スコットランドと言えばスコッチウィスキーのメッカ。
そこから南西に伸びる島の列の先端が「アイラ島」。元々
地続きだったが海面上昇で島になった。
前回の、北海道厚岸生まれの「芒種」、樋田社長が憧れ
たのがアイラ島である。
海風に晒されて木が少ないアイラ島は、湿地帯の植物が
微生物で分解され切らずに堆積したピート(泥炭)が豊富
である。
木炭の代わりにこのピートでウィスキーの原料の大麦を
乾燥するこの島のウィスキーは、銘酒「ボウモア」に代表
されるように「煙のにおい」がすると言われる。
下の図の右の列がアイラ島のモルトウィスキーの蒸留所を
示す。数字など見にくいが「16」がボウモア(1779年創業)
の蒸留所。湾を挟んだ対岸「15」が復活したブルックラディ
蒸留所である。
アイラ島を含めスコットランドには140もの蒸留所がある
という。ウィスキーは一時衰退したが、中国、ロシアなどの
需要増大で盛り返している。
蒸留所の新設や復活も多いが、必ずしも資金繰りは決して
楽ではない。地図の「15」、ブルックラディも幾度もオーナー
を代えて来た。
2001年にロンドンの商社マン二人が、島の地主と組んで
休眠中の蒸留所を買収、老舗ボウモアのベテランも参加し、
再建、復活。地元の若者も採用し地域密着を目指した。
しかし製造設備は古いままで、大麦を砕くミル(粉砕器)
も発酵タンクも木製のままである。センサー付きの新しい
機械を使わないのは「職人の鼻と舌と目が頼り」。
スコットランドの雄大な自然と文化、歴史の伝統を守る
ことは「洋の東西を問わない」。
日の出散歩の帰り道、マイパーク早稲田公園