつ戻りつ3万歩近くなった。

 エスカレーターもエレベターもない倉賀野駅。自由通路

までの階段が高い。

                   中山道ウォーク、新町宿・倉賀野宿(完)

 

 

 

 

 

 


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コメント一覧

jinbei1947
今までの川沿い歩きもお寺さん巡りも、唯々ウォーキングの目的地という
感じでしたが、中山道では少し歴史を訪ねるようになりました。
中山道に対する自治体のスタンスもずいぶんと違いますね。
これも勉強になります。
ykoma1949
お疲れさまでした。 三万歩は疲れますね
しかも上州のからっ風の中を、倉賀野宿・・
全く上州の中山道は土地勘もなにもわかりません
なので、この写真リ解説は大変参考になりました
この上州という土地も戦国時代から、戦場となったり
比較的話題の多い土地・・でも土地の人達はこの
土地の中山道とかの文化やその史跡保存などには
社会投資をしていないんですね。
苦労されての情報収集ホントお疲れさまでしたね
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